ソルビトール
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ソルビトール | |
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IUPAC名 | ソルビトール |
別名 | ソルビット グルシトール |
分子式 | C6H14O6 |
分子量 | 182.17 g/mol |
CAS登録番号 | [50-70-4] |
形状 | 白色固体 |
密度と相 | 1.5 g/cm3, 固体 |
融点 | 110–112 °C |
SMILES | OCC(O)C(O)C(O)C(O)CO |
出典 | ICSC |
ソルビトール (sorbitol) はグルコースを還元してアルデヒド基をヒドロキシ基に変換して得られる糖アルコールの一種。ソルビット (sorbit) またはグルシトール (glucitol) ともいう。甘味があり、食品添加物などに用いられる。また、水に溶解する際に吸熱反応を起こし、口の中でひんやりとした感触がすることから、飴・ガムやスナック菓子等に清涼剤として用いられる。
動物の体内ではグルコース(ブドウ糖)をアルデヒド基の還元によってソルビトールにした上で、再度別のヒドロキシ基を酸化し、ケトン基とすることでフルクトース(果糖)を生成する。そのため、精子の活動時の栄養源として精液中のフルクトースを合成する精嚢内にその存在が確認されている。
植物ではバラ科の植物が光合成産物のデンプンを篩管を通じて転流するときに、デンプンの加水分解で生じたグルコースをソルビトールに変換する。スターキングデリシャスなどのリンゴの一部の品種では、果実内に転流してきたソルビトールをグルコースやフルクトースといった糖に変換する代謝系が果実の成熟に伴って停止しても果実内へのソルビトールの転流は継続する。そのため、果実内の維管束周辺にソルビトールが蓄積していわゆるリンゴの「蜜」と呼ばれる半透明部分を形成し、果実の成熟の指標となる。