標準軌
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標準軌(ひょうじゅんき、Standard gauge)は、鉄道線路の軌間、すなわちレール間隔が1435mm(4フィート8.5インチ)であるものをさす。
鉄道が発展伸張するにつれ、他路線との接続および車両の相互運用を可能とする軌間の共通化への要求が高まり、最終的に採用されたのが、この標準軌である。 今日では、世界の鉄道線路のうち60%がこの軌間を採用している。
英国においては、当初の軌間は1422mm(4フィート8インチ)であったが、0.5インチ広げられこの標準軌になった。拡張された理由として、一説には車輌のバックゲージが大きすぎ、過大な走行抵抗が発生していたため、これを改善するにあたり車輌、特に機関車を改造するよりも軌間を調整するほうがより容易であったからともいわれる。
米国では、多くの初期の鉄道車両は英国から購入したものだったので、一部の路線では同じ軌間を採用したが、19世紀後半中葉までは英国も米国もいくつもの異なる軌間の線路を抱えていた。
米国においてもErie鉄道などで1524mm(5フィート)を採用していたが後に標準軌に改められた。そのため、この鉄道の車両限界は大きく、東部から西部への大型貨物の通過ルートとして現在でも重宝されている。
日本では新幹線や一部の私鉄でこの標準軌を採用している。昔は、在来線に多く使用している1067mm軌間(狭軌)を「標準軌」、この1435mm軌間を「広軌」と呼んでいた事もあった。
[編集] 標準軌の起源
この特定の軌間が標準となった明確な理由は、恐らく他の軌間よりも広く使われていたという以外にはない。英国では1845年に王立委員会が4フィート8.5インチ軌間が、対抗馬で主としてグレート・ウェスタン鉄道で採用された7フィート軌間の8倍の路線網を持つことを理由として、より好ましいと報告した。引き続き、1846年に軌間法で新規路線では4フィート8.5インチの軌間で建設されるべしと定めたものの、広軌を採用済みの会社が路線を延長することは許可した。
ローマ帝国時代の轍(わだち)のついた道路にまで起源をさかのぼることができるともいわれている。ポンペイ等の遺跡に存在する道路跡に付けられた轍、すなわち馬車の車輪間隔がほぼ1435mmである事が多いからである。この1435mmの軌間がローマ帝国における馬車の車輪間隔の統一規格として用いられた事が、標準軌とされた理由ではないか、と推測されている。
[編集] 日本の標準軌路線
- JR(在来線)
- 関東の私鉄
- 関西の私鉄