ニューカレドニア
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国のモットー: 自由・平等・博愛 | |||
公用語 | フランス語 | ||
首都 | ヌーメア | ||
政府主席 | - | ||
面積 - 総面積 - 水面積率 |
1,9万km² -% |
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人口 |
219,246人 11.5人/km² |
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通貨 | CFPフラン | ||
標準時 | UTC+11 | ||
ccTLD | .nc | ||
国際電話番号 | 687 |
ニューカレドニア(フランス語:Nouvelle-Calédonie)は、ニューカレドニア島(フランス語でグランテール Grande Terre、「本土」と呼ばれる)およびロワイヨテ諸島 (ロイヤリティ諸島) からなるフランスの海外領土(a collectivité sui generis、特別共同体)で、事実上の植民地である。ニッケルを産出する鉱業の島である一方、リゾート地でもあり、森村桂による旅行記で映画化もされた「天国にいちばん近い島」の舞台となった島。
目次 |
[編集] 概要
オーストラリア東方の島で、南太平洋のメラネシア地域にあり、面積は18,575.5平方キロメートル(台湾の半分の大きさ)である。フランス語ではヌーヴェルカレドニーと発音し、ニューカレドニアは英語の "New Caledonia" から来ている。現地語ではカナキー(Kanaky)とも呼ばれる。
人口は2004年の調査では230,789人。政庁所在地で人口最大の都市はヌーメア(2004年の人口は91,386 人)。インターネットの国名コードは「.nc」。通貨はウォリス・フツナ、フランス領ポリネシアとともにCFPフランを使用している。首都ヌーメアは、太平洋地域の地域協力機構、太平洋共同体の本部所在地である。
1985年以降、メラネシア系先住民カナックによる激しい独立運動が行われ、現在では沈静化したが一時は暴動や内戦に近い状態を呈していた。1986年、国連非植民地化委員会(United Nations Committee on Decolonization)はニューカレドニアを国連非独立地域リストに掲載した。ニューカレドニアは1998年のヌーメア協定で、2014年以降に行われる国民投票によってフランスにとどまるか独立国になるかを決定することになっている。
[編集] 地名
「カレドニア」とは、今日のスコットランドにあたる地域を指すラテン語名である。一方、カナキー(Kanaky)という名もフランス語、英語、現地の先住民であるカナックの言葉では一般的に使われており、メラネシア民族主義者の間では「ヌーヴェルカレドニー」より「カナキー」のほうが好まれる。
カナキーという名は、ポリネシア語で「人間」を意味しポリネシア人の自称として使われる「カナカ(kanaka)」から来ている。カナカという語は後に、フランス人がポリネシア・メラネシアを含めた全ての太平洋先住民を指して使う言葉になった。一方、フランス語化したカナク(Canaque)は侮蔑語として使われていた。1960年代から1970年代にかけ、ニューカレドニアのメラネシア系先住民が政党を結成し独立への訴えを開始したとき、侮蔑語だったカナクはメラネシア人の政治的解放と民族の誇りのシンボル的な言葉となった。1983年、政治的混乱がニューカレドニアを襲った時期、カナク(KANAK)とカナキーは政治的な標語となり、カナクという語が政治的主張の強い言葉へと変わったことが広く認識されるようになった。
[編集] 地理
ニューカレドニアは南西太平洋の南緯21度30分、東経165度30分あたりに位置し、オーストラリア大陸の約1,200km東、ニュージーランドの約1,500km北西にある。島国バヌアツはニューカレドニアの北東にある。
ニューカレドニアは本島(グランテール)と周囲の島々からなる。ベロップ列島(Belep archipelago)が本島の北に、ロワイヨテ諸島(ロイヤリティ諸島、Îles Loyauté、Loyalty Islands)が本島の東に、イルデパン島(Île des Pins、カナック語でクニエ Kunyié)が南に、チェスターフィールド諸島とベロナ環礁がさらに西にある。
