ナウカ
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ナウカ は、ロシア/ソ連関係の書籍を主に扱って、東京・神田神保町にかつて存在した書店・出版社である。店名は「科学」を意味するロシア語 наука に由来する。ナウカ書店。
1931年(昭和6年)、当時の東京日日新聞(現在の毎日新聞)記者であった大竹博吉により創業。旧ソビエト連邦からの洋書輸入や、ソ連の社会主義建設を紹介する本、ロシア・ソ連関係の広い範囲の書籍を輸入し、日本におけるロシア研究、ロシア語学習に大きな役割を果たした。辞書の編纂、教科書の作成も手がけ、季刊誌『窓』の発行元でもある。大竹はプロレタリア文学とも関係が深く、小林多喜二全集を出版したところ治安維持法違反として1936年(昭和11年)に解散を余儀なくされ、第二次世界大戦後もGHQによって再び閉鎖された。
現在の会社は1952年(昭和27年)に三たび建てられたものである。ソ連だけでなく欧米の洋書も輸入し取り扱っていたが、ロシアへの関心の低下とインターネット個人取引の拡大に伴い書籍の売り上げが低迷し、更に国立大学の独立行政法人化によって研究機関からの書籍の発注が減少したことで経営が行き詰まり、2006年(平成18年)7月6日に東京地方裁判所にて破産手続開始を申請、9月半ばで閉店した。
季刊誌『窓』は、133号(2005年10月)を最終号として、以後休刊。
日本で唯一のロシア語専門取扱書店であったため、ロシア文学専攻学者などから惜しむ声が挙がっている。
[編集] 所在地
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- TEL 03-5259-2711