インターシティ
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インターシティ (InterCity 略称・IC)は欧州各国の主に在来線において、その国内で都市間連絡を主たる目的として運行される優等列車である。
その性質はJRの特急列車に極めて近く、主要都市を中心として比較的長距離を専用車両を使用して各線区の最高速度で運転される。多くの国で日本の特急料金に相当する追加料金・特別料金が必要とされるが、追加料金・特別料金が必要でない国もあり、追加料金・特別料金が必要でも日本円換算では一般の運賃に500円程度を追加する程度で、JRの特急料金に比べ廉価な場合が多い。
ドイツ、スイス、オーストリア、デンマークなどで特にネットワークが発達している。これらの国では、1時間ごとあるいは2時間ごとの覚えやすいパターンダイヤを採用し、主要駅では違う系統同士が数分の待ち時間によって、同じホームの両側で乗り換えができるように配慮されているのが特徴である。
InterCityは元々イギリス国鉄が同様の優等列車に対して与えた呼称であったが、同国では国鉄の民営化に伴い、正式な呼称としては既に使用されていない。ちなみに、当時のドイツ国鉄のインターシティは日本の旧国鉄でエル特急のモデルとなった。
[編集] ユーロシティ
過去におけるTEE列車に準じた扱いの特別急行列車である、ユーロシティ (EuroCity 略称・EC)は、インターシティ列車の国際列車版的な性格があるが、TEE列車同様に、原則として次の条件を満たすことが必要とされている。1987年5月の欧州ダイヤ改正で登場した。ユーロシティはTEEとは異なり、全車全席一等を原則としていない。
- 一等・二等車ともエアコンつき
- 駅の停車時間は5分以内。運転上必要がある場合(機関車交換等)は15分以内。
- 出入国審査は走行中に行い、国境駅で長時間停車しない。
- 乗客全員が車内で食事が取れること。(できる限り食堂車を連結)
- 車掌は2ヶ国語以上を話せること(うち1つは英語、ドイツ語、フランス語のいずれか)。
- 表定速度90km/h以上。(勾配区間および航送区間は除く)
- 一定以上の定時運行実績。
- 愛称が付けられること。
- 昼間運転(6時から24時)
ただし、各国の事情により全ての基準が完全に満たされているわけではない。
各国を直通運転するため、ヨーロッパ共通規格(RIC規格)の客車を使用した列車が多い。通過する国々の客車を混結したカラフルな編成も多く見られ、国際列車らしい雰囲気を醸し出している。しかし、在来線走行時の最高速度はたいてい160~200km/h程度で、新型のユーロスター列車などの高速鉄道に押されて、既にオランダではユーロシティ自体が消滅するなど、一部の国では縮小の傾向も見られる。また1,000kmを越える長距離列車もあるが、TGVやICEなど高速鉄道や航空機などの影響により、運転系統は分断・短縮される傾向にある。長距離運転のため、遅延も国内列車より多い。その反面で、1990年代以後は、東ヨーロッパ諸国へのネットワーク拡大が目立つ。なおTGVとICEも、フランスまたはドイツと他国にまたがる運行では、列車種別がユーロシティである場合が多い。
オーストリア国鉄では、従来のEuroCity(EC)以外に、リニューアル客車主体で組成された"ÖBB EuroCity(ÖEC)"という国内列車も存在する。