デコレーション
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デコレーション (英語:decoration) は、元々英語の言葉であり、外来語として日本語に入って来たもので、基本的な意味は「装飾」である。何を装飾するかによって、様々なデコレーションがある。
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[編集] 人を対象とするもの
[編集] 衣類・服飾
人を対象とするデコレーションは、服飾・衣類などの飾り・装飾が日本では主としてある。女性の衣類を飾るリボンやレースや、刺繍などは服飾のデコレーションである。また軍人・警察官などの制服の場合は、肩章とかモール飾りなど華麗なものがある。男性の場合は、制服の正装の場合、デコレーションのある衣装となる。
[編集] 身体装飾
また未開人などの場合は、肌に直接刻み込む刺青などが「身体装飾」としてのデコレーションになる。腕輪、足輪、ネックレス、イヤリングなど装身具も、広義には身体デコレーションとなる。
[編集] 屋内と屋内物品を対象とするもの
[編集] 日常的な飾り
建造物内部、つまり屋内のデコレーションとしては、欧米では、壁紙や壁飾りなどが代表的なものとしてある。日本式家屋では、室内調度がデコレーションとなるが、特に、デコレーションとは言わない。
壁紙や壁飾り以外にも、天上や床、更に壁を飾るカーペット(絨毯)、タピストリ、またカーテンの類が、室内デコレーションである。また家具調度などにもデコレーションを施す。欧米では、時代ごとにデコレーションの様式があった。
壁飾りとして、刀剣を飾る例が西欧中世の貴族・騎士などの室内にはあったが、庶民の屋内では、壁に模様皿などを飾っている例がある。陶磁器の皿などの模様もデコレーションであり、皿に盛りつける料理・食品なども飾ることがある。祝日などには、この飾りは顕著となる。
[編集] 祝祭日などの飾り
日本においても、伝統的に、祝日や祭日には、室内を清めて、祝いに応じた飾りを部屋や調度に施したが(例えば、伝統的な正月の飾り)、世界の様々な文化においても同様である。このように外来の文化伝統から来る祝祭日の飾りなどは、欧米を中心として、祝いや祭に応じて、固有のデコレーションがあった。
キリスト教の場合は、クリスマスの飾りが日本でもよく知られている。クリスマスの飾りは、樅の樹を立てて、その樹を飾るだけではなく、室内全体に渡る飾り付けでもある(この樅の樹を、「クリスマスツリー」と呼ぶが、それはクリスマスの飾りの一部である)。
キリスト教文化では、降誕祭(クリスマス)以外にも、復活祭や公現祭などの祭日のデコレーションがある。
また、祭日ではなくとも、聖なるものとされる品物や道具などには、厳かなデコレーションが施されているのが通常である。カトリックのミサの祭壇とか、教会堂内部には豪華なデコレーションがほどこされている。中世のステンドグラスなどが、その例である。
宗教とは直接には関係のない、生活上の祝祭、例えば、誕生日とか結婚式などの場合も、室内を飾り、家具調度にデコレーションを施し、衣服も装飾のあるものに着替え、また、料理や食品などにも飾りをほどこした。日本では、ケーキに様々な果物や珍味を付け加えたり、花や枝などで飾ったものをデコレーションケーキと呼ぶが、これは祝祭日のデコレーションの一部である。
[編集] 屋外と屋外物品を対象とするもの
[編集] 日常的な装飾
欧米の建造物は一般に、他の建物との調和を考えたデコレーションを備えている。ノートルダム・ド・パリのガーゴイルは、呪術的目的もあるが、ゴシック建築でのデコレーションの一種である。建築様式や、ペインティングなどで建造物の装飾が行われる。美的効果と共に、宗教的、あるいは呪術的意味を持つデコレーションもある。
[編集] 物品の装飾
建造物をペインティングで飾るのと似て、自動車やトラックなどにペイントで絵を描いたり、装飾を付けたりする例もまたある。広義のファッションになるが、トラックの場合は、運転手が「粋」を求めて、ごてごてした過剰なデコレーションをほどこした、デコレーション・トラック(デコトラ)が存在する。
[編集] 祝祭日などの飾り
キリスト教の祭日などに、室内を装飾するのと同様に、屋外もまたデコレーションで飾る。西欧では、クリスマスの樅の樹は、各家庭の室内に立てるだけでなく、より装飾性の大きな華麗なものを、都市の広場などに立て、街全体にクリスマスの飾り付けを行う。
ラテン系の世界では、とりわけ謝肉祭(カーニバル)におけるデコレーションが華麗で、人々の服装も、街もデコレーションで埋め尽くされる。西欧でも北方系の場合、謝肉祭のときは、一般にキリスト教とはあまり関係のない、ゲルマンやケルトに起源のあるデコレーションで街を飾って、祭日を祝った。
[編集] ショー目的のデコレーション
屋内、屋外のデコレーション共に、日常と祝祭日等の区別はあっても、デコレーションは、飾りを行う当人や、その共同体にとって意味があるが故に装飾していた。一方、クリスマス・シーズンの日本の繁華街などを考えると分かるように、商業目的や、何らかのショーのため、デコレーションを行うことが多くなっている。
[編集] コマーシャル・観光
人々が、自分たちの住む住居や、着る衣服や、料理などに、デコレーションを施していたのと違い、第三者を観客として、あるいは顧客として誘引するためのデコレーションというものが、欧米でも日本でも盛んになって来た。
商店は、店内の商品陳列でデコレーションを使用し、また店舗の外側でも客を誘引するための装飾を利用した。祝祭日を機会として商戦が行われる季節や祭日には、店舗ごとではなく、商店街全体として、または観光都市などの場合は、都市全体として、祝祭のデコレーションで飾るようにもなった。
札幌の雪祭りの際に、ホワイト・イルミネーションで街が飾られるのがその例である。また観光名所の城やタワーなどを照明するライトアップもデコレーションの一種である。
[編集] 祝祭的かつショー的装飾
必ずしも、コマーシャルな目的を持たず、特別な意味で人々を鼓舞するためのデコレーションもまた存在する。阪神・淡路大震災のあった1995年より後、被災者への鎮魂や復興の願いも込めて、神戸で毎年行われたルミナリエは、夜の街を華麗な電飾(イルミネーション)で埋め尽くすというショー要素の強い都市デコレーションであった。神戸ルミナリエは現在も、続いている。
ルミナリエは、神戸以外の都市でも開催されるようになっている。