デイトレード
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デイトレードとは、日本語では日計り商い(ひばかりあきない)のことであり、1日の市場が閉じる時には「買いポジション」も「売りポジション」も持たない取引を言う。主に、株取引において使用される事が多い。
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[編集] 概要
一日に数十回の取引を行い、細かく利益を積み重ねる売買手法である。早い時には、わずか数十秒~数分で売買および反対決済が成立する。場合によっては、一日で数百万円~数億円の利益を得られる(あるいはうしなう)など、これまでのトレード手法と比べ、即時性・ゲーム性・依存性が非常に強い。
デイトレードをする人の事を「デイトレーダー」と言い、本業としている人のことを「専業デイトレーダー」、兼業している人のことは「兼業デイトレーダー」という。
1日に何度も売買するデイトレードに対して、2~10日程度の短期的な持ちこしを行う場合には、「スウィングトレード」という。それ以上の期間になると、短期投資または中長期投資になる。
現物株の売買においては、差金決済が禁止されているため、実際の手口としては同一銘柄を資金余力を超えて回転売買することは出来ず(現金・信用とも)、また1日に発生した損失の多寡によっては、当日の引けまでにすべて日計りを終えたとしても証券会社から入金を請求される場合がある(現物株の売買では、約定日から3営業日後の受渡日に現実に一旦その銘柄株を買い、のち売ることが求められるため:差金決済の禁止)。一般にデイトレーダーの手口としては、相応の資金余力を持たせながら、特定銘柄の売買を終了させ、ついで別の銘柄を手がけるといったループトレードの手法をとることが多いが、取引に熱中するあまり、このルールの制約でおもわぬ損害をこうむることもあるので注意が必要である。
[編集] 歴史
デイトレードは米国で広がり、デイトレードによる破産者(による銃の発砲事件)などの社会問題にもなった。
日計り商いは、デイトレードという言葉が生まれる以前から、日本でも可能な手法ではあった。しかし、売買手数料の高かった時には、証券会社のディーラーでもないかぎり、数Tick(値幅)だけを目標として利ざやを稼ぐ手法そのものが難しかった。しかし平成13年の金融ビッグバンによりループトレードの解禁と手数料の自由化などをうけ、いわゆるデイトレーダーが活躍できる素地がうまれた。
手数料が自由化された後、証券会社は競うようにして「売買手数料」の値下げをおこない、また個人口座獲得のための営業戦略などもあって、これまで個人投資家では不可能だったデイトレードに注目が集まることになった。また、証券会社は「個性的な独自サービス」を競い、プロに近い「チャートソフト」を契約者に提供した。
2003年頃から一般人にも浸透しはじめ、参考書籍が棚を埋めるようになり始める。現在活躍しているカリスマトレーダーの登場も、この頃である。証券会社同士の競争激化による、手数料の値下げ、サービスの個性化なども加速した。
[編集] メリット
- 資金効率がよい。(トップクラスのトレーダーの手にかかれば、1億円程度の資金なら年間で10倍にできるといわれている。)トレードの期待値が高ければ、回数が多い方が複利の効果がある(逆に、期待値がマイナスだと、資金が減るのも早い)。
- 翌日に持ち越ししなければ、海外の相場変動・悪いニュース…等に影響されず、リスクを低く抑える事ができる。(逆に、持ち越しのメリットもなくなる)
- 資金を数十回に分けて投資するため、必然的に分散投資になり、リスクを限定する事ができる。
- 数日・数ヶ月後の値動きよりも、数分後の値動きのほうが、予想しやすく外れにくい。
- 経済・金融などの知識を、あまり必要とされないので、初心者でも入り込みやすい。
(但し、値動きの分析つまりテクニカル分析だけではなく、確固としたファンダメンタル分析と併用してトレードしているものも多い。)
[編集] 実情
上記のように、これまでにない利益獲得機会が見込まれ、デイトレード手法によるメリットも大きい。
