ドント・レット・ミー・ダウン
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ドント・レット・ミー・ダウン(Don't Let Me Down)は、1969年に発表されたビートルズのシングル「ゲット・バック」のB面収録曲として発表されたジョン・レノン作の曲である。キーボードはビリー・プレストン。
ジョンは1968年にアルバム『ザ・ビートルズ』で「ジュリア」を披露して以降オノ・ヨーコに捧げたラブ・バラードを手掛けているが、この曲もヨーコに捧げたラブ・バラードで、タイトルの直訳「がっかりさせないでくれ」とはヨーコのことを指しているのである。
この曲は1969年の通称「ゲット・バック・セッション」で録音された曲であるが、解散のきっかけとなったこの悪名高きセッションでは録音した曲すべてが散漫な出来となってしまい、うまく仕上がったのはこの曲と「ゲット・バック」のみという有様だった。そこでとりあえずうまく仕上がったこの2曲がシングルになって日の目を見ることとなった。予定ではアルバム『ゲット・バック』の先行シングルとなるはずであったが、アルバムは結局発売を取りやめることとなってしまう。
後にこのときの音源はフィル・スペクターの手により装飾し直され、1970年にアルバム『レット・イット・ビー』として発売されるのだが、この間に本曲は収録曲から外されてしまった。しかし、フィルが加えたオーケストラやコーラスなどの装飾を再び取り除いたものとして2003年に発表されたアルバム『レット・イット・ビー...ネイキッド』には収録されている。
なお、シングル版では1969年1月28日に収録されたものが採用されているが、『~ネイキッド』では、2日後の1月30日にアップル本社での屋上ライブで2回演奏されたものを編集したバージョンが採用された(映画『レット・イット・ビー』にも収録されているが、屋上ライブ1回目の演奏でジョンが途中で歌詞を忘れてでたらめに歌っているため、その部分を2回目の演奏と差し替えた)。
『~ネイキッド』の屋上テイクでは、シングル版とは打って変わって生き生きした演奏をメンバーは繰り広げている。