デジタルエンタテインメントアカデミー
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デジタルエンタテインメントアカデミーは、日本のコンピュータゲーム専門学校。略称はDEA。校内部では「ディーイーエー」と称しているが、OBや一部の採用先企業など関係者からは「デア」と呼称されていることが多い。
[編集] 概要
エニックス(現、スクウェア・エニックス)の関連会社「エニックスゲームスクール」として1991年に本格的なゲーム専門学校としてスタートした。別名ゲーム業界就職予備校ともいわれている。
入学資格は高卒者。入学者の最終学歴は、高卒54.1%、他専門および高専の卒業者および中退者が6.9%、残るは短大、大学、大学院、大検の卒業者および中退者が39%(2006年)。いったん就職し、自分で学費を用意したケースも少なくはなく、生徒平均年齢は高め。
学校法人ではないため、専門士の資格は得られず、電車の学割定期は買えない。OS、プログラミング言語、ツールなどのソフトウェアのアカデミックパック購入についても、理論上は購入できないはずだが、現実には学生証を呈示すればほぼ購入可能である。画材についても事務局で配布されるカードを呈示すれば新宿の世界堂で割安購入できる。(2006年現在)
2006年現在は21社のゲーム、コンピュータ関連会社を株主に持ち、大手ゲームメーカーや IT(情報技術)企業、モバイルコンテンツ企業などのエンタテインメント企業への人材育成を目的とした学校として運営されている。
2年制で、学科コースとしては主にゲーム作成に必要なコンピュータプログラミングについて学ぶ「プログラムエキスパートコース」と、コンピュータグラフィックスについて学ぶ「グラフィックデザインコース」がある。また、コンシューマ機の開発機材を使って開発を行う「マスターコース」もあるが、1年および2年終了時に実力を認められた上編入試験に受かる必要がある。
最近では出資企業からの要望もあり、「プログラムエキスパートコース」内にネットワーク専攻と携帯電話モバイル専攻も新設された。 これらの専攻によっても、内部試験に受かる必要がある。 他にも各種ゼミがあるが、ゼミによっては入ゼミ試験がある。また、2年次に学びたいことによっては、1年次に必ず取って置かなければならないゼミもあると言われている。
1年次1学期は、全コース共通授業となり、一学期終了後にもコースの変更は可能である。しかしゼミの選択の影響で、コースの変更は多大な負担とリスクを伴うことになる。
1年次8月からスタートする8月生制度もあるが、プログラムエキスパートコースのみで、なおかつ高卒後なんらかの進学をした者(中退でもよい)に限られる。
授業時間数およびその密度は他の同類校と比べ極めて高く、年々増加傾向にあるらしい。授業は9時半から始まり18時20分に終わる。授業外の自習も必須で、バイトをしながら学べるものではないとすら言われている。また学生が使う機材についても、モーションキャプチャーといった特殊機材があるのは、現在この学校だけと思われる。実際、バイトをしている人向けに1日の授業数が少ない3年制コースも授けられたことがあるが、ごく短期間でなくなった。 また、毎年1月に行われる3日間の「制作発表会」も、独特である。通常こうした会は新入生獲得のために行われるが、最初の2日はビジネスディで、一般人は見ることができない。そして会には出資企業だけでなく、東京を中心としたゲームメーカー、システム開発企業などから100社以上(2005年実績121社)来校する。いわば集団面接で、生徒の大半は2年目の1月のこの会以降に就職が決まる。また、生徒だけでなく展示作品が商品として買われることもある。 はっきりいって、目の前で他人が多数の企業から声をかけられ、名刺を集めていくのを見るのは、とても厳しい。
学校側からの出席日数不足、成績による留年、退学勧告は多い。また留年は2度までで、各学年を3度繰り返すことはできない。 最近の風評では、入学者のうち3割は最初からやる気がない。2割はその3割に引きずられる。1割はまじめに出席するが能力不足。そして残る4割が卒業と就職を果たす。その4割中の9割がゲーム業界に、1割はビジネス系など他の業界へ就職する。 また、能力が追いつかない1割も、厳密にはまったく就職できないわけではなく、2年次に就職が決定し、就職先での研修に入れば、その時点で以降の課題や出席は免除され卒業は可能なのだが、それ以前に溜めた課題提出がこなせないと、就職はしたものの卒業できなくなる。就職よりDEAを卒業する方が難しいという一説には、こうした事情もある。 風評は、DEAの公称98.5%(2006年)の就職率を否定しない。 ちなみに一般的なゲームスクールの卒業生のゲーム系への就職率は、1割に満たないと言われている。
