モジャ公
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モジャ公(モジャこう)は、藤子・F・不二雄の漫画作品及びそれを原作とするアニメ作品。
目次 |
[編集] 概要
漫画は講談社「週刊ぼくらマガジン」にて1969年1号(創刊号)から1970年35号まで、幼年版が同社「たのしい幼稚園」にて1970年1月号から同年12月号まで連載された。モジャ公、空夫、ドンモの3人が宇宙に家出してさまざまな冒険をする。特に「ぼくらマガジン」版において、全体的にシュールでハードな高学年向け物語を絶妙なギャグで支え、かつ強烈な風刺や皮肉、時にはグロやブラックユーモアを加えて描いたエネルギッシュなSFアドベンチャー作品となっている。藤子・F・不二雄作品の中では知名度は低くヒットはしていないが、マニアックな人気がある。連載終了した21エモンの続きを描きたいという作者の希望から始まった作品で、少年と宇宙生物とロボットのトリオが宇宙のあちこちを冒険するプロットを継承している。21エモンがアニメ化された際にいくつかのエピソードがモジャ公から借用されている。なお、(2007年1月現在)藤子・F・不二雄作品において新規にアニメ化された最後の作品である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
ある日、家出を考える空夫のもとに、同じくそれぞれの星で家出をしてきた宇宙人のモジャ公、ロボットのドンモが宇宙船でやってきて、3人で宇宙に家出をする。愉快で自由気ままな旅のはずが、成り行きで参加したアステロイドラリーや伝染病がまん延する無人の惑星での決闘、詐欺師オットーとの丁々発止、不死の星で自殺フェスティバル、精神に仮想現実を送信することで架空の現実を体感させて支配する死人の星・・・行く先々はほとんどが命がけの冒険になってしまう。
[編集] 主な登場人物
- 天野空夫…主人公。喧嘩に弱く頭も悪いが、負けず嫌いな性格なので数々のピンチで意外な底力を見せることも。
- モジャラ(通称モジャ公)…毛玉のような格好の宇宙人。負けず嫌いでガラっ八。口の中に様々な道具をしまっておける。女性に目が無くて、どこの星の女性にもひとめぼれしてしまい正気を失う。本名(アニメ版)は「モジャラ・ハナモゲラ・サナダビントニクス・フランサスカッチ・リトルフッド・ビクニン・アレキサンドロポニック・コニックタランペリー・クチュクチュ・スッパピッピー・ポッポー公爵」。
- ドンモ…モジャ公の相棒のロボット。いつもはとぼけているが、頭をぶつけると短時間だけ聡明な頭脳になり数多くのピンチを乗り越える。
- モナ・モナシス…大富豪の娘。自家用ロケットで宇宙を豪遊する。空夫たちとはコスカラ星で知り合って以来の仲。最後の登場は「アステロイドラリー」編だったが、後日、作者によって最終回に加筆されて再登場し、再び空夫らに宇宙への出発を誘った。
- オットー…狡猾な詐欺師。金儲けのためには手段を選ばない、オットセイのような姿の宇宙人。度々空夫たちを一杯食わせたうえ、最終エピソードでは地球全体を大ペテンに掛けて金儲けを企んだ本作の悪役。なお、現在(2006年)放映中のアニメ、ドラえもんのオープニングテーマ中に、オットーに良く似た人物が登場している。
- タコペッティ…ドキュメンタリー映画作家で、「宇宙残酷物語」等の制作者。自殺フェスティバルで自殺させられそうになった空夫たちを救って以来の腐れ縁。タコのような姿の宇宙人。キャラクターのモデルは「世界残酷物語」などで知られる過激なドキュメンタリー映画監督グァルティエロ・ヤコペッティ。
- ムエ…クエ星人。非常に長寿の宇宙人で、外見は猿に似ている。父親ヌエは800年前に地球へ行った際、日本で源頼政に妖怪鵺として討ち取られている。ムエは地球人という種族を見慣れていないせいで空夫が「源頼政に瓜二つ」に見え、空夫を頼政と思い込んで父の仇を討とうと執拗に空夫の事を追い掛け回したが、モンドのおかげで誤解だと知り和解する。21エモンにも登場。
- モクベエ…大富豪の宇宙人。ダンボコを狩る為にモジャ公たちを雇いゴゴロンゴ星へと向かう。
[編集] 最終話
本稿では「週刊ぼくらマガジン」版の最終話について触れる。
前述通り、本作は「21エモン」の設定を再利用して描かれ、作者本人が「楽しんで描いた」と述懐するほど入れ込んだ作品であるが、幼年向け雑誌としては難解なストーリーが仇となってか、作者にとっては不本意な打ち切りに終わった(なお作者が「21エモン」を再生させたいと願ったのも、同作が意図を完遂できぬまま打ち切られたからである)。
雑誌掲載時の最終話は、1970年32号から35号まで描かれた「不死身のダンボコ」というエピソードである。しかしこのストーリーには最終回としての要素は全く見られず、結末も作品をまとめる内容とはなっていないため、作品自体が未完とも考えられる唐突な終わり方となっている。
そして完結後の1971年に虫プロ商事から発行された虫コミックス版単行本(全2巻)においては、最終話が「不死身のダンボコ」の1つ前のエピソードである「地球最後の日」となっており、「不死身のダンボコ」は未収録となった。さらに1976年に朝日ソノラマから発行されたサンコミックス版単行本(全2巻)においても、同様の措置が取られている。
