マッシヴ・アタック
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マッシヴ・アタック | ||
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基本情報 | ||
出身地 | イングランド、ブリストル | |
ジャンル | トリップ・ホップ | |
活動期間 | 1988年から現在 | |
レーベル | ヴァージン・レコード 東芝EMI |
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公式サイト | MassiveAttack.com(公式サイト) | |
メンバー | ||
ロバート・デル・ナジャ(3D) グラント・マーシャル(ダディ・G) |
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旧メンバー | ||
アンドリュー・ヴォウルズ(マッシュルーム) |
マッシヴ・アタック(Massive Attack)はイギリス・ブリストル出身のユニット。2006年までに5枚のスタジオ・アルバム、1枚のベスト・アルバムをリリースしている。また、他のアーティストのリミックスも多数手がけている。
ヒップ・ホップ、レゲエ、ジャズ、ソウル、ロックなど様々なサウンドをミックスしたダークで重く、気だるい浮遊感のあるサウンドが特徴で、そのサウンドはトリップ・ホップと言うジャンルで語られる事となる。
目次 |
[編集] 略歴
[編集] 1982年 - 1995年
1982年にブリストルでワイルド・バンチ Wild bunchと言うサウンドシステムが結成された。ロバート・デル・ナジャ(3D)、グラント・マーシャル(ダディ・G)、アンドリュー・ヴォウルズ(マッシュルーム)とネリー・フーパー、DJ マイロが中心となり、活動を行う。その後フーパーとマイロが脱退する事でワイルド・バンチは解散、残ったメンバーがマッシヴ・アタックとしてブリストルを拠点に活動を継続する。1988年にシングル"Any Love"をリリース(プロデュースは同郷のスミス・アンド・マイティ)。1991年にアルバムブルー・ラインズ Blue linesをリリース。シンガーにホレス・アンディ、サラ・ネルソンを迎えたこのアルバムからはセーフ・フロム・ハーム、アン・フィニッシュド・シンパシー、デイ・ドリーミングがヒットした。本作は1990年代のシーンに大きな影響を与えた。その独創的なサウンドは「ブリストル・サウンド」と言う言葉を生み、現在でもこのアルバムは「ブリストル・サウンド」の代名詞とでも言うべき存在となっている。
バンドは1994年にセカンドアルバム、プロテクション Protectionをリリースした。このアルバムはマーク“スパイク”ステントをプロデューサーに迎えて制作された。プロテクション、ベター・シングの2曲でエヴリシング・バット・ザ・ガールのトレイシー・ソーンを、カーマコーマ、ユーロ・チャイルドではワイルド・バンチの準メンバーであったトリッキーとコラボレーションを行った。この2曲でのコラボレーションがトリッキーのマッシヴ・アタックにおける最後のキャリアとなった。またピアノ演奏者、ストリングス・アレンジャーとしてクレイグ・アームストロングが関わっている。
同年、バンドはブリット・アワードのベスト・ダンス・アクトに選出された。
1995年にリミックス・アルバム、ノー・プロテクション No ProtectionをMassive Attack Vs. Mad Professor名義でリリース。このアルバムは前年にリリースされたプロテクションの楽曲(全てではないがほぼ全曲)をダブ・アーティストのマッド・プロフェッサーがリミックスしたアルバムである。プロテクションを斬新に解体、再構築したそのサウンドは結果的にマッシヴ・アタックの新作同様の扱いを受けた。
[編集] 1998年 - 現在
1998年には3枚目のアルバム メザニーン Mezzanineがリリースされた。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやキュアーからサンプリングを多用し、緊張感の溢れる歪んだギター・サウンドとドラムマシンのサウンドが前面に押し出され、その一方でこれまでの彼らにあったジャズの要素は薄れていた。このアルバムはバンドに初めてのアメリカでの成功をもたらした。マッシュルームはこの音楽性の変化に不満を感じ、このアルバムがリリースされた後にバンドを脱退した。彼の後任として(正規のメンバーではないが)ニール・デーヴィッジが迎えられた。メザニーンをリリースした後、バンドはツアーに出る。このツアーはこれまでのマイクとターンテーブルと言うシンプルなセットに加えて、ゲスト・ボーカリストにギタリスト、ベーシスト、ドラマー、キーボーティストで編成されたバンドもツアーに組み込まれた。また照明や映像と言った音楽以外の演出も組み込まれた。
2003年に4枚目のアルバム100th Windowをリリース。このアルバムはダディ・Gが参加せずに制作が行われ、実質3Dのソロ・アルバムとなった。ダディ・Gの不参加の理由は育児のためであった。
2004年にマッシヴ・アタックは3Dに加えニール・デーヴィッジ、アレックス・スウィフトを迎え入れた。この編成で映画ダニー・ザ・ドッグ Danny The Dog(監督はリュック・ベッソン)のサウンド・トラックが制作された。翌年2005年には映画バレット・ボーイ Bullet Boyのサウンド・トラックへ参加した。
2006年には2枚組ベスト・アルバム コレクテッド Collected をリリース。これまでのアルバムからの選曲に加え、何曲かのレア・シングル曲と2曲の新曲“ライブ・ウィズ・ミー”と“フェレース・フラッグス”が収録された。
その後3Dとダディ・Gは5枚目のアルバムWeather Undergroundを制作するために再びスタジオに入った。ただし3Dとダディ・Gは同じスタジオには入っていない。プロデューサーにニール・デーヴィッジを迎え、ダディ・Gはブリストルにある別のスタジオで3Dとは別にこのアルバムのための作業を行っている。またボーカリストにはドット・アリソン、ホレス・アンディ、マイク・パットン、そしてモス・デフが迎えられている。
ヴァージン・レコードからはこのアルバムは2007年2月にリリースされると発表された。しかしながら2006年12月にBBCのレディオ・ワンで3Dが語ったところによれば、このアルバムの制作は遅れており、リリースは2007年中であれば良いと言う事である。また彼は“Weather Underground”と言うタイトルは今となっては気に入らなくなったとも語っている。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] アルバム
発売日 | タイトル | 英チャート | 米チャート | 豪チャート |
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6月1日, 1991年 | ブルー・ラインズ | #13 | - | #69 |
9月26日, 1994年 | プロテクション | #4 | - | #15 |
2月17日, 1995年 | ノー・プロテクション (リミックス・アルバム) | #10 | - | #34 |
4月20日, 1998年 | メザニーン | #1 | #60 | #1 |
2月10日, 2003年 | 100th Window | #1 | #69 | #4 |
10月11日, 2004年 | ダニー・ザ・ドッグ (サウンドトラック) | #70 | - | - |
4月22日, 2005年 | Bullet Boy (サウンドトラック) | - | - | - |
3月27日, 2006年 | コレクテッド (ベスト・アルバム) | #2 | #198 | #19 |