ヤマハ・TDM
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヤマハ・TDM(ティーディーエム)は、ヤマハ発動機が製造・販売している大型自動二輪車(オートバイ)の車種名。排気量は当初850ccであったが、後にモデルチェンジで900ccに拡大されている。キング・オブ・マウンテンロードのコンセプトを元に開発された車体はデュアルパーパスモデルに見えるが、純然たるオンロードモデルである。
[編集] TDM850
- 初期型TDM850は1991年に登場。形式は3VD(国内仕様は4EP)。同社のビッグオフローダーモデル「XTZ750スーパーテネレ」のエンジンをベースに850cc化。車体構成もオンロードモデルとし、キング・オブ・マウンテンロードのコンセプトの元にアルプスローダーとして発売された。エンジンは360度クランクを採用した849ccの水冷DOHC5バルブ直列2気筒。最高出力は72psを発揮していた。当初は輸出専用車であったが、翌年2月より日本国内でも販売が開始された。
- 1996年に大幅なマイナーチェンジを敢行し、後期型(形式・4TX、国内仕様は5GG)が登場。外観では「オーガニックフォルム」と呼ばれる曲線を多用したフォルムに変更。直列2気筒エンジンは80psにパワーアップされたほか、TRX850のエンジンをベースに360度であったクランクを270度に変更し、よりパルス感を強調したセッティングとされた。また足回りでは新たにラジアルタイヤを採用。燃料タンク容量も2リットル増量し、20リットルとなった。こちらも1998年より国内モデルとして販売されている。
[編集] TDM900
TDM900は、2002年にヨーロッパ市場への輸出に向けて製造が開始された。同社TDMシリーズとしては、前述のTDM850に続く2代目に当たる。先代とは違い、こちらは輸出専用車となっている。
先代モデルより受け継がれ続ける巨躯を持ちつつも、無駄の無い曲面でデザインされた個性的な両目二灯式ヘッドライト内蔵ハーフカウルが見る者に柔らかな印象を与える(この二灯+ハーフカウルは、TDMシリーズ共通のキーデザインである)。エンジン排気量は従来の850ccから900ccへ拡大し86psへ出力増大を図りつつ、フューエルインジェクション及びキャタライザー内蔵式大型サイレンサーを新採用し、世界的な排ガス規制に対応している。