本島グランテールはこれらの島々の中で群を抜いて大きく、唯一山がちな島である。島自体の面積は16,372平方km、北西から南東に細長く伸び、長さは350km、幅は50kmから70kmである。長く高い山脈が島の中央部に伸び、中には1,500mを超える峰も5つある。島の最高地点はパニエ山(Mont Panié、標高1,628m)である。ニューカレドニア地域全体の面積は19,060平方kmであり、うち陸地面積が18,575.5平方kmとなっている。
ニューカレドニアは世界のニッケル資源の四分の一を有している。日欧米などの企業が採掘権を買っており、これらの採掘はほとんど露天掘りで行われている。
[編集] 気候
ニューカレドニアは南回帰線にまたがって伸び、南緯19度から南緯23度にわたっている。島の気候は熱帯で、季節によっては非常に雨が多い。東から太平洋を越えて来る貿易風が山脈に当たり、大量の雨を降らせることで島内には多くの熱帯雨林が形成されている。年間降水量はロワイヨテ諸島で約1,500ミリ、本島東部の低地で約2,000ミリ、本島の山岳部では2,000から4,000ミリに達する。本島の西側は山脈の影となるため雨は比較的少なく、年間降水量は1,200ミリである。
[編集] 生態系
比較的新しい時代に火山によって形成された多くの太平洋の島々とは異なり、ニューカレドニアは古代のゴンドワナ大陸の破片にあたる。8,500万年前にオーストラリアから一塊の陸地が分離し、この陸地は5,500万年前にさらに二つに分かれた。これがニューカレドニアとニュージーランドである。このため、ニューカレドニアにはゴンドワナ起源の珍しい固有の植物・動物が残っている。
特に有名なのは山岳部の密林に住むニワトリ大の灰色の鳥、カグー(Cagou / Kagu、カグー科)で、威嚇や求愛の際には頭の巨大な飾り羽をはね上げ大きな翼を広げ、犬にも似た奇妙な大声で鳴き、飛ぶことはできず林の中を走り回っている。ニューカレドニアのシンボルともいえる鳥であるが、人間の持込んだ犬や猫などにより絶滅が心配されている。
オーストラリアやニューギニアにも生えているニアウリ(Niaouli)の木の樹液は樟脳にも似た匂いのする殺菌力の高い精油(芳香油、Gomenol)を出し、古来より医学的な関心が寄せられてきた。精油は風邪や傷などの治療やアロマテラピーに使われている。
ニューカレドニアの淡水の生態系も長い地理的孤立のために独自の進化を遂げ、水量豊富な川や沢には多くの固有の水生生物が存在する。
人間の渡来前はルーセットと呼ばれる草食性のオオコウモリ以外に哺乳類はいなかった。ヨーロッパ人の渡来後は、乱獲や持ち込まれた外界の動物により固有の生態系は危機に瀕している。
ニューカレドニアには二つの異なった生態系を持つ地域がある。ひとつはロワイヨテ諸島、イルデパン島、本島東部のニューカレドニア熱帯雨林で、もうひとつは雨の少ない本島西側のニューカレドニア乾燥林である。ヨーロッパ人は首都ヌーメアをはじめ本島西側に多く住み、東側はカナックが多くすんでいる。政治的な区別と自然の区別は同一のものとなっている。
ニューカレドニア本島とイルデパン島を取り囲むサンゴ礁(堡礁)、ニューカレドニア・バリア・リーフはオーストラリアのグレート・バリア・リーフ(長さ2,600km)に次ぐ世界第二の大きさを誇るサンゴ礁である。その長さは1,500kmに達する。サンゴ礁は種がきわめて多様性に富み、絶滅の危機に瀕するジュゴンの生息地であり、アオウミガメの重要な産卵地でもある。
[編集] 行政
- 注意:フランスの地方行政区画の訳語は一定ではない。
フランス領ポリネシアやウォリス・フツナ同様、ニューカレドニアもフランスの海外領土であり、フランスの一部である。フランスでも特殊な地方行政区画「特別共同体(a collectivité sui generis)」であり、「特別(独自、sui generis)」という用語を冠されている。これは、ニューカレドニアはフランスで唯一、地域圏や県、海外県、海外準県など地方共同体(Collectivité territoriale)でない行政区だからである。ニューカレドニアは1946年まで植民地だったが、1946年以来1999年まで海外領土(territoire d'outre-mer、略称TOM)となっており、その後独自の地位を得た。首府はヌーメアで、地域内唯一の大都市圏である。
