フォール技
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フォール技(フォールわざ)とは、プロレスの試合で相手プロレスラーからピンフォールを奪うために繰り出される固め技。以下で、その技の種類について記述する。
また、フォールはアマチュアレスリングにおいても用いられるが、本項はプロレスのフォール技についての記述である。
目次 |
[編集] 一般的なフォール技
※以下の記述で「エビに固める」とは、相手の体をエビのように「くの字」に折り曲げて固める体勢のこと。
[編集] 体固め
体固め(たいがため)は最も一般的で、多用されるフォール技である。一般的には、技を受けて仰向けに倒れている相手の上半身に覆いかぶさる様に自分の上半身を重ねて体重を乗せ、両肩が上がらないように固めてレフェリーにカウントを取らせる。フォール技の中で、最も返され易い技である。
全日本女子プロレスの新人同士の試合は、半ばこの形で勝つことが義務付けられていたので、特別に『全女式体固め』と呼ばれていた。
これ以外にも、特殊な体勢でフォール勝ちを奪った場合(例・足で踏みつけただけ、人差し指一本だけ相手に乗せる、相手の上に座り込む)に、総じて「体固め」と記録される場合がある。
[編集] 片エビ固め
体固めの体勢で片足を取り、エビに固める技。体固めよりは返し難く、容易に繰り出せるため多用される。
[編集] エビ固め
相手レスラーの両足が上に上がった状態で、エビに固める技。パワーボムで相手を叩きつけた後、そのままピンフォールの体勢に持ち込む場合に用いられる。重心が相手の両肩へ移動し、より強くマット上に固めることができるため返し難い。
[編集] 返し技
相手の一瞬の隙をついて技を切り返し、ピンフォールの体勢に持ち込む技は一般的に返し技と呼ばれる。詳細はクイックを参照。
[編集] 逆さ押さえ込み
相手と背中合わせの状態で立ち、相手の両腕を絡めて背中に乗せる形で前方へ倒してエビ固めの体勢に持ち込む。主な使い手は藤波辰爾、西村修、堀口元気など。アメリカではバックスライドと呼ばれる。
[編集] スクールボーイ
相手の背後から股の間に手を入れて片足を抱え自ら後方に倒れこんで相手を倒し、相手をえびに固めつつ体重を掛けて押さえ込む。
[編集] クラッチ(丸め込み)技
クラッチ(clutch)とは、英語で「しっかり掴む」を意味し、プロレスでは相手の手首を掴んだり脚を絡めてエビに固める(海老のように丸め込む)技は総称してクラッチ(丸め込み)技と呼ばれる。
[編集] ローリング・クラッチ・ホールド
俗に回転エビ固めという。前屈みの姿勢をとっている相手の上をジャンプして飛び越えながら腰にしがみつく。そのまま前方に回転し、エビに固める。日本マットでは吉村道明が多用し、有名になった技。自分がエプロンに立ち、相手が突っ込んできたところをトップロープ越しにこの技を決める、という攻防は初期のプロレスでは定番だった。
[編集] カサドーラ
立ち状態の相手に、前方から自分がうつぶせ状態になるように飛び付きながら自分の脚を相手の脇に入れてそのまま空中で前転し、手で相手の両足を捕えてエビに固める。飛び付き前方回転エビ固めといわれる、メキシコ・ルチャリブレ発祥の技。
[編集] ウラカン・ラナ
相手が立ち状態の時に、後方から肩の上に飛び乗りそのまま前転、相手の股を潜りざま相手の両足を自分の手で捕えてエビに固める。日本語では高角度前方回転エビ固めという。
[編集] ウラカン・ラナ・インベルティダ
相手が立ち状態の時に、前方から肩の上に飛び乗りそのまま後転、相手の股を潜りざま相手の両足を自分の手で捕えてエビに固める。日本語では高角度後方回転エビ固めという。詳細はウラカン・ラナ・インベルティダを参照。