実際にやってみると、ゲーム的な面白さにくわえ、パチンコなどと同じくギャンブル性が大きい。あくまで投資ではなく、投機(射幸)なのである。売買の立ち回りにはビジネス的な知識よりも「一瞬の流れを読む経験」が必要とされる。また、モニター画面の数字を見続けるため、目を酷使し、精神的にも疲労が溜まる。但し、デイトレーダーの中には瞬間の値動きに運をまかせるのではなく、各国の雇用統計・失業率等の重要な経済指標、各国中央銀行の動向、為替市場、長短金利市場、アメリカ・欧州・インド・中国等の株式市場、海外商品市場の動向を分析しながらトレードに取り組んでいるものも少なからず居る。
なお、アメリカの調査によればデイトレードで成功する者は約1割程度であり、残りは投資資金を失うか負債を抱えるという。基本的に投資家どうしの値幅の取り合いはゼロ和のゲームであるが、トータルで見れば証券会社の手数料(と譲渡益税)分のマイナスになる、マイナスサムゲームである。取引回数が増え、あるいは時間枠が短期になればなるほど、手数料に喰い潰される割合が相対的に長期投資と比較して高くなる。
「週刊ダイヤモンド」の第94巻41号(2006年10月28日販売号)では、ネット専業証券大手5社の預かり資産額が東証株価指数にほぼ連動してることから、「取引の回数を増やせば大数の法則が働き、市場平均並みの利益を平均的に出せるに過ぎない」という評価を下した記事が掲載されている。それに対して、そのような論証的な見方は現実の成功例を見ず、ただの無知に基づく思い込みであるとする批判が根強い。優れた投資家達が示す驚異的なパフォーマンスを、あのような少ないドローダウンで、偶然達成する人間が存在する確率は天文学的なものであるとする意見である。デイトレードがうまくいくかどうかはあくまでも個人差によるのだとし、誰しもがハリウッドスターになれるわけではないのと同じく、誰しもがデイトレーダーとして勝利できるわけではない(だから逆にデイトレードの勝者に成りうる才能ある者は確実に存在する)との考え方である。
[編集] 専業トレーダー
2002年以降、デイトレードを生活手段とするために、専業トレーダーになる者が多く現れた。
中には、大学を卒業後に、就職せずにトレーダーになる若者もいる。 仕事として捉えている者、バイト代わりとして捉えている者、ニートだが収入を得たい者、証券ディーラーをやめて転向した者など、様々である。
[編集] トレード環境
- マルチモニター
- デイトレードでは、わずか数秒~数分の間に、様々な情報を見て、発注操作をしなければならないため、複数のモニターを使う事が多い。これをマルチモニターと言い、2台ならデュアルモニター、3台ならトリプルモニターと言う。有名な専業トレーダーの中には、15~20台のモニターを使用している人もいる。本格的にやる場合には、最低でも2台、可能なら3台のモニターが推奨されている。
- 複数パソコン
- 上記のマルチモニター化するにあたり考慮すべきなのは、2~3台のパソコンで使うことである。現在のチャートソフトでは、一台のパソコンではソフトを複数起動する事ができない場合が多い。そのため、複数のパソコンを使用するトレーダーが多い。
- チャートソフト
- 証券会社が提供する独自ソフト。デイトレードでは分足チャート、板情報をリアルタイムに表示するソフトが必要になる。そのため各社が、個性的なソフトを提供している。デイトレーダーに人気なものに、楽天証券の「マーケットスピード」、松井証券の「ネットストックトレーダー」…などがある。
- RSS
- リアルタイムスプレッドシートの略。楽天証券が提供している、株式情報のプログラムデータ。エクセル上で動作し、自分の好きなようにカスタマイズする事で、自分にあった情報を表示させる事ができるようになる。
- 携帯電話
- 証券会社によっては、携帯電話のネット機能を利用して、サービスを提供している会社も多い。簡単なチャートを見たり、売買発注したりする事ができる。
[編集] 用語
- スカルピング(スキャルピング)
- 極めて薄く、利ザヤを剥ぐように稼ぐ、デイトレードの売買手法の一つ。例えば、マーケットで買い気配が強い時に、買いから入って、短時間(数秒~数分程度)で、1、2ポイントから数ポイント程度の利益を狙って、売り逃げるような売買のやり方。
[編集] 参考メディア
[編集] ニュース
[編集] 映画・ドラマ
[編集] マンガ
[編集] 関連項目
- カリスマトレーダー
- 逆張り
- 仕手
- 若林史江
- B・N・F (ジェイコム男) (デイトレード + スィングトレード)
- 著名な投資家一覧
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