フォーク (食器)
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フォークとは、食べ物を刺したり、巻いたりして食べるための食器である。たいてい3つ又か4つ又。昔は2つ又であったが、スパゲッティを食べるために3つ又になった。食器として使われはじめたのは11世紀のイタリアで、それまではヨーロッパでは食事は手づかみで食べていたため、このような食器はそもそもその概念が存在しなかった。農業用の干草を分けるための同じ形をした巨大な農具が同じフォークという名で呼ばれていた。食器のフォークは指小辞をつけて forchetta と呼ばれる。
[編集] 食事用フォーク誕生の経緯
18世紀初めのイタリアでは、スパゲッティは民衆の食べもので、チーズだけをかけて手で頭上にかざして下から食べるものであった。1770年代、庶民の風俗を深く愛したナポリ国王フェルディナンド4世が宮廷で毎日スパゲッティを供することを命じた。しかし上記のような民の作法がハプスブルク家出身の王妃マリア・カロリーネ (Maria Caroline) に承認されるはずもなく、賓客がより上品にスパゲッティを食べられるように、料理長ジョヴァンニ・スパダッシーノ(Giovanni Spadaccino)に命じて、もともと口に運ぶものでなく料理を取り分けるためにあったフォークを食器として使わせた。このとき、工学エンジニアのチェーザレ・スパダッチーニが、先が長く三本だったフォークをもとにして、口に入れても安全でスパゲッティがうまくからむ様に先を短く四本にしたフォークを、王のために考案したといわれている。[1]
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- ^ Schwartz, Arthur. Naples at Table. Harper Collins, New York, 1996. p.130