リマ (鉄道模型)
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リマ(Lima)社は、1946年創業のイタリアの模型メーカーである。
かつてリマの鉄道模型といえば、やや玩具的なプラスチック製鉄道模型の代名詞だったが、徐々に精密な製品を生産するようになった。
スケールはHOゲージが主で、1960年代後半-1980年代中盤にかけてはNゲージも生産していた。N,HO共にプラスチックの素材を生かして、きわめて安価に供給していた。
製品化の対象はイタリアの鉄道車両にとどまらず、ドイツやイギリスを始め、スペイン、フランスといった西ヨーロッパ全般、米国や日本の鉄道車両も生産していた。日本型車両ではHOゲージ製品に国鉄0系新幹線や貨車などがあり、Nゲージでは国鉄485系電車が製品化されていた。輸入代理店の朝日通商によって、テレビコマーシャルが放映されていた時期もある。
1990年代頃にリバロッシの傘下に入る。1990年代以降は安価でより精密感のある中国製品に押され、徐々にシェアを落として経営が悪化する。2003年7月イギリスのホーンビィ社に吸収されたが、従業員らはほとんどが解雇されて引き継がれず、ブランド名と金型などの物的資産を売却したかたちに近い。今後、リマブランド製品の生産は全て中国で行われることになる。
2005年、解雇されたリマ、リヴァロッシ社の元従業員らによって、ヴィトレインズ(vitrains)という鉄道模型メーカーが立ち上げられた。