パルミラ環礁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パルミラ環礁(パルマイラ環礁、Palmyra Atoll)とは北太平洋にありココヤシが生い茂るアメリカ領の珊瑚礁の無人島。アメリカ海軍の残した滑走路や港の跡地が残る。
パルミラ環礁はハワイのはるか南、北緯5度52分西経162度6分に位置する。海岸線総延長は14.5km。面積:6K㎡
1798年にアメリカ人船長エドマンド・ファニングが発見したが、1802年には別のアメリカ船パルミラ号が来ている。そして1816年アメリカの捕鯨船が筏で漂流していたスペイン人船乗りを救助した。船乗りはインカ帝国の黄金の財宝を積んでいた海賊船エスペランサ号だと言った。エスペランサ号はパルミラ環礁で座礁し、仲間と略奪品を島に隠したと言う。1862年にハワイ王国に併合され、1898年にアメリカがハワイを併合したことで、アメリカ領となると同時にハワイ人のフラード・レオ家の所有する事になる。だが同家も、この島を第二次世界大戦中にアメリカ海軍に接収されてしまう。アメリカ海軍は太平洋横断の輸送機用の滑走路や港を建設した。だがアメリカ海軍は終戦後に放置状態した。しかし軍は手放したがらなかったため、フラード・レオ家は返還を求めて争いアメリカ連邦最高裁は1947年にその所有権をみとめた。1959年、ハワイが州に昇格した時、パルミラ環礁はハワイ州の領域に含まれなかった。
観光としてのリゾート地や複合住宅地、ミサイルや衛星の発射場などの建設、さらにアメリカ政府が核貯蔵所としての目的などで環礁を買い取りたいと言う申し入りがあったが最終的に、3年間に及ぶ交渉の末、2000年11月にアメリカの自然保護団体「ネイチャー・コンサーバンシー」がパルミラ環礁の所有権を3000万ドルで手に入れ、現在、パルミラ環礁はこの自然保護団体が所有している。パルミラ環礁の一帯の保護に努めており、ラグーンと領海はアメリカ政府魚類野生生物庁に移管され、2001年1月、パルミラ環礁は野生生物保護区に指定された。
カテゴリ: アメリカ合衆国の地形 | 太平洋の島 | 環礁 | 世界地理関連のスタブ項目