ニューカレドニアの行政区画は三つの州(province、地方:フランスでこのような名称の行政区画はニューカレドニアにしかない)に分けられる。ロワイヨテ諸島の「離島州(Province des Îles)」、本島北部の「北部州(Province Nord)」、および本島南部の「南部州(Province Sud)」である。さらにこれらは33のコミューン(市町村)に分かれる。
加えて、カナックの各部族ごとの課題に対処するため、別の種類の行政区画が並行して存在する。これらは伝統的区域(aires coutumières、英語:traditional spheres)と呼ばれ八つある。(伝統的区域の地図(zipファイル)を参照)その司法権は、地域内に住むカナック以外の民族には適用されない。伝統的区域は言葉の違いやフランス植民地支配以前の部族同盟の範囲を大なり小なり反映している。
[編集] 歴史
1774年にキャプテン・クックによって発見され、1853年にフランス領となっている。当初は流刑植民地だったが、19世紀後半のニッケル発見後は鉱業の島となった。20世紀後半には独立闘争で島が揺れ、1998年のヌーメア協定で将来に関する合意がなされた。
[編集] 先住民族
西太平洋に人が住み始めたのは5万年前であった。その後パプア諸語の民族がメラネシアに拡散した。他にも、ラピタ人(Lapita)がメラネシアの島々に移り住んでいる。紀元前1500年、ラピタ人たちは現在のニューカレドニアおよびロワイヨテ諸島に到達し、高度な航海術や農業、土器作りは太平洋の広い範囲に影響を及ぼした。その土器などの痕跡は今もニューカレドニアに残るほか、彼らの前に住んでいた民族による1万年前のペトログリフ(岩刻)も残っている。
その後、オーストロネシア語族が台湾などを起点にオセアニアに進出している。11世紀ごろ、オーストロネシア語族のポリネシア人がニューカレドニアに到達し、パプア系などの先住民族と混血した。
[編集] ヨーロッパ人到達
ヨーロッパ人のニューカレドニアおよびロワイヨテ諸島到達は18世紀後半のことだった。イギリスの探検家ジェームズ・クック(キャプテン・クック)が1774年、海上からニューカレドニア本島(グランテール)を発見し、山の多いスコットランド(カレドニア)を思わせる眺めからニューカレドニアと名づけた。同じ航海で、彼はニューカレドニア北方の島にニューヘブリデス諸島(現在のバヌアツ)と名づけている。
イギリスとアメリカ合衆国の捕鯨業者および白檀(サンダルウッド)貿易商がニューカレドニアに関心を示すようになり、ヨーロッパ人と先住民との間に緊張が高まった。ヨーロッパ人の先住民への接触も次第に不正直なものとなり、高慢な態度と詐欺が横行するようになった。英米人はアルコールやタバコを物々交換の品物に混ぜ、先住民を中毒にした。またヨーロッパ人との接触で天然痘、インフルエンザなどさまざまな疫病が先住民の間に蔓延し多くの人々が死んだ。緊張は敵意に変わり、1849年にはカッター号の船員がポウマ族(Pouma)に殺され、食べられる事件が起きた。
白檀貿易が衰退すると、新たな商売が誕生した。ニューカレドニア、ロワイヨテ諸島、バヌアツ、パプアニューギニア、ソロモン諸島などで先住民を捕らえ、フィジーやクイーンズランドのサトウキビプランテーションで奴隷労働をさせる「ブラックバーディング」である。こうした奴隷貿易で島々の社会や文化は荒廃したが、20世紀初頭まで終わることはなかった。
カトリックやプロテスタントの宣教師がやってきたのは19世紀である。彼らが先住民の文化に与えた効果は重大なものがあった。宣教師は人々に服を着て肌を隠すように言い張り、多くの風習や伝統を根絶やしにしてしまった。
[編集] フランス領有
ニューカレドニアは1853年、イギリスのオーストラリア・ニュージーランド領有に対抗しようとしたナポレオン3世の宣言によってフランス領となった。イギリスのオーストラリア植民の例に倣い、1854年から1922年までの間、有罪を宣告された重罪犯およそ22,000人が、流刑地とされたニューカレドニア島南西岸地域に送り込まれた。この中には通常の凶悪犯もいれば、パリ・コミューンの共産主義者、アルジェリア北部のカビリアで逮捕されたカビル人民族主義者ら政治犯も数多くいた。
ニッケル鉱山の発見により流刑植民地の時代が終わり、鉱山労働者の需要が増え、ヨーロッパからの自由意志での移住者(前科者なども含む)や日本人などアジア人契約労働者が多くなった。また鉱山で強制労働をさせられる人数も激増した。同時期、先住のカナック人の人口は疫病や、彼らの生計・移動の自由・土地所有を厳重に制限するアパルトヘイトに似た先住民に対する法制("Code de l'Indigénat")によって激減していった。
