ジュネーヴ
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ジュネーヴ(仏:Genève)はスイス西部、レマン湖の南西岸に位置する都市。フランス語圏に属し、ジュネーヴ州の州都である。
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[編集] 概要
人口は約18万人(2003年)、面積は15.86平方キロメートル、標高は373メートル。
三日月形のレマン湖に面し、サレーヴ山(Mont Salève)、ジュラ山脈等の山地に囲まれる。市内をアルヴ川、ローヌ川が流れる。[1]
第二次世界大戦前には国際連盟の本部が置かれ、現在でも、国際連合の諸機関等の国際機関が多くある国際都市であり、条約の作成やさまざまな国際会議が行われている。
スイスの公用語は、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4言語であるが、フランス語圏のジュネーヴでは、ほとんどの場合フランス語が用いられる。[2]
[編集] 名称
各国語での名称は以下の通り
日本語では「ジュネーブ」又は「ジュネーヴ」と表記される。また、漢字では「寿府」(旧字体では「壽府」)と表記される。[3]
[編集] 歴史
- ジュネーヴの歴史は古く、ローマ時代までさかのぼる。その後、神聖ローマ帝国(ハプスブルク家)の支配を受けたが、1315年のモルガルテンの戦い等の独立運動の影響でハプスブルク家から離れ、1648年のウェストファリア条約によって正式に独立が認められた。
- 近世にはプロテスタントの一派改革派の拠点となり、ジャン・カルヴァン(カルヴィン;Calvin[ドイツ語読み])らによる共和政治が行われた。また、ジャン=ジャック・ルソーはこの街の出身。
- 1602年、サヴォア公が、ジュネーヴ支配をもくろみ侵入したが、市民軍の抵抗にあい失敗に終わった。[4]この事件は、サヴォア公が侵入に使った梯子にちなんで“エスカラード”(梯子の意)と呼ばれる。現在のエスカラード祭はこの事件にちなんだもの。[5]
- 経済的には、古くから国際的商業都市として発展した。
- 詳細は「スイスの歴史」の項目を参照されたし。
[編集] 国際都市・国際的な機関
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ジュネーヴに事務局・本部等を置いている国際機関には以下のものがある。
- 国際連合諸機関
- 国際連合欧州本部
- 国際連合貿易開発会議 (UNCTAD)
- 国際連合難民高等弁務官事務所 (UNHCR)
- 国際連合人権高等弁務官事務所 (OHCHR)
- 国際連合専門機関
- その他の国際機関
- 世界貿易機関 (WTO)
- ジュネーヴ軍縮会議 (CD)
- 赤十字国際委員会 (ICRC)
- 国際赤十字赤新月社連盟 (IFRC)
また、ジュネーヴで作成された主要な条約、及び、ジュネーヴで開催された主要な国際会議としては以下のものがある。
- ジュネーヴ議定書 (1924年) - 国際紛争平和的処理に関する議定書。発効しなかった。
- ジュネーヴ諸条約 (1949年) - 戦争犠牲者の保護のための条約。
- ジュネーヴ休戦協定 (1954年) - インドシナ戦争の和平協定。
- ジュネーヴ4巨頭会談 (1955年) - 冷戦の雪解けを象徴的に示した米英仏ソ首脳による会談。
[編集] 観光
[編集] 観光名所
- サン=ピエール大聖堂 (Cathédrale Saint-Pierre):カルヴァンが本拠とした寺院であり、カルヴァンが説教の際に使っていた椅子等を見ることができる。また、尖塔からはジュネーヴ市街及びレマン湖を一望できる。
- 花時計 (L'Horloge Fleurie):モンブラン橋のたもとのイギリス公園内にある有名な花時計。
- 大噴水 (Jet d'Eau):レマン湖畔にあり、140mもの高さまで水を噴き上げるジュネーヴのシンボル。ただし、噴き上げる時間帯や時期は一定でなく、冬季は午前10時から午後4時までで、気温が0度以下になった時も止まる。
- レマン湖岸の遊歩道:レマン湖岸に沿った遊歩道で、イギリス公園や上記の花時計などがある。また、この遊歩道は夏期になるとカーニヴァルが行われたり、多くの行事に使われることが多い。特に、夏期のレマン湖での花火大会時になるとここは絶好の観賞場となり大いににぎわう。
