5バルブエンジン
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5バルブエンジン (ファイブバルブエンジン、ごバルブエンジン)とは、おもに、4ストロークサイクルのプロセスを採用した内燃機関における吸排気弁(バルブ)配置の形式の一つである。
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[編集] 特徴
レシプロエンジンにおいて、高出力を実現するためには高回転化、摺動ロスの低下、給排気効率の向上などが必要となる。吸気弁、排気弁は最低限それぞれ1つずつでエンジンの動作が可能だが、給排気を速やかに行うためには開口面積を大きくしなければならない。しかし弁を大きくすることは慣性の増大を招き、エンジンの高回転化を妨げる上、熱効率の低下を伴う。そこで、各弁の数を増やす、マルチバルブが考案された。そのバリエーションの一つが5バルブエンジンである。
尚、1気筒当たり5バルブの弁機構は、一般に吸気弁3、排気弁2という配置が多い。動弁機構はDOHCがほとんどであるが、ヤマハ発動機の単気筒エンジンではSOHCが採用されている。
[編集] 主な採用車種
[編集] 自動車
自動車用は2006年現在、Polo GTI、アウディ - S4に搭載のエンジンを除き、絶版になっている。
- トヨタ - カローラ(セダン、ツーリングワゴン)、カローラレビン、カローラFX、カローラセレス、スプリンター、スプリンタートレノ、スプリンターマリノ、カリーナ(いずれも4A-GE型)
- 三菱 - ミニカ(3G83型/4A30型)、パジェロミニ(4A30型)、トッポBJ(4A30型)、ブラボー(3G83型/4A30型)、タウンボックス(4A30型)
- フェラーリ - F355、360モデナ、F50
- アウディ - S4
- フォルクスワーゲン - Polo GTI
- ブガッティ - EB110 (他のものと異なり、吸気2・排気3のデザインを採用。これはターボエンジンに合わせたものと思われる)
- その他
- ジオット・キャスピタ(試作初期段階で富士重工業・モトーリ・モデルニ製F1用3.5リッターエンジンを搭載)
- ヤマハ・OX99-11(F1用3.5リッターV型12気筒5バルブエンジンを採用。市販化は実現せず)
[編集] オートバイ
オートバイに於いては、ヤマハ発動機が積極的に採用している。
- 直列4気筒 - FZ750、FZX750、FZR750、FZR1000、GTS1000/A、YZF750SP、YZF1000R、YZF-R1(2007年モデルより4バルブ化)、FZ1
- 直列2気筒 - XTZ750スーパーテネレ、TDM850/900、TRX850
- 単気筒 - XTZ660テネレ、SZR660、グリズリー、ラプター、YFZ450R
[編集] 関連(動弁機構)
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