バグダッド電池
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バグダッド電池(バグダッドでんち)とは、現在のイラク、バグダッドで紀元前250年頃に製造されたとされる土器の壺である。
電池であるという意見と、そうではないとする意見が存在するが、もしこれが電池として使われたのであれば、電池が発明されたのは18世紀後半であるから、これはオーパーツ(時代錯誤遺物)と言うことができる。
[編集] 構造
1932年にバグダッド近郊のホイヤットランプファ遺跡で発掘された。大きさは高さ約10cm、直径約3cm程度。粘土を焼いて作った土器の中に鉄の棒と銅の筒が入っているもので、口はアスファルトで塞がれている。また、底に何らかの液体が入っていた痕跡が残っていた。
[編集] 電池説
発掘当時は用途が不明の出土物であった。
1938年に、「これはガルヴァーニ電池の一種ではないか」とする論文がイラク国立博物館のドイツ人研究者ヴィルヘルム・ケーニヒ (Wilhelm König) の手によって発表された。
電解液として酢やワインが使用されていたと想像され、実験の結果、電圧0.9~2ボルト程度で発電された。ただしこの実験は発見された状態と違い開放状態で行われており、発見時と同じくアスファルトで口を閉鎖した場合はすぐに電流が止まってしまうという。
以前は装飾品に金や銀のめっきを施すのに利用されたと考えられていたが、現在ではバグダッド電池は電気めっきには不適当であるとされている。
[編集] 外部リンク
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