できるかな
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できるかなは、1967年4月から1990年3月までNHK教育テレビで放送されていた、幼児向けの工作番組である。『ノッポさん』と『ゴン太くん』がTVを見ている幼児に身近にあるものを使って工作の楽しさを教える。2006年3月現在、CSスカイパーフェクTV!・ケーブルテレビのファミリー劇場にて、1980年代に放送された作品のうち数作が再放送されている。
なおここでは「できるかな」の前身番組「なにしてあそぼう」についても記述する。
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[編集] 概要
この番組は、パントマイマーの『ノッポさん』と、着ぐるみの『ゴン太くん』の無言劇(パントマイム)によって構成される。『ゴン太くん』だけは表情の替わりに「ウゴウゴ」と言う。この2人の他、画面には一切姿を見せないナレーターの『おしゃべり』が彼らの行動の解説を行う。
毎回、『ノッポさん』は退屈したり遊びたがっている『ゴン太くん』のために即興で遊び道具を製作するという内容だが、大抵は最初は小さな物を作り始め、クライマックスで段ボールとガムテープで器用に大きな玩具を作り出すという内容。長らく就学前や小学校低学年の児童に親しまれた児童番組である。
なお後に『ノッポさん』役の高見映が語った所に拠れば、彼は実は不器用なため、毎回スタッフが「後は所定の位置にガムテープを貼るだけ」で形と成る物を製作してくれていたという。しかしそれを差し引いても、毎回彼の見せるパントマイムは、多くの子供等の関心を呼んでいたといえよう。日本におけるパントマイム普及の一因となった番組でも在った。
後に、フジテレビの「ワンナイR&R」にて、パロディーにされた。
[編集] 番組史
[編集] 放送中
- 1959年
- 教育テレビ放送開始と同時に、『できたできた』という子供向け造形指導番組が制作された。『なにしてあそぼう』の前身。
- 1967年4月
- 『なにしてあそぼう』というタイトルでスタート。当初『ノッポさん』の相方は『ムウくん』という熊の子だった。
- 1970年3月
- 『なにしてあそぼう』最終回。これに伴い『ムウくん』も降板。
- 1970年4月
- 『できるかな』放送開始。1年目のみ出演者が異なっていた。当時は5人のお兄さん・お姉さんが登場。
- 1971年4月
- 『ノッポさん』の復帰を願う子供たちの声に応える形で再登場。『ゴン太くん』との名コンビが誕生。
- 1972年
- 動けない設定だった初代『ゴン太くん』が2代目である着ぐるみの姿に変更。
- 1989年
- 1990年3月9日
[編集] 放送終了後
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- NHK教育テレビ『天才てれびくんMAX』の生放送に『ノッポさん』と『ゴン太くん』(着ぐるみのみ)が出演。『できるかな』の秘話をクイズ形式で紹介したり、レギュラー出演者とともに工作をした。『ノッポさん』(高見映)は『みんなのうた』(グラスホッパー物語)でもおなじみのタップダンスを生で披露した。
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- NHK教育テレビ『親と子のTVスクール』に『ノッポさん』と『ゴン太くん』(パネルのみ)が出演。この時には久しぶりにノッポさんが工作を行った。
- NHK総合テレビ『NHKアーカイブス』で『なにしてあそぼう』の1シーン(NHKが現在所有する唯一の映像ファイル「箱であそぼう」の回から)と『できるかな』1988年4月26日放送回「こどもの日」、及び最終回の1シーン(ノッポさんが喋ったシーン)が放送された。
- NHK『クイズ日本の顔』で『ノッポさん』『ゴン太くん』が共演。
- NHK総合テレビ『スタジオパークからこんにちは』に高見映(番組内では「高見のっぽ」で紹介)がゲスト出演した。尚、番組後半にはゴン太くんも出演した他、1990年3月6日放送の「できるかな」の一部も放送した。
[編集] 放送時間
- (調査中)→1987年前後は、初回(水)10:30-10:45、再放送(木)9:15-9:30、再々放送(木)1500-15:15 (いずれも教育テレビ)
- 就学前の幼児を対象とした番組にもかかわらず小学生にも支持を受けた。これは本放送当時に、放課後となる午後2時~4時の間にも再放送されていたことが影響している。
[編集] 出演者
- ノッポさん - 高見映
- チューリップハットとそこから覗くもじゃもじゃの髪の毛、長い足にパンタロン・ズボン吊りがトレードマークのパントマイマー。タップダンスが得意である。番組中一貫して一言も喋らずにいることがある種のトレードマークであったが、最終回にだけ声を出し、TVを見ていた幼児たちを驚かせた。
- 『なにしてあそぼう』の中で、『ノッポさん』の当初の相方として登場していた熊の男の子。『なにしてあそぼう』終了とともに降板。その後、1973年~1975年、『おかあさんといっしょ』内の『ヤンヤンムウくん』という番組で自らが主役となり、2度目の勤めを果たした。
- ゴン太くん - 操作:井村淳(現・日本人形劇人協会 常任理事)
- 人でもなく、動物でもない不思議なキャラクター。初代は放映3年目まで登場。2代目のような毛が無く、洗面器(実は西ドイツ製ベビーバス)をかぶったような風貌であった。動けない設計だったため、ノッポさんと共に工作ができるよう2代目の姿に変わった。茶色で寸胴短足・眠たげな大きな瞳と麦藁帽子がトレードマーク。おにぎりが大好物。特徴となる「ウゴウゴ」という声はクイーカによって出された。「ゴン太」は大阪でいう「やんちゃ坊主」の意。ゴン太くんの着ぐるみは東京都小平市にある白梅学園短期大学の造形室に保管されている。
- 視聴者に対する解説にとどまらず、2人の行動に対し突っ込みを入れる事も多々ある。その名調子ぶりで子供達を楽しませた。
[編集] その他
- 番組放送中の取材記事はほとんど存在しないが、アニメ雑誌月刊アウト1987年12月号で、「みてるかな? できるかな」と題する番組出演者と主要スタッフのインタビュー記事が7ページに渡って組まれており、当時の番組制作サイドの生の姿を垣間見ることができる。
[編集] スタッフ
[編集] 外部リンク
[編集] 前後番組の変遷
NHK教育テレビ 幼稚園・保育所の時間 工作系番組(1990年度以前) | ||
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