ボン太くん
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ボン太くん(ぼんた-)は、著者:賀東招二、イラスト:四季童子のライトノベル及びそれを原作とする漫画、アニメ『フルメタル・パニック!』に登場する架空のキャラクターであり、同作品のマスコットキャラクターでもある。アニメ版における声優は金田朋子。
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[編集] 概要
本作のマスコットキャラクター。名前の元ネタはNHKで放送されていた『できるかな』のゴン太くん(富士見ファンタジア作家の間で流行ったらしい。榊一郎氏もそのうちの一人)。
短編に数度に渡って登場し、それぞれ性質が変わっている。また、シャープペンシルの頭など、小道具としても登場することがある。
ちなみに、本作の主人公である相良宗介が初めてカリーニンと会った時、唯一所有していたのがボン太くんのぬいぐるみであり、彼はこのぬいぐるみを手放そうとはしなかった。宗介にとってボン太くんは一種のトラウマであり、アイデンティティの一部なのかもしれない。
以下に作中、実質的にキャラクターとして登場したボン太くんを記す。
[編集] 着ぐるみとしてのボン太くん
短編『一途なステイク・アウト』に登場したバージョン。
とある遊園地(アニメ版第2作「フルメタル・パニック? ふもっふ」では「ふもふもランド」、原作では「ボン太くんランド」。位置的には後楽園ゆうえんちがモデルとされる)のマスコットキャラクター。外見は「犬だかネズミだかよく分からない茶色の生き物」。緑色の帽子を被っており、赤い蝶ネクタイを締めている。着ぐるみにはON、OFFが可能なボイスチェンジャーを搭載しており、外部に発せられる声は「ふもっふ」や「ふもふも」、「もっふる」といった、「ボン太くん語」になってしまう。
元々着ぐるみの中にはランニング姿の老人が入っていたが、宗介が強奪しかなめの危機を救った。また、宗介が着ぐるみに入ってからは左頬に十字の傷が追加された。
[編集] 強化服としてのボン太くん
[編集] 『押し売りのフェティッシュ』
宗介はボン太くんの着ぐるみをなぜか気に入っており、『一途なステイク・アウト』においてこれを入手してからは、強化服として運用するための改修を行った。具体的には、外装を超アラミド繊維に変更したほか、指向性マイク・サーマルセンサー・暗視システムなどを組み込む等している。TV版ではこれに加えて軍用ヘルメットとタクティカルベストを装備している。原作においてはボイスチェンジャー機能は停止しているが、若菜陽子に電気銃で攻撃された際に誤作動を起こし、以後はボイスチェンジャー機能をOFFにするとシステムダウンするようになってしまう。
かなめを「ぽに男」(アニメだと「ポニー」)から守るため護衛として運用されたが、暴走婦警若菜陽子の勘違いにより彼女と戦う羽目になった。なお、この際の武器は散弾銃とスタンロッド。
[編集] 『仁義なきファンシー』
前回の運用で実用性に難があったため、操縦系をアーム・スレイブに極めて近い形に改良し(バイラテラル角の設定ができる)、モニタ画面を3画面から6画面に増加し、AIまで搭載した。原作においては改修前からヘッドマウントディスプレイを採用している。これによって「人間サイズのAS」とも言うべき驚異的な個人兵装となっており、小説版の記述によればライフル弾さえも無力化する防弾性能を持つ。故に拳銃弾程度で損傷を負うことは無い。また、搭乗用のハッチがある。
しかし暴走婦警若菜陽子との格闘時にスタンガン及びスタンロッドの攻撃を受けて故障した影響からか、何故かボイスチェンジャーを作動しない限り、全ての機器が正常に作動しなくなってしまった。本来ダメージを受けていないはずの量産型ボン太くんについても同様であるが、案外プログラム的な問題で、その不良プログラムを直接コピーしてしまったためかもしれない。
美樹原組組員と共にかなめと蓮の救出に向かった際は、01と記された角付きの軍用ヘルメットとタクティカルベストを装備していた(アニメ版のみ着用。角はジオン軍のMSが元ネタ)。また、宗介が持つ最も高価な"服"である(少なくとも2万ドル以上を投資している)。
かなめ曰く「笛を三回鳴らすと飛んでくる」らしい(元ネタはマグマ大使)。ただしこれはハッタリであると思われる。
米警察特殊部隊に納入されたタイプでは、若干仕様が変更されている(量産型ボン太くんの項を参照)。
[編集] ゲームのキャラクターとしてのボン太くん
[編集] 『スーパーロボット大戦J』
隠しユニットとして参戦。その戦闘グラフィックは作中随一の出来である。また、テレビでは放映されなかったが、ボン太くんバージョンのCMも作成された(スーパーロボット大戦Jの公式サイトで公開されている。ただしふもふもと言っているだけで内容は意味不明)。
作中では一種のアーム・スレイブとされ、何故か宇宙にも活動できる。ただし宗介専用機で、乗り換えるとパイロットは「ボン太くん」として登録される(カットインもボン太くん仕様)。なお、「ボン太くん」でボスキャラに戦闘を仕掛けると、着ぐるみであることに反応し通常とは異なった会話が発生する。ただし、もう一つの宗介専用機であるARX-7 アーバレストの性能と比較するとかなり劣るため(特にラムダ・ドライバによって爆発的に上がる火力)、どちらかと言うと趣味の機体(?)である。
