ブラー
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ブラー(Blur)は、イギリスロンドン郊外出身のポップバンド。
1989年にシーモア(Seymour)名義でインディーズデビュー。1991年に現在のブラー名義でデビュー。
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[編集] メンバー
- デーモン・アルバーン (Damon Albarn) ボーカル、キーボード、ギター
- アレックス・ジェームス(Alex James) ベース
- デイヴ・ロウントゥリー (Dave Rowntree) ドラムス、サブボーカル
- グレアム・コクソン (Graham Coxon) ギター、サブボーカル 2003年に脱退
[編集] 来歴
1989年にシーモア名義で結成するが、フード・レコーズと契約する際にブラーと改名し、1991年に『レジャー』でデビューする。シングル『ゼアズ・ノー・アザー・ウェイ』がスマッシュヒットしデビューアルバム『レジャー』は全英7位まで上昇し英「Select」誌は「ザ・スミス以来最高のグループ」と彼らを評した。 だが一部の評論家からはマンチェサウンドに影響されて出現したバンド程度でしか認識されずルックスがいいだけのアイドルバンドとも揶揄される。
しかし後の1997年の映画「トレインスポッティング」のサントラに「レジャー」に収録されているシングル曲でもない「シング」が抜擢され話題を呼び再評価されている。
シングル「ポップシーン」リリース以降バンドは2ndアルバムの製作に入り様々な困難に遭いながらもブリットポップの発明に取掛りかかる
1993年に2nd『モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ』をリリースし、高く評価され徐々に頭角を現す。翌年1994年に3rd『パークライフ』をリリース。ここからリリースされた『ガールズ&ボーイズ』、『パークライフ』が大ヒットし、この時期に英国で頻出したポップバンドを纏めて呼んだ総称、ブリットポップの代表格と呼ばれるようになる。更に翌年の1995年、ブリットポップ三部作の完結編と呼ばれる『ザ・グレート・エスケープ』をリリースし、シングルカットされた『カントリー・ハウス』が同日発売だったオアシスの『ロール・ウィズ・イット』と売り上げを競うという茶番に巻き込まれる(マスメディアの煽りによるものであったというのが事実)。同時期アメリカでのツアーは不盛況に終わってしまい、バンドは一時脆弱な状態に陥る。ちなみに、同日発売対決はブラーの『カントリー・ハウス』が勝利を収めたものの、アルバム『ザ・グレート・エスケープ』はオアシスのアルバム『モーニング・グローリー』に大きく水を空けられた形となった(モーニング・グローリーは全世界で2000万枚を越す大ヒット)。
バンド全体が機能不全に陥ってやや疎遠状態にあったデーモンとグレアムが手紙で遣り取りしお互いの仲を深め合ったエピソードがありこれが基で『ブラー』復活のきっかけにもなる。
そして1997年、原点に戻るという意味でもあろうセルフタイトルの5th『ブラー』をリリース。これまでの捻くれたポップスの路線を排し、アイデンティティであるロンドンと相対する存在にしていたアメリカに接近する。この時期デーモン・アルバーンは『ペイヴメント』のスティーブン・マルクマスと懇意であったらしく、ローファイやガレージなど、アメリカのインディーズに影響を受けた楽曲へと大きくハンドルを切った。 またこのアルバムは予てからアメリカンインディーズに傾倒していたギターのグレアム・コクソンが最も「働いている」アルバムとしても知られている。全英1位を記録。収録曲「Song2」はアメリカでもヒットした。
1999年には6th『13(サーティーン)』をリリース。『テンダー』でゴスペルの形式をとるなど、更に実験性を増し、新たな土壌を開拓していった。 また、この頃から個人活動が盛んになり、一時活動休止状態に入る。デーモンはゴリラズ(Golliraz)への参加やマリで現地の音楽に触れ、グレアム・コクソンはソロ・アルバムを作り、アレックス・ジェームスは他バンドに参加したり曲を提供したりしている。
2002年に新アルバムのレコーディングに入るものも4人とも個性的な音楽嗜好の為作業に行き詰まり、グレアムがバンドとの距離を置き始める。一方、新アルバムのプロデュースをファットボーイ・スリム(ノーマン・クック)に依頼し、グレアム抜きでマリでレコーディングが始まった。 2003年初頭にグレアムが正式に脱退を表明し、前後して7th『シンクタンク』をリリース。マリでの経験から、原点音楽への傾倒を見せ、また同時に政治的色彩を色濃くしていくなど、更にそのスタイルを変化させていった。全英1位を記録。
2003年12月、アレックスとデイヴの提案でイギリスの火星探査機 ビーグル2にアルバム『13(サーティーン)』より『ノー・ディスタンス・レフト・トゥ・ラン』と言う楽曲を火星で流すというプロジェクトに挑んだが、残念ながらビーグル2からの返答はなかった。尚CGでこのビーグル2を基にして作ったPVはDVD盤の『ノー・ディスタンス・レフト・トゥ・ラン』に収録されている。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] アルバム
- レジャー - Leisure (1991年)
- モダン・ライフ・イズ・ラビッシュ - Modern Life Is Rubbish (1993年)
- パークライフ - Parklife (1994年)
- グレイト・エスケープ - The Great Escape (1995年)
- ブラー - Blur (1997年)
- バスティン+ドローニン - Bustin' + Dronin (1998年)
- 13 (サーティーン) - 13 (1999年)
- シンク・タンク - Think Tank (2003年)
[編集] 外部リンク
- Official Website公式ウェブサイト(英語)
- Fan Club公式ファンクラブ(英語)
- The Good, the Bad and the Queen デーモンの新バンドの公式ウェブサイト(英語)
- Graham Coxon グレアムの公式ウェブサイト
- The Ailerons デイヴの新バンドの公式ウェブサイト
(英語)