パイ中間子
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パイ中間子(-ちゅうかんし、Pion)は、当時阪大講師であった湯川秀樹が中間子論で予言した、核子を相互につなぐ中間子。強い相互作用による引力を媒介する。
その線量分布の特性からがん治療に用いられている。
[編集] 基本特性
π中間子はスピンが0で、第一世代のクォークからなる。種別はπ0、π+、π−の3種類がある。
π+はアップクォークと反ダウンクォークからなり、π−はダウンクォークと反アップクォークからなる。この二つは互いに粒子・反粒子の関係となっている。π0は自分自身が反粒子である。
荷電&pi中間子の質量は約139 MeV/c2、寿命が2.6 × 10−8 秒。 主な崩壊モードでは反ミュー粒子とミューニュートリノに崩壊する。
π0はわずかに軽く、質量が約135 MeV/c2で寿命が8.4 × 10−17 秒である。 主な崩壊モードでは光子2つに崩壊する。
[編集] 歴史
強い相互作用を媒介する粒子(中間子)が存在するという、1935年の湯川秀樹による予言の後、セシル・パウエルの率いるチームが、1947年に実験によって電荷を持つパイ中間子を発見した。
この時代にはまだ粒子加速器が存在していなかった。そのため、チームは代りに感光版を設置した観測気球を宇宙からの放射線(宇宙線)を受ける高度まで上げ、気球を回収後、顕微鏡による検査で電荷を持つパイ中間子の軌道を発見した。
これらの業績から、1949年に湯川秀樹および1950年にセシル・パウエルがノーベル物理学賞を受賞した。
π0はπ±とくらべると電荷を持たないため軌跡を観測するのが困難で、そのため、π0は粒子の崩壊から1950年に発見された。
[編集] 関連項目
- パイオニウム