[編集] ミステリオ・ラナ
相手が立ち状態の時に後方から肩の上に飛び乗り、そこで座ったまま180度回転し、ウラカン・ラナ・インベルティダに移行する。レイ・ミステリオjr.の得意技。
[編集] ラ・マヒストラル
ネグロ・カサスの得意技で、別名:竜巻式横回転エビ固め。4点ポジションの相手の左腕を掴みその脇に左足を入れて背中を跨ぐように内側に回転、左腕を引っ掛け、相手の頭方向に前転し相手の右腕を取りつつ相手をひっくり返してエビに固める。かなり意表をついて極めるので、ピンフォール率が高い。
[編集] ヨーロピアン・クラッチ
ヨーロピアン・レッグロールクラッチともいう。相手の背後に立ち、股間から相手の両手首を掴んで引き、自分と相手の両脚をクラッチさせエビに固める技。仰向けに倒れている相手にもかけることができる。ビル・ロビンソンが日本マットに持ち込んだ技で、非常に返し難い。
[編集] ジャパニーズ・レッグロール・クラッチ
日本語では日本式回転足折り固めという。相手の背後に立ち、自分の両足首を相手の両脇に差し込んで後方へ回転、自分と相手の両脚をクラッチさせエビに固めた状態でブリッジする。
華麗なフォール技のひとつで、うつ伏せに倒れている相手両脇に自分の両足首を差し込んで、この体勢に持ち込む事もできる。主な使い手は藤波辰爾、初代タイガーマスク(佐山聡)など。
[編集] デルフィン・クラッチ
スペル・デルフィンが開発した固め技。仰向けに倒れている相手の頭部正面に立ち、相手の両腕を交差させた上に自分の曲げた右足を乗せて相手の両腕と首をクラッチ。更に相手の両足も交差させて右手で抱えるようにエビに固めた状態で見得を切りながらフォールする技。
[編集] 外道クラッチ
外道が開発した固め技。キャメルクラッチの体勢から前方に重心を移動させ、相手の体を前方半回転させてエビに固める。この時、技をかけている方は腕立て伏せのような姿勢となり、両脚で相手の両肩を押さえ込んでいる。 竹村豪氏の無我クラッチ、柏大五郎の柏クラッチも同型。
[編集] キドクラッチ
木戸修が開発。相手を脇固めに捕えた時に前方回転で逃げる勢いを利用し、そのまま腕と足をクラッチしてエビに固める。一時は「まだ誰も返したことがないのでは」とまで言われるほどフォール率の高い絶大な説得力を持った技だった。フィニッシングホールドとしてだけでなく相手が脇固めにきたところをスルリとキドクラッチに移行し気が付けば木戸が丸め込んでいた、という光景が以前はよく見られ、木戸の「いぶし銀」「職人」「仕事師」といった尊称を築き上げた技である。
[編集] トルネードクラッチ
MEN'Sテイオーが開発。飛行機投げの状態から自分も横回転し、頭と足をクラッチしたまま片エビ固めに捕える。
[編集] ローリング・クレイドル・ホールド
テリー・ファンクの得意技で、日本では揺り椅子固めとして有名。詳細はローリング・クレイドルを参照。
[編集] スモールパッケージ・ホールド
日本語では小包固め。別名:首固めとも言う。相手の首に自分の左腕で巻いて上半身を屈めさせ、そのまま自分の右足を相手の股の間に滑らせるように入れて相手の右足に引っ掛け、自分の右足を左足でロック。同時に相手の左足を右腕で外側から抱えるようにして、その勢いで相手を自分の後方に前転させてエビに固める。自分の両手足をくまなく使い相手の上に乗っかるようにクラッチするので、ガッチリ決まったら逃れ様が無い。丸藤正道はさらに右腕で相手の左手を掴んだ完璧首固めを使って秋山準を破り、GHCヘビー級王座を獲得した。渕正信は腕で相手の耳を塞ぎカウントを聴けない状態でフォールする。
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