ホソオチョウ
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ホソオチョウ | ||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Sericinus montela | ||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||
Sericin swallow-tail butterfly |
ホソオチョウまたはホソオアゲハ(学名 Sericinus montela)は、チョウ目・アゲハチョウ科に属するチョウの一種。
白と黒の縞を基調とした翅の模様はアゲハに近いが、前翅長は3 cm前後で、アゲハよりかなり小振り。後翅にある細長い突起が和名の由来で、この突起はアゲハのものなどよりずっと細長く独特である。突起の長さは 3cm 程度で後翅そのものの長さと同じぐらい。
アゲハチョウ科の中では系統的に古い種類で、ギフチョウ、ヒメギフチョウ、ウスバシロチョウなどとともに、ウスバアゲハ亜科 (Parnassiinae) というグループに属する。このグループは比較的寒冷な地に住む種が多く、氷河期の生き残りといわれる種も多い。
成虫は年数回発生する。オスメスで翅の模様はほとんど同じだが、オスでは全体が白っぽいのに対し、メスは黒い部分が多い。夏型は特に全体が黒味がかる。成虫は食草ウマノスズクサの生える林縁などをフワフワとゆっくり飛ぶ。メスは葉の裏などにまとめて卵を産む。幼虫はギフチョウなどの幼虫に似て黒っぽく短い毛がまばらに生えたイモムシだが、より突起が多い。
[編集] 分布
もともと日本には生息していなかったが、1970年代以降日本各地で局地的に発生が確認されている外来種である。原産地は東アジア一帯で、ロシア沿海州、中国、朝鮮半島など。チョウの愛好家が違法に日本に持ち込んだのが最初とする説が一般的。朝鮮半島南端まで分布しているにもかかわらず日本に生息していなかったので、対馬海峡成立後に勢力を伸ばしたものと推測される。
最初に確認されたのは、1970年代後半の東京都で、数年のうちに、中央本線沿いに山梨県にまで局地的に分布を広げた。1990年代になると、京都府、岐阜県、栃木県など地理的に離れた地域に生息が確認されている。現在までに生息が確認されたことのある地域は、人為的手段で分布を広げているものと考えられている。
幼虫の食草はウマノスズクサで、これは日本に生息するジャコウアゲハと同じ食草である。従来はジャコウアゲハが生息していた地域で、ホソオチョウの移入によって、ジャコウアゲハがいなくなった場所もあると言われるが、現在のところホソオチョウの分布はきわめて限られているため、いずれは近親交配が進んでいなくなるだろうとされている。そのため全国的にジャコウアゲハの個体数、分布に影響を与えているものではない。