ロンドンマラソン

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ロンドンマラソン（London Marathon）は1981年以来ロンドンで毎年4月に開催されるマラソン大会である。一般的な42.195kmを走るマラソン大会ではあるが、通常の大会とは異なり巨大なスポーツの祭典となっている点が特色である。

[編集] 概要

ロンドンマラソンの企画・創設はオリンピックの障害競走の元チャンピオンであり、スポーツジャーナリストのクリス・ブラッシャーにより、ニューヨークシティマラソンを参考にして始められた。彼はマラソンを従来とは異なる「市民のマラソン」を現実のものにしようとしてこの大会を創設した。大勢の一般参加者が参加し多くの市民が応援するこの大会はこの夢を現実のものとしたものだろう。参加応募は常に定員を相当数オーバーしており、出場許可が得られるものは4万人を超える。これは世界最大のマラソン大会である。同時にグリーンウィッチ・パークからクッティー・サック、タワーブリッジ、ドックランズ、イーストエンド、ロンドン塔、バッキンガム宮殿、ザ・マル (ロンドン)へと抜けるコースのいたるところに応援する市民の姿が見られ、コースを進むにつれ増えていく。

第一回ロンドンマラソンは1981年 3月29日に開催され、7,747人が参加し、完走者は6,255人であった。市民の心をつかんだこの大会への参加者は次年度には3倍を数え、25回大会では出走者は35,680人にのぼった。

1981年の創設以来、当初のウェストミンスターブリッジでのゴールが、ザ・マルでのゴールに変わったのと、参加者数の増加により男子エリート、女子エリート、車椅子、一般参加者とスタートが別になったのとを除けば、競技の形式はほぼそのまま変わらず同じである。ロンドンマラソンの全ての人を魅了する魅力はその参加者の多様性にも見てとれる。車椅子競技者、エリート競技者、さらには80歳を越える参加者もいるなどベテラン競技者まで多様である。しかし、ロンドンマラソンはより広範な使命を持つマラソンであり、スポンサー付きで走るランナーを積極的に呼び込んでいることによる。その一例は自身もパーキンソン病を患うテリー・キャバナであり、パーキンソン病協会への寄付金として£14,000を集めた。個人による寄付、マラソンの収益の残り、スポンサーからの収益などから多額の寄付金が集められ、ロンドンマラソンチャリティ基金を通じて非営利団体に寄付される。これこそがクリス・ブラッシャーが目指した「市民のマラソン」という目的にかなうマラソンのゆえんである。

多額の賞金でエリート選手を惹きつける真剣な競技大会であると同時に、競技を純粋に楽しむだけのファンランナーの存在もレースをもりたてている。仮装したり、チャリティの寄付金を集めたりするランナーも含め、3万人以上のランナーが大会をもりたて、沿道に50万人の観客を呼ぶ原動力となっている。

2003年 4月19日には、元ボクサーのマイケル・ワトソン（クリス・ユーバンクとの対戦後、2度と歩けないないのではないかと言われていた）が戦後6日後にマラソンを完走したことでイングラングの英雄となった。

[編集] 成績

市民マラソンとチャリティ的な性格が全面に出た大会であると同時に、ロンドンマラソンは多くの選手にとって真剣なレースの場でもある。大会記録は、男子が2:05:38（ハーリド・ハヌーシ（米）・2002年）、女子が2:15:24（ポーラ・ラドクリフ（英）・2003年）であり、世界トップクラスの高速なコースの特長を示している。

