ドルジバパイプライン
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ドルジバパイプライン(ロシア語: нефтепровод «Дружба» 英語:Druzhba pipeline)は世界最長の石油パイプラインである。ロシア南西部から約4000キロメートル離れたウクライナ、東欧諸国、ドイツへ石油を送っている。ロシアの石油企業トランスネフトが操業している。
ドルジバパイプラインは1964年、ソ連中央部で産出する石油をエネルギー資源の少ないソ連西部やヨーロッパの共産主義友好国へ供給するために建設された。現在ではロシアおよびカザフスタン産の石油をヨーロッパに輸出する最大のルートとなっている。パイプラインの起点はサマーラで、ここには西シベリア、ウラル、カスピ海からの石油が集まってくる。ベラルーシ南部のマズィルで2本の線に分かれ、南線はウクライナ、スロバキア、チェコ、ハンガリーへ向かい、北線はベラルーシを横切りポーランドとドイツに到達している。この線をドイツのヴィルヘルムスハーフェン港まで延長することでバルト海のタンカー通過量を減らしアメリカ合衆国へ原油を輸出しやすくするという提案がなされたことがある。さらにリトアニアのMažeikių精製所とラトビアのVentspilsオイルターミナルがブリャンスク州からの支線で接続されている。さらにハンガリーを経由しクロアチアのOmišalj港まで延長するドルジバ・アドリアパイプライン連結計画が提唱されている。
ドルジバパイプラインは現在一日あたり120万~140万バレルの輸送能力がある。 世界第二位の長さを持つパイプラインはバクー・トビリシ・ジェイハンパイプラインである。