ヤスデ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
?ヤスデ | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | ||||||||
|
||||||||
英名 | ||||||||
Millipede |
ヤスデ(馬陸)とは、大顎亜門ヤスデ網に属する節足動物の総称。細長く、短い多数の足がある多足類の一つ。ムカデと混同されることもあるが、性質はおとなしい。
目次 |
[編集] 形態
体は数十個の節に分かれている。体が軟らかく背面や尾部に剛毛の束を持つため、一見カツオブシムシの幼虫のように見えるフサヤスデ類以外は、固い外骨格を持つ。足は前の3節には1節に1対ずつ、それより後ろの節は1節に2対ずつある。そのため、倍脚類とも言われる。また、頭には1対の小さい触角があり、目は種類により(分類とはあまり関連無く)有無や数がまちまちである。
日本最大種はヤエヤママルヤスデで7cmほどになる。世界最大種はタンザニアオオヤスデで最大30cmにもなる。
基本的に草食であるが意外に肉類も好んで食べる。
[編集] 生態
土壌の有機物や枯葉とそこにつく真菌類を主に食べている。体表の毒腺から液体や気体の刺激物を分泌する種が多い。刺激を受けると体を丸めるものが多い。通常は渦巻状にまとまって円盤となるが、タマヤスデは球形になる。
[編集] 人間の生活との関わり
一般にはヤスデは害虫と見なされているが、冤罪的な要素も多く、典型的な不快害虫。見た目が不快なことや、踏むと異臭を発すること、寒冷地の森林で周期的に大量発生するキシャヤスデなどの群れが鉄道の線路上に這い出して列車の車輪で踏み潰されると、その体液により列車がスリップすることなどが理由に挙げられている。臭液の毒性は強く、狩猟用の矢毒として用いられた記録がある。また、「味噌汁に1個体が紛れ込んだら、鍋全部が食べられなくなる」などと言われる。その臭液は主に危険を感じた際に敵への威嚇として体外へ放出されることが多い。
住宅やその周辺で発生するヤスデは一部の種のみであり、ほとんどのヤスデは森林で生活している。ほとんどの種は広意の土壌に生息して分解者の役割を担っており、土壌形成上一定の役割を果たしているものと考えられる。
ほとんどの種は経済上直接に利用されることはない。熱帯産のタマヤスデ類の大型種の一部が、メガボールなどと称していたり、フトヤスデ等がペット(広義)として市販されることがある。
[編集] 分類
[編集] フサヤスデ目
- フサヤスデ科 ニホンフサヤスデ シノハラフサヤスデ
- リュウキュウフサヤスデ科 リュウキュウフサヤスデ
[編集] ナメクジヤスデ目
[編集] ネッタイツムギヤスデ目
[編集] ツムギヤスデ目
- ミコシヤスデ科 ミコシヤスデ エゾミコシヤスデ クロイワヤスデ フトケヤスゲ
- ヤリヤスデ科 ヤリヤスデ タカネヤリヤスデ
- トゲヤスデ科 オオトゲヤスデ
- クラサワトゲヤスデ科 クラサワトゲヤスデ
- ホラケヤスデ科 ホラケヤスデ
- ヒメケヤスデ科 ヒメケヤスデ
- シロケヤスデ科 シロケヤスデ
[編集] スジムツジヤスデ目
[編集] ジヤスデ目
- ジヤスデ科 ジヤスデ
- イトヤスデ科 ツクシヤスデ イトヤスデ
[編集] ヒラタヤスデ目
- ヒラタヤスデ科 ヒラタヤスデ アカヒラタサスデ ヤマシナヒラタヤスデ タマモヒラタヤスデ
[編集] タマヤスデ目
- タマヤスデ科 タマヤスデ
[編集] ネッタイタマヤスデ目
- ネッタイタマヤスデ科 ネッタイタマヤスデ
- オオタマヤスデ科 オオタマヤスデ
[編集] オビヤスデ目
- ババヤスデ科 ババヤスデ ヤマンバヤスデ アマビコヤスデ ヤエタケヤスデ タカクワヤスデ アオヤスデ コバアマビコヤスデ ポッコクアマビコヤスデ ヤットコアマビコヤスデ オビババヤスデ トリデヤスデ キシャヤスデ
- タメトモヤスデ科 タメトモヤスデ ウチカケヤスデ ヒラオヤスデ
- ヤケヤスデ科 ヤケヤスデ マサキヤケヤスデ ミイツヤスデ ヤマトアカヤスデ リュウキュウヤケヤスデ ヤンバルトサカヤスデ タゲヤスデ トサカサスデ モリヤスデ ネジアシヤスデ アカヤスデ ナンヨウヤケヤスデ
- ハガヤスデ科 ハガヤスデ コブヤスデ ハダカヤスデ オオギヤスデ キレコミヤスデ ヨロイヤスデ
- オビヤスデ科 ノコギリヤスデ ツノノコギリヤスデ イシイオビヤスデ オビヤスデ モトオビヤスデ ヒガシオビヤスデ フジオビヤスデ
- シロハダヤスデ科 シロハダヤスデ マクラギヤスデ
- チビヤスデ科 チビヤスデ
[編集] ギボシヤスデ目
- ギボシヤスデ科 ギボシヤスデ パラオギボシヤスデ
[編集] ヒメヤスデ目
- ヒメヤスデ科 ツメフジヤスデ トガリフジヤスデ エゾフジヤスデ ミホトケフジヤスデ ヘルヘフフジヤスデ フジヤスデ フジヤスデモドキ
- ホタルヤスデ科 ホタルヤスデ イカホヒメヤスデ ホタルヒメヤスデ センブツヤスデ ウエノヤスデ
- リュウガヤスデ科 リュウガヤスデ オオセリュウガヤスデ トリイリュウガヤスデ
- カザアナヤスデ科 タテウネホラヤスデ イチハシヤスデ ネンジュヤスデ
- ヒロウミヤスデ科 ヒロウミヤスデ ヨシダヒメヤスデ
- クロヒメヤスデ科 クロヒメヤスデ
- エゾヒメヤスデ科 エゾヒメヤスデ
[編集] クダヤスデ目
- クダヤスデ科 クダヤスデ
[編集] フトヤスデ目
- ミナミヤスデ科 ミナミヤスデ
- マガイマルヤスデ科 マガイマルヤスデ
- カグヤヤスデ科 カグヤヤスデ
- マルヤスデ科 マルヤスデ
[編集] ヒキツリヤスデ目
- ヒゲヤスデ科 ヒゲヤスデ
- ヒモヤスデ科 ヒモヤスデ ヤハズヤスデ
カテゴリ: 生物分類表使用 | 生物学関連のスタブ項目 | 節足動物