とはいえアーバレストよりサイズが小さく(サイズSS)、パーツスロットも多い。運動性や射程ではアーバレストを上回り、うまく使えば大化けする機体かもしれない。ゲーム中、会話シーンではテッサ、クルツ、マオのうちの誰かがボン太くんの通訳を担当する。
[編集] 『スーパーロボット大戦W』
隠しユニットに加え各種イベントにおいて登場する。勇者王ガオガイガーとのクロスオーバー(初野華のボン太くんに対する印象の変化)が目立ち、周回によって登場方法が異なる。ちなみにボン太くんの初登場は8話。この時は沖縄の遊園地のマスコットキャラであるウッポくん(勇者王ガオガイガーに登場)を一方的に危険人物と判断した宗介がかなめを守るために着込んで襲い掛かった。その後、ゾンダーが現れた際もトゥアハー・デ・ダナンが現場に駆けつけるまではこの姿で戦闘を行い、ダナン到着後は海へ飛び込み、ダナンまで泳いで宗介は当時の愛機であるM9 ガーンズバックに乗り換えた。
46話で隠しユニットとして入手すると、入手イベントでボン太くんの専用BGMである『特攻野郎?』がかかり宗介がクルーゾーにボン太くんの利便性を熱弁し使用許可を得るシーンが追加される。クルーゾー自身もボン太くんに乗りたいと取れる(クルーゾー、クルツ、マオはボン太くんへの乗り換えは不可)発言をする。なお、今回は宗介をボン太くんに乗せると精神コマンドがボン太くん固有のものとなる。さらに専用止め演出もある(「貴様は一つミスを犯した」「敵の戦力は過小評価しないことだ」の字幕が入る)。
[編集] 一周目12話「放送不可のウォークライ」
文化祭の生徒会の出し物(実際にはあしゅら男爵が兜甲児達が転校した陣代高校を破壊するために出撃させた機械獣の退治と一般人のパニックを防ぐためのアドリブ)『ボン太くん対機械獣』で宗介の言葉をかなめが通訳したところ初野華に大きなトラウマを与えてしまった(元ネタはふもっふ6話「やりすぎのウォークライ」のとあるシーンより、更に突き詰めると映画『フルメタル・ジャケット』のハートマン軍曹による「しごき」)。この回の量産型ボン太くんの中にいるのは常磐恭子のセリフから陣代高校ラグビー部のメンバー、もしくはアキトの疑問からマジンガーチーム並びにゲッターチームと推測される。なぜかあしゅら男爵にはしつこく名前を間違えられ、その度に鉄仮面が「ボン太くん」と突っ込んでいた。終いにはあしゅら男爵はボン太くんに見つかると一目散に逃げ出してしまった。
この結果第二部32話で初野華はボン太くんを見ると逃げてしまう程のトラウマを植え付けられたことになる。
なお2周目は同じ文化祭イベントだが機動戦艦ナデシコの「明日の艦長は君だ!コンテスト」の話になる。
[編集] 二周目13話「友情のファニーアニマルズ」
習志野演習場での練馬レッドドラゴンとの模擬戦にてボン太くんと量産型ボン太くんが習志野チームの代役で出撃、その後襲撃してきた勇者王ガオガイガーのピッツァと交戦した。この話では初野華にトラウマを与えるどころかむしろかっこいいと喜ばれる。この回の量産型ボン太くんの中にいるのは話の前後と出撃メンバーの関係からゴライオンチーム(この時点では銀は生きているので初期メンバー)と推測できる。
この結果第二部32話で初野華はボン太くんを正義のヒーローとして見るようになった。
1週目は機動戦艦ナデシコのオモイカネとルリの話がメインになる。
[編集] 量産型ボン太くん
ボン太くんを気に入った宗介が私財を投じて知り合いの武器商人(ベルギーのブリリアント・セーフテック社のベアール社長)と共に開発した特殊防護服。アニメ版において、こちらの声は水田わさびが担当した。
小説版では通常のボン太くんと同じく茶色だったが、TV版では体色が黒と灰色のまだら模様に変わっている。数々のハイテクを盛り込んでおり、宗介はこれを現代戦の様相を一変させる可能性がある装備として、世界各国の特殊部隊に売り込もうとしていたが、(たぶん外見の余りの馬鹿馬鹿しさに)一蹴されてしまいほとんど売れなかった。購入先はマイアミ市警(アニメ版においては、体色は茶色だが目が青く、また、警察の帽子を被っている)とFBIのみである。
作中では在庫の一部が都内の弱小暴力団美樹原組に無償で供与され、敵対する広域暴力団龍神会に壊滅的な経済的・精神的ダメージを負わせた。また、マイアミにおいても麻薬密売人の大規模摘発において実際に使用され、犯人グループをきわめて迅速に制圧し、効果的に戦意を喪失させ、コカイン50kgの押収に成功するという戦果を上げている。
その後のことは語られていないが、この後も順調に実績を重ねたとすればかなりの買い手がついた可能性もある。短編第七巻に収録されている『身勝手なブルース』において「最近は対NBC機能やパワー・アシスト機能なども……」と発言していることから、その後も開発は続けていたようである。ただし、開発者である宗介が東京を去った『つづくオン・マイ・オウン』以降も開発が行われていた可能性はほぼ皆無であろう。
なお、タレントの吉良浩介によって、テレビの生放送バラエティー番組(笑っていいとも!がモデルと思われる)で紹介されたことがある(『影武者のショウビズ』)。