ペンシルバニア級戦艦
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ペンシルバニア級戦艦 | |
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艦級概観 | |
艦種 | 戦艦 |
艦名 | 州名。1番艦はペンシルバニア州に因む。 |
前級 | ネヴァダ級戦艦 |
次級 | ニューメキシコ級戦艦 |
性能諸元 | |
排水量 | 基準:31,400 トン |
全長 | 608 ft (185 m) |
全幅 | 97 ft (29.6 m) |
吃水 | 28.9 ft |
機関 | |
最大速力 | 21 ノット (39 km/h) |
航続距離 | |
乗員 | 士官、兵員915名 |
武装 |
ペンシルバニア級戦艦(Pennsylvania-class battleships)は、アメリカ海軍の戦艦の艦級。本級はネヴァダ級戦艦の拡大型といえる艦級であった。45口径14インチ主砲は2門が追加され、船体長および排水量は増加し、4軸スクリュー推進により僅かながら高速化することができた。また副砲として51口径5インチ砲が舷側に装備されたが、波の影響を受けることが判明するとそれらは撤去されることとなった。
1916年から1918年にかけて西部大西洋で活動した本級は、1918年11月の休戦直後にヨーロッパを訪問し、その後は海軍の主力として活躍した。1929年から1931年にかけて改修が行われ、主砲仰角の改善、三脚マスト上に射撃管制装置を装備し艦載機用カタパルトが装着された。副砲も改良され、艦砲、爆弾及び魚雷に対する装甲も強化された。艦隊旗艦任務が与えられたペンシルバニアは拡大された装甲司令塔が装備された。艦載機による砲撃観測が行われ長距離射撃が可能となると、本級はその主力としての役割を果たすこととなった。
本級2隻は1941年12月8日の日本海軍による真珠湾攻撃に遭遇した。アリゾナは前方火薬庫に命中弾を受け大破沈没、現在も真珠湾の底に眠る。ペンシルバニアの被害は軽微で修理の後は第二次世界大戦の殆どを太平洋戦線で過ごした。1942年後半に38口径5インチ両用砲が装備され、多くの侵攻上陸作戦において艦砲射撃による支援を行っている。1944年10月25日にはスリガオ海峡海戦に参加、歴史上最後の主力艦による砲撃戦に加わった。1945年8月に魚雷の被害を受け、4本のスクリューのうち3本を破損、修理を受ける。戦後は他の旧式戦艦と同じく原爆実験に供用され、その後海没処分となった。
ペンシルバニア級はアメリカ海軍における「標準型戦艦」コンセプトの一部であった。その設計概念はアメリカ海軍に低速部隊と高速部隊の包括した運用を可能とする重要な物であった。「標準型」の概念は長距離射撃、21ノットの速度、700ヤード(640m)の回転半径およびダメージ・コントロールの改善が含まれていた。この「標準型」にはネヴァダ級、テネシー級、ニューメキシコ級およびコロラド級が含まれた。
[編集] 関連項目
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