書店
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書店(しょてん)とは、本(書籍、雑誌)の小売店のことである。本屋(ほんや)とも呼ばれる(古い時代の呼称に書肆(しょし)というものもある)。出版社の社名に「○○書店」と付けられているものもあるが、ここでは小売店について説明する。
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[編集] 概要
書店には、一般的に書店といったときに指す新書店と、古書を販売する古書店がある。
新書店と言ってもさまざまな種類がある。商店街に店を構える小規模店や、駅前の百貨店や郊外の大型店の内部に店を構える店舗、都市の中心となる地場書店、広い駐車場を確保して車での利用者を狙うチェーン店、レンタルビデオやテレビゲーム(ハード・ソフト)などを同時に扱う店舗などがしのぎを削る。雑誌を揃えて長時間営業を行うコンビニエンスストアも広い意味では競合相手である。また、一部の書店では、特定の領域に特化した品揃えを行うことによって差別化を図っている。
[編集] コンビニエンスストア
出版物の2割はコンビニルートで販売される。 その殆どが雑誌であり、コンビニエンスストアは、日本の雑誌の実に4割近くを販売している。 大手数社で管理される為、コンビニ本部へのキャッシュバックは書店の比では無い。 昔はキオスクを擁する国鉄批判は週刊誌に出来ないといわれていたが 現在はコンビニ批判はそれを超えてタブー視されている。
[編集] インターネット書店
2000年頃から、インターネットの普及、あるいは前述の身近な小規模書店の減少に伴い、書店での注文よりも取り寄せが迅速であり、豊富な在庫を持つことが出来る「Amazon.com」など「インターネット書店」の利用も広がった。本を宅配便で配送するために送料がかかるものの(一定金額以上では送料無料の場合もある)、伝統的な取次ぎルートからの注文取り寄せに比べ、短期間で注文した本を手にすることができる点や、近在に書店がない地域での利便性などから、売上げが伸びているといわれている。
[編集] 販売システム
本(書籍、雑誌)の流通方式は、再販制度による定価販売制と、出版社からの委託販売制によって、他業界の流通とは違う一種独特の方法となっている。その流れは、以下のようになっている。
- 出版社が印刷された本を取次に出荷する
- 取次が全国に配送する
- 書店に入荷する
書店への入荷を配本というが、配本される本の種類・部数などは、取次側が決定するのが基本である(パターン配本)。配本された本は書店で陳列され販売される。委託販売制を取っているので、一定期間を過ぎても売れ残った本は取次を経由して出版社に返却される(返本)。
このシステムのメリットは、
- 書店にとっては売れ残りのリスクを負わず、パターン配本により仕入れに頭を悩ませる必要がない。値付けの手間がかからない。
- 出版社にとっては返本可能にしたことで書店に販売を引き受けてもらいやすくなり、物流や書店からの代金回収を取次が代行してくれ身軽になれる。
という点にある。 しかし現実には各者それぞれの不満もある。
- 書店
- パターン配本により、いらない本まで送られてくる。いる本が来ない。
- 特に小規模な書店では、取次の配本が大型店やコンビニに重点的に行われているため、客を奪われてしまう。実際、昨今の版元の初版部数は全国の書店に1冊ずつも行き渡らない部数のため、小規模書店は初版時には配本されず、販売時期を逸することが慢性化してきている。
- 配本される書籍の原価が定価の80%と高く、他業界では考えられないほど粗利が低い。(ただし、仕入れのリスクを負っていない以上、リターンが少ないのは当然とも言える。)
- 再販制度の元では値下げできないので、買い切りの本が売れ残ると損切りもできない。
- 出版社
- その他
- 多数の返本は環境に優しくない。
こういった状況から、特に小規模な書店では経営が難しくなり廃業が相次いでいる。(こうした店は商店街に店を構えるケースも多く、中心市街地の衰退の影響も大きい)。そのような小さな書店で本を買える環境を守るために、再販価格制度の維持が叫ばれているという側面もある。
[編集] 業界用語
- 客注(きゃくちゅう)
- 書籍を顧客が依頼して取り寄せる際、書店内や版元・取次に対して、特に客からの注文であるということを指す用語。一般には「客」と呼び捨てにしていることなどから注文された顧客に対しては使用しない。
- 番線(ばんせん)
- 書籍の取次会社が取引関係のある個々の書店に対して割り当てるコード。中規模以上の書店は「普通番線」の他、「客注番線」を分けて持つ場合が多い。版元が書店に対し書籍を送付する際、番線を伝票に記入し取次に搬入すれば、その番線の書店に届けられる。また、書店が版元に対して注文を出す場合は番線印を注文書に押印することになる。
[編集] 書店の歴史
[編集] 日本の主な書店
- 紀伊國屋書店
- ジュンク堂書店
- 丸善
- 鍬谷書店
- 極東書店
- 三省堂書店
- 旭屋書店
- 有隣堂
- 近藤書店
- 青山ブックセンター
- ブックファースト
- ヴィレッジヴァンガード
- 文教堂
- 今井書店
- 宮脇書店
- 明屋書店
- ツタヤ
- リブロ
- くまざわ書店
- 明林堂書店
- 三洋堂書店
- 福家書店
- 八重洲ブックセンター
- 書泉
- 芳林堂書店
- 新榮堂書店
- オリオン書房
- 平安堂
- 金龍堂
- 富士書房
- 喜久屋書店
- 文苑堂書店
- ブックスページワン
- ブックエース
- 精文館書店
- 模索舎
- タコシェ
- 啓文堂書店
- フタバ図書
- 八文字屋
- 島森書店
- 松林堂
- あおい書店
- 星野書店
- 王様の本
- アシーネ
- ブックメイトまるぜん
- 神陵文庫
- 考文堂
- 東京堂書店
- 東山堂
- 金港堂
- 西村書店
- 高陽堂書店
- 岩瀬書店
- 志学書店
- 明倫堂書店
- 文光堂書店
- 文進堂書店
- オリオン書房
- 飯田書店
- 吉見書店
- 谷島屋
- 大竹書店
- 考古堂書店
- BOOKSなかだ
- 勝木書店
- 辻井書院
- 関西医書
- 奈良栗田書店
- 泰山堂書店
- 井上書店
- 丸三書店
- 金高堂書店
[編集] 主なネット書店
- 雑誌のオンライン書店Fujisan.co.jp
- Amazon.co.jp
- セブンアンドワイ
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