ダツ目
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ダツ目 Beloniformes | ||||||||||||
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トビウオの一種 Exocoetus volitans |
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分類 | ||||||||||||
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下位分類 | ||||||||||||
本文参照 |
ダツ目(Beloniformes)は、硬骨魚綱のグループの1つ。メダカ、ダツ、サンマ、トビウオ、サヨリなどを含む。
目次 |
[編集] 概要
熱帯・亜熱帯を中心に、5科・38属・約190種類が知られる。大半は海に生息するが、汽水域や淡水に生息する種もいる。
体は前後に細長く、断面は円筒形か逆三角形をしている。胴体を覆う鱗はわりと大きい。頭部では目が大きく、上顎が固定されており、動かしたり口吻を伸ばしたりできない。また両顎が長く前方に伸びるダツ類を除けば、下顎が上顎より前に出たいわゆる「受け口」の魚がほとんどである。ひれは体に対して小さく、胸びれ以外のひれは体の後半に偏る。背びれは1つしかないが、サンマ類では背びれと尾びれの間に小離鰭(しょうりき)を持ち他の科と区別できる。また、トビウオ類やサヨリ類は尾びれの下側が上側よりも長く発達する。
魚の中でも表層(水面付近)での生活に適応した分類群である。群れで水面付近を素早く泳ぐ。食性は肉食で、おもにプランクトンや小魚などを捕食するが、メダカやサヨリなどは藻類なども食べる雑食性である。
産卵時は水中の藻類などに集まる。卵は表面にたくさんの粘着糸をもち、これで藻類などに絡みついて発生が進む。また、ダツ目の卵は魚類にしてはかなり大粒で、サヨリ、トビウオ、サンマなどが直径2mm程度、小型のメダカでも直径1.5mm程度あり、目視で確認できるほどの大きさである。
[編集] 分類
- メダカ亜目 Adrianichthyoidei
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- メダカ科 Adrianichthyidae - メダカなど
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- ダツ亜目 Belonoidei
ただし、トビウオ上科の一属であるサヨリトビウオ属(Oxyporhamphus 属)は、サヨリ科とする説、トビウオ科とする説、さらには独立したサヨリトビウオ科(Oxyporhamphidae)とする説もあり、一定していない。
[編集] メダカ亜目 Adrianichthyoidei
[編集] ダツ亜目 Belonoidei
- ダツ科 Belonidae
- 熱帯から温帯域の淡水、汽水、海水に生息する数十種を含む。体は細長く、上あご、下あごとも細長くとがり、口には鋭い歯が並ぶ。背びれと尻びれは体の後部にある。
- サンマ科 Scomberesocidae
- 熱帯から温帯域に生息する数種の海水魚を含む。口はダツ目同様にくちばし状にとがるが比較的短く、歯も小さい。背びれと尻びれは体の後部にある。
- トビウオ科 Exocoetidae
- 胸びれが大きく発達し、尾びれの下側と尻びれも発達する。水面上にジャンプし、グライダーのように高速で滑空することができる。
- サヨリ科 Hemiramphidae
- 太平洋、インド洋、大西洋に生息する海産魚と、淡水、汽水魚が数十種。下あごのみが長い。トビウオ科に近縁。