[編集] 独立闘争
先住民は1960年代以降政党を組んで権利主張と独立運動、先住民文化復興活動などを始め、ニューカレドニアは1986年以来、国連非独立地域リストに掲載されている。このリストには近隣の島国であるアメリカ領サモア、イギリス領フォークランド諸島、ニュージーランド領トケラウなどが含まれている。(一方でチベット、インドネシア領パプア、スコットランドなどは記載されていない政治的バイアスのかかったリストだとの批判もある。)
1985年、先住民文化復興活動の先頭に立っていたジャン=マリー・チバウ率いる社会主義カナック民族解放戦線(Front de Libération Nationale Kanak Socialiste、FLNKS)は独立への扇動を行った。ジャン=マリー・チバウらは独立国家「カナキー」の樹立を主張した。FLNKS指導者の暗殺に端を発してカナックによる暴動が始まり拡大し、ニューカレドニア全土に非常事態宣言が出される事態となった。特に1988年4月22日、独立過激派が27人のフランス国家憲兵隊員と1人の裁判官を人質にとってロワイヨテ諸島のウヴェア島の洞窟に監禁し、4人を殺害した事件が最大の危機となった。この事件は5月、海軍特殊部隊、GIGN、EPIGNなどによる突入で過激派を殺害することで解決したが、特殊部隊側にも犠牲者が出た。
動乱の中、フランス政府は1987年に約束どおり住民投票を行い、翌1988年にマティニョン合意が成立し自治拡大が約束された。合意を結んだジャン=マリー・チバウは独立過激派により1989年に暗殺されてしまいFLNKSは混乱に陥っている。
この後も自治への運動や協議が行われ、1998年にはヌーメア協定が結ばれた。この協定では住民への権限譲渡プロセスを「不可逆なもの」と位置づけ、フランス市民権とは別の「ニューカレドニア市民権」を導入すること、ニューカレドニアのアイデンティティを表す公的なシンボル(ニューカレドニア「国旗」など)をフランス国旗とは別に制定すること、フランス政府がニューカレドニア特別共同体に段階的に権限を譲渡し、最終的には外交、国防、司法権、通貨発行以外の権限はニューカレドニアに全面的に譲渡されること、2014年から2018年のいつかの時点で独立かフランス残留かの住民投票を行うこと、などが定められた。
[編集] 人口統計
- 主要記事:Demographics of New Caledonia
- 2000年推計による。
- 年齢構成:
- 0歳から14歳;31% (男性 31396 女性 30160)
- 15歳から64歳;64% (男性 65042 女性 63961)
- 65歳以上;5% (男性 5324 女性 5933)
- 人口成長率:1.52%
- 出生率:20.84人/1000人当たり
- 死亡率:5.62人/1000人当たり
- 人口流出率:0人/1000人当たり
- 幼児死亡率:8.57人/1000人当たり
- 平均寿命:
- 全体;72.77歳
- 男性;69.84歳
- 女性;75.85歳
- 民族構成:
- 全体 91%
- 男性 92%
- 女性 90%
[編集] 文化
[編集] 宗教
[編集] 産業
[編集] 鉱業
1860年代にニッケルが発見された。コバルト埋蔵量世界第4位、ニッケル埋蔵量同5位を誇り、世界第5位のニッケル生産がある。ニッケル鉱業がGDPの20%、輸出の90%近くを占めており、世界最大級のフェロニッケル生産地である。
日本のニッケル鉱石の年間総輸入量約400万トンのうちの約50%がここから出荷されている。ニッケルは、主としてステンレスをはじめ、各種電子材料、蓄電池材料などの原料として使用されている。
[編集] 観光
豊かな自然から観光業が歴史的に盛んであり、海岸部やイルデパン島などの離島にリゾートが設けられ、フランス本土のみならず、日本やオーストラリア、アメリカなどから多数の観光客が訪れている。
[編集] 交通
[編集] Pictures Gallery
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ニューカレドニア観光局(日本語)
- フランスの地方行政区画
-
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