- 国家記念碑 (Monument National):イギリス公園内にある記念碑。スイスの象徴とジュネーヴの象徴の2人の女神が並ぶ。ジュネーヴがスイス連邦に加盟したことを記念している。
- ルソーの生家:サン=ピエール大聖堂の西、旧市街の一角にある。記念館になっている。
- ルソー島:レマン湖からローヌ川が流れ出す地点にある人工の小島。ルソーの座像がある。
- 旧市街:約500年前に建てられた市庁舎、旧兵器庫(大砲展示)等がある。
- 宗教改革記念碑:ジュネーヴを本拠地として活動したカルヴァンの生誕400年を記念して1917年に完成した記念碑。カルヴァンをはじめとする4人の宗教改革家の像が刻まれている。
- パレ・デ・ナシオン (Palais des Nations): 国際連合欧州本部。旧国際連盟本部である。資料図書室が一般開放されている。また、一般の見学者も受け入れており、午前と午後に解説つきツアーもある(セキュリティ上、見学不可となる日もある)。セキュリティチェック、パスポートチェックあり。一般見学はアリアナ門から入場する。
- 国際赤十字・赤新月博物館 (Musée International de la Croix‐Rouge et du Croissant‐Rouge):国際連合欧州本部のアリアナ門向かいにある。
[編集] 料理
- スイス料理のチーズフォンデュ、ラクレットが代表的。
- レマン湖で捕れた魚を使ったフィレ・ド・ペルシュ(Filets de perche)等の魚料理も有名。
[編集] 学校
- 地元の学校
- ジュネーヴ州立大学:1556または1559年創設。文学部に日本語・日本文学科がある。
- ジュネーヴ・インターナショナル・スクール (International School of Geneva : L'Ecole Internationale de Genève: Ecolint):1924年に創設された世界初のインターナショナル・スクール。
- コレージュ・デュ・レマン (Collège du Léman):ヴェルソワにあるインターナショナル・スクール。
- 日本人居住者向けの学校
- ジュネーブ日本語補習学校:ジュネーヴ旧市街の近くにあり、幼児部、小学部、中学部、高校部がある。日本人(あるいは日系人)子弟200名足らずが在籍している。
[編集] 交通
- 鉄道
- 航空:ジュネーヴ・コアントラン国際空港(Aeroport International de Geneve)
- 日本からの直行便こそないものの、ヨーロッパ各都市との航空路線は充実している(フランスとの共同利用)。
- 就航便会社:スイスインターナショナルエアラインズを中心にエールフランス、アリタリア航空、ブリティッシュエアウェイズ等
- 注意:読み方は「コイントリン」に非ず。
- 市内交通:Transports Publics Genevois (TPG)のバス・トロリーバス・市電(トラム)等
- バス:中心街は電気バス(トロリーバス)、郊外(多くは2桁の番号のバス)は日本と同様のバス。電気バスは1連接車が基本。需要の多い10番(緑色の幕)のバスは2連接車が運行に就くこともある。郊外のバスは連接なしの単独車。
- トラム:基本は3両編成。旧車両は2×2の4両編成(特に12番の運用を担う)だが、本数は少ない。
[編集] 姉妹都市・提携都市
[編集] 脚注
- ^ アルヴ川は山間部より流れてくるため白濁して茶色っぽく、レマン湖から流れ出すローヌ川は比較的澄んでおり緑色である。
- ^ 国際都市であるため、基本的に英語も通用するが、地元の年配の方々と話す場合はフランス語が有効である。
- ^ 英語ではイタリアの都市ジェノヴァ(Genova)と表記が似ていることから混同されることが多々ある。ちなみにジェノヴァの英語表記はGenoa。
- ^ サヴォア軍が夜襲をかけたが、翌日の料理(スープ)の準備をしていた主婦がその煮立ったスープの入っている鍋を、城壁から上ってくるサヴォアの兵士にかけたという逸話が残っている。
- ^ また、このエスカラード祭の前には市民マラソンが旧市街地で行われるが、最近は参加者が減少傾向にあるという。