ダチア・ロガン
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ダチア・ロガン (Dacia Logan) は、ルーマニアの自動車製造会社、ダチアが製造する小型自動車。親会社のルノーの世界戦略車でもある。
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[編集] 概要
1998年にダチアを傘下に収めたフランスのルノーが、低価格の前輪駆動(FF)小型車として1999年に開発を開始し、2004年からヨーロッパで発売された。当初はルーマニアの低賃金と高い生産技術を両立させることで5000ユーロで販売することを目標に開発されたものの、実際販売された際は諸般の事情により6000ユーロからになった。低価格ながらルノーの最新技術が反映されており、ルノーと日産の共同開発による「アライアンス・Bプラットフォーム」を採用し、エンジン、ギアボックス、内装など、他のルノー車のパーツを50%程度流用することでコストの低減を図っている。
エンジンは当初2種類の直4ガソリンエンジン(1.4リットルと1.6リットル)が用意され、2006年3月には1.5リットルの直4コモンレールディーゼルエンジン(1.5DCi 9840ユーロから)も追加された。
ボディタイプは当初は4ドアセダンのみの設定だったが、後にステーションワゴン(ロガンMCV)とバンも追加された(後述)。この他、ピックアップトラックや5ドアハッチバックなども追加される予定である。
[編集] ロガンMCV
先行コンセプト「ロガン・ステップ」 (Logan Steppe) が2006年3月のジュネーブ・モーターショーで、市販モデルが同年9月のモンディアル・ド・ロトモビル(パリサロン)で公開され、同年10月からルーマニア国内で発売が開始された。MCVはMulti Convivial Vehicleの略である。セダンと比較して全長が200mm、全高が115mm、ホイールベースが270mm大きく、2列シート5人乗り仕様の他に3列シート7人乗り仕様も用意される。エンジンはセダンと同じである。
また2007年1月にはロガンMCVをパネルバン化したロガン・バンも発売された。
[編集] 世界戦略車
現在は東欧諸国および、フランス(タヒチやニューカレドニアなどの海外県も含む)、ドイツ、スペインなどの西欧諸国へ輸出されている他、2005年からロシア、コロンビア、モロッコでも現地生産が開始され、ルノーのブランドで販売が行われている。また、2007年4月にはロガン初の右ハンドル車がインド市場に投入された。生産はマヒンドラ&マヒンドラとの合弁会社「マヒンドラ・ルノー」で行われ、同社のブランドで販売される。この他、ブラジルでも生産を行い、同年5月から6月にかけてアルゼンチンおよびブラジル市場にルノーブランドで相次いで投入される。
今後は、中華人民共和国、マレーシア、イランでも現地生産が行われ、近隣諸国で販売される予定であるが、日本で販売される予定はない。