1981年	ディック・バーズリーインゲ・シモンセン	USA NOR	2:11:48
1982年	ヒュー・ジョーンズ	GBR	2:09:24
1983年	マイク・グラットン	GBR	2:09:43
1984年	チャーリー・スペディング	GBR	2:09:57
1985年	スティーブ・ジョーンズ	GBR	2:08:16
1986年	瀬古利彦	JPN	2:10:02
1987年	谷口浩美	JPN	2:09:50
1988年	ヘンリク・ヨルゲンセン	DEN	2:10:20
1989年	ダグラス・ワキウリ	KEN	2:09:03
1990年	アリスター・ハットン	GBR	2:10:10
1991年	ヤコブ・トルスティコフ	URS	2:09:17
1992年	アントニオ・ピント	POR	2:10:02
1993年	イーモン・マーティン	GBR	2:10:50
1994年	ディオニシオ・セロン	MEX	2:08:53
1995年	ディオニシオ・セロン	MEX	2:08:30
1996年	ディオニシオ・セロン	MEX	2:10:00
1997年	アントニオ・ピント	POR	2:07:55
1998年	アベル・アントン	ESP	2:07:57
1999年	アブデルハデル・エルムージス	MAR	2:07:57
2000年	アントニオ・ピント	POR	2:06:36
2001年	アブデルハデル・エルムージス	MAR	2:07:09
2002年	ハーリド・ハヌーシ	US	2:05:38
2003年	ゲザヘンゲ・アベラ	ETH	2:07:56
2004年	エバンス・ロト	KEN	2:06:18
2005年	マルティン・ルレ	KEN	2:07:35
2006年	フェリックス・リモ	KEN	2:06:39

[編集] 女子

1981年	ジョイス・スミス	GBR	2:29:57
1982年	ジョイス・スミス	GBR	2:29:43
1983年	グレテ・ワイツ	NOR	2:25:29当時女子マラソン世界記録
1984年	イングリッド・クリスチャンセン	NOR	2:24:26
1985年	イングリッド・クリスチャンセン	NOR	2:21:06当時女子マラソン世界記録
1986年	グレテ・ワイツ	NOR	2:24:54
1987年	イングリッド・クリスチャンセン	NOR	2:22:48
1988年	イングリッド・クリスチャンセン	NOR	2:25:41
1989年	ベロニク・マロー	GBR	2:25:56
1990年	ワンダ・パンフィル	POL	2:26:31
1991年	ロザ・モタ	POR	2:26:14
1992年	カトリン・ドーレ	GER	2:29:39
1993年	カトリン・ドーレ	GER	2:27:09
1994年	カトリン・ドーレ	GER	2:32:34
1995年	マルゴザタ・ソバンスカ	POL	2:27:43
1996年	リズ・マッコルガン	GBR	2:27:54
1997年	ジョイス・チェプチュンバ	KEN	2:26:51
1998年	キャサリーナ・マッキナーン	IRL	2:26:26
1999年	ジョイス・チェプチュンバ	KEN	2:23:22
2000年	テグラ・ロルーペ	KEN	2:24:33
2001年	デラルツ・ツル	ETH	2:23:57
2002年	ポーラ・ラドクリフ	GBR	2:18:56
2003年	ポーラ・ラドクリフ	GBR	2:15:24 女子マラソン世界記録
2004年	マーガレット・オカヨ	KEN	2:22:35
2005年	ポーラ・ラドクリフ	GBR	2:17:42 女子単独レースでの世界記録
2006年	ディーナ・カスター	US	2:19:36

[編集] 男子・車椅子

この節、未完

2002年	David Weir	GBR	1:39:44
2003年	Joel Jeannot	FRA	1:32:02
2004年	Saul Mendoza	MEX
2005年	Saul Mendoza	MEX	1:35:51

[編集] 女子・車椅子

この節、未完

1997年	Tanni Grey-Thompson	GBR
1998年	Tanni Grey-Thompson	GBR
1999年	Tanni Grey-Thompson	GBR
2000年	Tanni Grey-Thompson	GBR
2001年	Tanni Grey-Thompson	GBR
2002年	Tanni Grey-Thompson	GBR	2:22:51
2003年	Francesca Porcellato	ITA	2:04:21
2004年	Francesca Porcellato	ITA	2:05:00
2005年	Francesca Porcellato	ITA	1:57:00