フランスワイン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フランスワイン(英 French wine, 仏 Vin de France)は、フランス共和国で生産されるワイン(ぶどう酒)である。
現在、ワインの生産量ではイタリアが、ぶどうの栽培面積ではスペインがそれぞれ世界一だが、品質の高さ、洗練されたワイン文化、知名度などで、フランスの右に出るワイン産地はない。これは、フランスの気候・風土が、ワイン用ぶどうの栽培に適していることが一番の理由であるが、1935年にワイン法を制定するなど、国を挙げて品質の維持・向上に取り組んでいることにもよる。
目次 |
[編集] ワイン法によるカテゴリー
フランスワインは、ワイン法によって次の4つのカテゴリーに分けられており、国立原産地呼称委員会(Institut National des Apperations d'Origine=INAO)によって管理されている。
[編集] AOCワイン
AOCワイン(原産地呼称統制ワイン)は、生産地・ぶどう品種・栽培法・醸造法・アルコール度数などが、厳しく制限されているものである。地域名より地区名、さらに村名とより狭い範囲のAOCほど統制が厳しく、高級品である。
[編集] VDQSワイン
AOCワインよりやや統制が緩い。かつてはラングドック・ルー本や南西地方、ローヌ地方などに多くあったが、1980年代から90年代にかけて大半がAOCに昇格したため、今は全体の1パーセント以下である。
[編集] ヴァン・ド・ペイ Vin de pays
「地方のワイン」の意味。テーブルワイン(日常消費用ワイン)の一つだが、異なる産地のワインのブレンドは禁止されている。最近AOCに勝る高い評価を得ているものも出てきている。ラベルにVin de Pays ~(~に地名が入る)の表記があり、セパージュやヴィンテージの入っているものが多い。
[編集] ヴァン・ド・ターブル Vin de Table
かつてフランス人が水代わりに飲んでいたワインであるが、現在大手のネゴシアン(ワイン商社)が作っているものは、安価でも品質が安定しており、デイリーワインには申し分ない。