入学するのなら、高校新卒者は大卒者と肩を並べることになる。そして例えグラフィック志望であっても、高卒程度の学問(数学と物理)を押さえておくのは勿論、当初からプログラム、グラフィックに関わる基礎知識、技術を持っておいたほうが有利とされている。 とはいえ実際には1年1学期の授業はごく基礎からはじまる。数学の補習用のゼミもあり、面倒見はいいので、当人のやる気次第でどうにでもなる。 ただし1年の2学期に入ると授業速度が大きく上がる。そのため一学期に油断してしまった生徒が落ちこぼれるといわれている。そして8月生の8月の授業は、とんでもない勢いと密度であるらあしい。
[編集] 沿革
- 1991年 10月 株式会社エニックスによりエニックスゲームスクールとして設立。(豊島区北大塚)。
- 1996年 5月 校名をデジタルエンタテインメントアカデミーに変更。株式会社アトラス、株式会社カプコン、株式会社コーエー、コナミ株式会社、株式会社コンパイル、株式会社スクウェア、株式会社タイトー、株式会社ハドソン、株式会社バンプレスト、株式会社マイクロキャビン 計10社が主旨に賛同し出資。
- 1997年 3月 校舎を新宿区北新宿へ移転。
- 1997年 5月 新たに6社が主旨に賛同し出資。株式会社アスキー、株式会社セガ、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント、株式会社ナムコ、任天堂株式会社、株式会社メディアワークス、 計6社が主旨に賛同し出資。
- 1998年 6月 新たに3社が主旨に賛同し出資。株式会社ティーアンドイーソフト(現:株式会社ディーワンダーランド)、テクモ株式会社、マイクロソフト株式会社、計3社が主旨に賛同し出資。出資企業は計20社になる。
- 1999年 8月 株式会社バンダイが主旨に賛同し出資。コナミ株式会社が出資企業から外れる。
- 2000年 3月 第2回CESAアマチュアゲーム大賞で優秀賞受賞。第2回CESAアマチュアゲーム大賞で3作品がノミネート。うち、プレイステーション開発実機による作品が優秀賞受賞。
- 2000年 11月 韓国KCTメディア、スンシル大学大学院と提携。
- 2001年 3月 第3回CESAアマチュアゲーム大賞で上位独占。ノミネート10作品中DEA学生作品が5作品を占める快挙を達成。うち、大賞1作品、優秀賞1作品、審査員特別賞2作品受賞。5つある賞のうち、4つまでをDEAの学生が受賞した。
- 2001年 5月 新たに3社が主旨に賛同し出資。ネットワーク系企業である、株式会社ACCESS、ニフティ株式会社、株式会社鷹山(現:株式会社YOXAN)、計3社が主旨に賛同し出資。出資企業は計23社になる。
- 2002年 4月 ネットワーク専攻課程を新設。プログラムエキスパートコースにネットワーク専攻課程を新設。
- 2002年 9月 第4回CESAアマチュアゲーム大賞でモバイル賞受賞。ノミネート10作品中3作品がDEA学生作品。うち1作品がモバイル賞受賞。
- 2003年 3月 校舎を新宿区大久保へ移転。教育環境の充実を図る。
- 2003年 4月 出資企業が計22社となる。株式会社エニックスと株式会社スクウェアが合併し、株式会社スクウェア・エニックとなる。新たに株式会社フロム・ソフトウェアが主旨に賛同し出資。株式会社アスキーが出資企業から外れる。
- 2003年 5月 新たに株式会社トミーが主旨に賛同し出資。株式会社コンパイルが出資企業から外れる。
- 2003年 9月 第5回CESAアマチュアゲーム大賞で3部門受賞。ノミネート10作品中3作品がDEA学生作品。そのすべてが大賞、携帯部門優秀賞、技術賞をそれぞれ受賞。
- 2004年 2月 新たにサミー株式会社が主旨に賛同し出資。株式会社ハドソンが出資企業から外れる。
- 2004年 8月 8月入学コース新設。大学・短大・専門学校を経験された方を対象とした新コースを開設。
- 2004年 9月 第6回CESAスチューデントゲーム大賞で4部門受賞。ノミネート10作品中、半数の5作品がDEA学生作品。うち、4作品が大賞、携帯部門最優秀賞、優秀賞、携帯部門優秀賞の上位4賞受賞。大賞は2年]]連続、携帯部門はDEAが独占。
- 2004年 12月 中国・清華大学継続教育学院と株式会社スクウェア・エニックスとの人材育成分野での提携に基づき、DEAが基本技術教育を担当。
- 2005年 9月 第7回CESAスチューデントゲーム大賞で2部門受賞。ノミネート10作品中、4作品がDEA学生作品。うち、2作品が携帯電話部門優秀賞、審査員特別賞を受賞。
- 2006年 3月 出資企業が21社となる。株式会社バンダイと株式会社ナムコのゲームコンテンツ事業がひとつになり、株式会社バンダイナムコゲームスとなる。
- 2006年 9月 第8回CESAスチューデントゲーム大賞で2部門受賞。ノミネート10作品中、3作品がDEA学生作品。うち、2作品が大賞、審査員特別賞を受賞。