トニー・バティスタ
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トニー・バティスタ(Leocadio Francisco "Tony" Batista, 1973年12月9日 - )はワシントン・ナショナルズに所属するプロ野球選手(内野手)。ドミニカ共和国、プエルト・プラータ出身。
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[編集] 人物
1991年、オークランド・アスレチックスと契約。1996年6月にメジャー昇格。1998年にアリゾナ・ダイヤモンドバックスに移籍。メジャー初の2ケタとなる18本塁打を放つ。1999年途中にトロント・ブルージェイズに移籍しそのシーズンに31本塁打を放つ。以来、6年連続20本塁打以上を記録した。2000年、ブルージェイズでリーグ3位となる41本塁打を放ち、初の球宴出場。2004年にモントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)にFA移籍。その年エクスポズでキャリアで2番目に多い32本塁打、110打点、さらに自己最多の14盗塁を記録した。2005年には2年総額1500万ドル(約15億6000万円)で福岡ソフトバンクホークスに入団(背番号は77)。3番打者として活躍を期待されたが、成績は打率.263・本塁打27本・打点90、出塁率に至っては.294と、長距離打者としては平凡な成績であり、高額年俸に見合う活躍をしたかといえば疑問符が付く。だが、チームの若手への指導などの貢献点も多かった。しかし、同年オフ、チームの若返り策のため戦力外通告を受け、自由契約選手となった。2年契約なので、残り1年分の年俸も支払われる。2006年はミネソタ・ツインズと1億5000万円で一年契約を結んだが、シーズン中盤の6月中旬に、打撃不振(50試合出場、打率.236、本塁打5本、打点21)を理由に戦力外通告を受けた。2007年2月14日、ワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結ぶ。
人柄はよく、ホークス時代的場直樹など彼に心酔した関係者は多数。また敬虔なクリスチャン(プロテスタント)であり、オフシーズンには宣教師としての活動も行い、周囲に聖書を読むよう薦めている。
非常にユニークな選手である。死球を受けたときにはすかさず襲い掛かるような勢いで投手に向かって走って行くが、乱闘はせず、そのまま一塁まで走っていったこともある。
2005年4月18日のオリックス戦(ヤフードーム)で、山口和男からパ・リーグ通算4万号となる本塁打を放っている。
ヒーローインタビュー時のキメ台詞は、「チョーご機嫌!」
[編集] 打法
最初にほぼ完全に投手に正対し、足の位置はそのままでそこから上体だけをひねって構える、独特の極端なオープンスタンス打法(神のお告げでこのフォームに変えたらしい)である。一部インターネットで漢字の「呉」に例えられるその独特のフォームから、アッパースイングで打球を飛ばす典型的な長距離砲。最近3年間で打率2割5分を切るなどやや粗い面もあるが、打率の割には三振の数は少なく、また得点圏打率も結構良い。日本では変化球攻めに苦しんで115個もの三振を喫し、その一方で四球はわずか23個だった。
[編集] 守備
守備では、1999年まで主にショートを守っていたが、2000年からサード転向。堅実なグラブさばきや、肩はそこまで強くないものの、正確な送球でチームに貢献している(ホークス移籍後はやや失策は多い)。
また、2アウト時に内野ゴロに倒れると、ライトのフェンスまで走るファンサービスをし、敵チームファンからも人気がある。これは、故障でひざを痛めており、全力疾走から急に止まると古傷に悪影響が及ぶため、ゆっくりと止まるという理由もある。
[編集] 年度別成績(1996年~2006年)
年度 | 年度 | 試合数 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 打率 | 盗塁 | 年齢 | 球団 |
1996年 | 平成8年 | 74 | 238 | 71 | 6 | 25 | .298 | 7 | 23歳 | アスレチックス |
1997年 | 平成9年 | 68 | 188 | 38 | 4 | 18 | .202 | 2 | 24歳 | |
1998年 | 平成10年 | 106 | 293 | 80 | 18 | 41 | .273 | 1 | 25歳 | ダイヤモンドバックス |
1999年 | 平成11年 | 44 | 144 | 37 | 5 | 21 | .257 | 2 | 26歳 | |
1999年 | 平成11年 | 98 | 375 | 107 | 26 | 79 | .285 | 2 | 26歳 | ブルージェイズ |
2000年 | 平成12年 | 154 | 620 | 163 | 41 | 114 | .263 | 5 | 27歳 | |
2001年 | 平成13年 | 72 | 271 | 56 | 13 | 45 | .207 | 0 | 28歳 | オリオールズ |
2001年 | 平成13年 | 84 | 308 | 82 | 12 | 42 | .266 | 5 | 28歳 | |
2002年 | 平成14年 | 161 | 615 | 150 | 31 | 87 | .244 | 5 | 29歳 | |
2003年 | 平成15年 | 161 | 631 | 148 | 26 | 99 | .235 | 4 | 30歳 | |
2004年 | 平成16年 | 157 | 606 | 146 | 32 | 110 | .241 | 14 | 31歳 | エクスポズ |
2005年 | 平成17年 | 135 | 559 | 147 | 27 | 90 | .263 | 3 | 32歳 | ソフトバンク |
2006年 | 平成18年 | 50 | 178 | 42 | 5 | 21 | .236 | 0 | 33歳 | ツインズ |
[編集] メジャー通算
- 1229試合出場 4467打数1120安打 打率.251 219本塁打 702打点 (2006年終了時)