「不死身のダンボコ」は1988年に中央公論社から発行された藤子不二雄ランド版単行本(全3巻)においてようやく単行本初収録となったが、掲載が「地球最後の日」の前となり、ここでも最終エピソードは「地球最後の日」となっている。1989年には同社から愛蔵版(全1巻)が発行されており、こちらでは掲載順は藤子不二雄ランドと同様であるが、「地球最後の日」に最終話を強調するための加筆が施される措置が取られた。こうして「モジャ公」は「地球最後の日」が最終話となり、連載終了から約20年を経て作者の手による正式な結末が付けられた作品となった。
なお1995年には小学館からコロコロ文庫版文庫本(全2巻)が発行されているが、こちらでは「不死身のダンボコ」は未収録、「地球最後の日」は加筆版が掲載されている。
こうした事情から本作は発行ごとに最終話の内容が異なる珍しい作品となっており、好事家の間では大部分が重複するにも拘らず、あえて全形態をコンプリートする者もいる。
- 雑誌:「不死身のダンボコ」が最終話。
- 虫コミックス版:「地球最後の日」が最終話。「不死身のダンボコ」は未収録。
- サンコミックス版:虫コミックスと同様。
- 藤子不二雄ランド版:「地球最後の日」が最終話。「不死身のダンボコ」は「地球最後の日」の前に収録。
- 愛蔵版:加筆版「地球最後の日」が最終話。「不死身のダンボコ」は「地球最後の日」の前に収録。
- 文庫版:加筆版「地球最後の日」が最終話。「不死身のダンボコ」は未収録。
[編集] テレビアニメ版
モジャ公は1995年10月3日~1997年3月31日にテレビ東京系でアニメ化されたが、アニメ化に際して「家出は自由気ままでスリル満点の冒険」という、家出行為が魅力的に映るような要素を出したくないとする制作者側が藤子・F・不二雄とよく協議した結果、
- モジャ公たちは地球に定住し、そこからいろいろな星へ遊びに出かけ、終わったら空夫の家に帰ってきて日常を過ごす
という、『家出』『ハード』というモジャ公最大の持ち味を取り払って『ドラえもん』に類似したファミリー向けほのぼのアニメに改変されることになった。これにより原作本来の魅力が半減されている反面、お馴染みの藤子作品の王道的モチーフを持った作品になった。
人気作となり1年7ヶ月の長寿アニメとなり、また藤子・F・不二雄自ら第1、2話の脚本を担当して話題となったが、それ以外の原作からのエピソードは一話分作られたのみであった。このような事態になったのは、テレビアニメ『21エモン』で本作のエピソードの幾つかを転用されたのも無関係ではないと思われる。
本作放映中に作者が逝去し、そのテロップが放送中に流された事がある。
アニメ化時に、藤子・F・不二雄のアシスタントのMASAHITOにより描かれた「宇宙フレンドモジャ公」という作品もある。
[編集] アニメ版キャスト
- 天野空夫(声の出演:折笠愛)
- モジャラ(通称モジャ公、声の出演:田中真弓)
- ドンモ(声の出演:中村大樹)
- ミキ(空夫のガールフレンド、声の出演:岩男潤子)
- ゴンスケ(声の出演:緒方賢一)
- モジャリ(モジャ公の妹、声の出演:深雪さなえ)
- モジャル(モジャ公の弟、声の出演:林原めぐみ)
- モモンジャ(モジャ公のライバル、声の出演:高乃麗)
- モジャパパ(モジャ公の父、声の出演:辻村真人)
- モジャママ(モジャ公の母、声の出演:菊池いづみ)
- ピテカン(ガキ大将、声の出演:高木渉)
- パパ(空夫の父、声の出演:梅津秀行)
- ママ(空夫の母、声の出演:小林優子)
[編集] スタッフ
- プロデューサー:岩田圭介→浜田工(TV TOKYO)・矢崎裕美子(テレビ東京メディアネット)・中沢利洋 赤羽根徳則(小学館プロダクション)
- シリーズ構成 えんどうてつや→寺田憲史
- キャラクターデザイン・総作画監督 尾鷲英俊
- 美術監督 金村勝義
- 色彩設計 吉野記通
- 撮影監督 吉田光伸
- 背景 スタジオじゃっく
- 撮影 ティニシムラ
- 音響監督 渡辺 淳
- 録音助手 梨本亮子
- 音楽 若草 恵
- 編集 辺見俊夫・船見康恵(JAY FILM)
- ネガ編集 松尾浩・和田至亮
- タイトル マキ・プロ
- フィルム イーストマン
- 現像 IMAGICA
- CG作成 加戸誉夫
- 音響プロデューサー:南沢道義
- 音響製作担当:中村明子
- 音楽製作 HALF H・P STUDIO
- 音楽協力 テレビ東京ミュージック
- 協力 ジェイアール東日本企画
- 番組宣伝:大木努(テレビ東京)
- 製作補:青木博之・古市直彦
- 効果:加藤昭二(アニメサウンドプロダクション)
- 調整:平野延平
- アニメーションプロデューサー:奥野敏聡・神田修吉
- アニメーション制作プロダクション:OLM
- 設定製作・製作担当 井口憲明
- CGコーディネート 水谷貴哉
- AVIDオペレーション 今井剛・大竹弥生
- 監督:えんどうてつや
- 製作:TV TOKYO テレビ東京メディアネット 小学館プロダクション
[編集] 前後番組の変遷
テレビ東京系 火曜18:30枠(1995年10月~1996年9月) | ||
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前番組 | モジャ公 | 次番組 |
ゲーム王国 | 機動戦艦ナデシコ |
テレビ東京系 月曜19:00枠(1996年10月~1997年3月) | ||
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前番組 | モジャ公 | 次番組 |
愛LOVEジュニア ※月曜18:30に移動 |
特ダネ!歩くテレビ (19:00~19:50) |