マリー・タリオーニ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マリー・タリオーニ (Marie Taglioni,1804年4月23日 - 1884年4月24日)は、イタリアのバレエダンサー。父はバレエダンサーで振付家でもあったフィリッポ・タリオーニ(Filippo Taglioni,1777年-1871年)。母は、スウェーデンの歌手カルステンの娘ソフィー。
ストックホルムで生まれる。タリオーニ家は舞踏の名門で、親戚に名の知られたバレエダンサーが多かった。幼い頃から父のもとでバレエを仕込まれ、1822年、ウィーンで初舞台を踏んだ。以来、ドイツ、イタリアなどで踊り、1832年パリのオペラ座で「ラ・シルフィード(空気の精)」の主役を初演して大成功を収め、その名を不朽のものとした。この作品において初めて、チュチュが用いられたこと、ポワント(つま先)で立ったことが記録される事実である。
「ラ・シルフィード」は彼女の別称ともなり、軽々と踊り、空中を舞うダンサーであった。1837年から5年間、ロシアへ赴き、そこで踊って成功した。47年に引退し、ヴェネツィア近郊に住んだ。
晩年、経済的な行き詰まりから、ロンドンへ移って、1871年から80年まで、バレエ教師として生計をたてた。1880年、マルセイユに転居し、二度目の引退をした。