スクーンの石
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スクーンの石 (Stone of Scone)。代々のスコットランド王が、この石の上で戴冠式をあげた。運命の石 (Stone of Destiny) とも呼ばれる。聖地パレスチナにあって聖ヤコブが頭に乗せたという伝承がある。
運命の石は、500年ごろ、スコット人ファーガス・モー・マク・エルクによってアイルランドから持ち込まれた。ファーガスはキンタイア半島付近に上陸し、ダルリアダ王国を建国。ファーガス2世となった。
846年にケネス1世がオールバ王国の王を兼ねるようになると、運命の石もダルリアダ王国の首都ダンスタフニッジより新首都スクーン(現在のパース)に移された。これより、スクーンの石と呼ばれるようになる。
スクーンの石は、1296年にエドワード1世によってイングランドに奪い去られ、木製の戴冠いすにはめ込まれウェストミンスター寺院に置かれることになった。その後、代々のイングランド王の戴冠式に用いられた。
スクーンの石がイングランドに奪われたことは、スコットランドの人々にとってはイングランドへの敵対意識を高めることになった。
1996年、トニー・ブレア政権によりスクーンの石は700年ぶりにスコットランドに返還された。現在は、エディンバラ城に保管されている。
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