プジョー・206
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プジョー・206 (Peugeot 206) は、フランスの自動車製造会社 プジョーが生産する小型のハッチバック乗用車である。
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[編集] 概要
205の後継車種として、1998年9月のモンディアル・ド・ロトモビル(パリサロン)で発表された。日本には1999年5月に上陸し、その洗練されたデザイン、とくに「吊り目(猫目)」の顔立ちが人気を集め、日本でのプジョーの知名度の上昇に多大なる貢献をした。特に若い女性に人気を博し、206の大ヒットによってプジョー・ジャポンは年間販売台数1万台の突破を果たす。また、WRC(世界ラリー選手権)で2000年以降3年連続優勝をおさめるなどモータースポーツ界でも絶大な強さを発揮し、ブランドイメージの向上に貢献した。
2006年には大型化した207を発表したが、当分の間、206も廉価版を中心に生産を続ける予定である。また、2006年5月からマレーシアのナザ社が「206 Bestari」としてライセンス生産している。
[編集] モデル
[編集] 206CC
206のカブリオレであり電動式のハードトップとしたもので、200万円台から購入できる貴重なクルマである。開発には自動車車体メーカー、ユーリエ (Heuliez)が全面協力した。
CC は、Coupé Cabriolet (クーペカブリオレ) の略であるが、「Coup de Coeur」(=ハートに一目惚れ)という隠れた意味も持つ。この発売を機に各メーカーから電動式ハードトップを搭載したオープンカーが続々と発表される。また、オープンカーのブームが到来していることからも世界中に大きな影響を与えた一台といえる。仕様上では4人乗りだが、後部シートは「非常用」に備え付けられたものであり、後部席は狭く、大人が乗ることはできない。このように形の上は4人乗りとしたのは、北米では2シーターの自動車は保険料が高額になるためといわれている。しかし、プジョーは北米には輸出しておらず、真相は不明である。
[編集] 206SW
ワゴン・ボディの206で、SW は、そのまま「エス・ダブリュ」と読み、メーカーとしてはSport Wagon (スポーツ・ワゴン) の略ともStation Wagon (ステーション・ワゴン) の略とも、ユーザーに様々なイメージを持ってもらうことを狙って付けられた名称である。デザイン性と実用性、価格に見合ったクオリティを兼ね備えており、ハッチバックモデル以上に完成度が高い。サイドのリアドアが専用設計でドアノブがビラーに内蔵されている。ブラジル市場向けにESCAPEというSUVテイストモデルが存在する。
[編集] 206RC
WRCのイメージを踏襲したスポーティモデルで17インチのアルミホイールを履き、エアロパーツを標準装備している。左ハンドルのMT仕様がある希少な一台であるが、良くも悪くも、価格を含めてオーバークオリティな一台に仕上がっている。なお、206RCの導入に当たり、206S16の日本販売は打ち切られている。
[編集] 206Cielo
Cielo(シエロ)=空という意味の通り、206ハッチバック車をベースに天井に大型サンルーフを装備したグレードで、2005年にラインアップに加わった。206Cieloの導入に当たり、206シリーズ中最も売れ筋グレードであった1.6L, 5ドアモデルの206XT-Premiumの販売が打ち切りとなっている。
[編集] その他
206と206CC、206SW には S16 モデルというスポーツ仕様のモデルが導入されている。排気量が2000ccクラスになっており、MT仕様限定となっている。また、206 と 206CC にはプジョーがメインスポンサーをつとめるテニスの全仏オープンにちなんだローランギャロス(RG)というモデルが用意されており、206SWにはクイックシルバーとコラボレーションしたモデルもある。
[編集] 日本未投入モデル
ディーゼルエンジン搭載モデルは主にヨーロッパで、ノッチバックの4ドアセダンはアジアの一部地域 (中華人民共和国、イランなど) で生産もしくは販売される。