ピエール・ブヨヤ
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ピエール・ブヨヤ(Pierre Buyoya, 1949年11月14日 - )は、ブルンジの政治家・軍人で大統領。ツチ族。ベルギー軍士官学校、王立軍学校を卒業。フランスや西ドイツに軍事留学の経験あり。
ブルニ県ルトブ出身。少佐時代の1987年、ツチ族寡頭による独裁体制を敷いていたジャンバプティステ・バガザ大統領をクーデターで追放し、自ら大統領に就任。同国の初のフツ族多数内閣を成立させるなどフツ・ツチ両民族の融和に努め、複数政党制を認めた新憲法の採択など民主化にも尽力したが、ツチ族強硬派はこれに反発し、2万人ともいわれるフツ族を虐殺した。ブヨヤは調停委員会を設置したが、両民族の対立は続いた。
1993年6月、同国初の民主選挙でフツ族でブルンジ民主戦線党員のメルシオル・ンダダイエが当選し、ブヨヤは引退。しかしその後の政変で国内が再び内戦状態に陥ると、1996年7月26日に再びクーデターでブヨヤは政権を握り、混乱を収拾できなかったシルベストレ・ンティバントゥンガニャ大統領を失脚させ、暫定大統領に就任した。内戦の激しさは収まったものの、依然として混乱は継続した。1998年6月、ブヨヤは正式大統領となった。
2000年にタンザニアのアルーシャでブルンジ政府、ツチ族、フツ族の各勢力が和平協定に調印し、内戦終結を目指す暫定政府が2001年11月1日、3年の期限で発足。ブヨヤ大統領とドミシアン・ンダイゼイエ(副大統領、フツ族)が1年半ずつの任期で大統領を務めることが決定した。1年半の任期を終えたブヨヤは2003年4月30日、大統領職をンダイゼイエに譲り渡した。