ローワン・アトキンソン
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ローワン・セバスチャン・アトキンソン(Rowan Sebastian Atkinson/1955年1月6日-)はイギリスのコメディアン・俳優・作家である。日本では英国テレビコメディのMr.ビーン(Mr Bean)」で知られる。また、本国ではBBC系番組の歴史シットコム「ブラックアダー(Blackadder)」のエドモンド・ブラックアッダー(Edmund Blackadder)役で有名である。
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[編集] 生い立ち
アトキンソンは英国北東部ダラムのコンセット市のアグリカン人の農家であったエラ・メイとエリック・アトキンソンの子として生まれ、兄には率直な性格の欧州統合懐疑派であることで有名な政治経済コメンテーターでジャーナリストでもあるロドニー・アトキンソン(Rodney Atkinson)がいる。アトキンソンはセント・ビース学校、ダラム聖歌隊学校を卒業し、ニューキャッスル大学で電子工学科を専攻した。続いてオックスフォードクイーンカレッジで理学修士として通っていたころ、1976年のエディンバラ・フリンジ・フェスティバル(エディンバラで行われたコメディなどの文化祭)で最初の成功を収めた。後にビーンシリーズで非常に大きな役割を果たす劇作家リチャード・カーチスや作曲家ハワード・グーダルと会い、OUDS(オックスフォード大学財団)やオックスフォード・レビュー(同大学のコメディ劇グループ)やETC(試験的劇場クラブ)で寸劇を披露した。
[編集] 経歴
大学の後は、アトキンソンは喜劇俳優でテレビ司会者であるアンガス(Angus Deayton)を喜劇の引き立て役として連れ、巡回公演をした。テレビでの放映を皮切りに、スタンドアップコメディやラジオ出演、小説をも成功させていった。 1978年、彼はITV局によりシリーズドラマを提供したが、BBC系コメディテレビ番組に出演してからは、その視聴率獲得のためにITVに提供したのを取りやめた。その番組とは友人のジョン・ロイドによって企画され、アトキンソンはPamela Stephenson、Griff Rhys Jones、Mel Smithらと共演することになった1回25分間の寸劇集「Not the Nine O'Clock News(「9時のニュースではありません」)」である。アトキンソンは主要寸劇作家の一人となる。この番組の成功が中世を舞台にした歴史シットコム「ブラックアッダー(Blackadder)」の立ち上げに結びついた。アトキンソンのそのほかの有名な出演作と言えば、1988年初放映されたテムズテレビジョン局の30分特番だった「ミスター・ビーン(Mr Bean)」である。チャールズ・チャップリンの影響も受けている。 2003年には、毎週日曜日発刊の新聞The Observerに、イギリスコメディアンの中で最も面白い人ベスト50に入った。また、「コメディアンの中のコメディアン」を決める2005年の投票でトップ50にも入った。
[編集] 映画活動
映画では『ラブ・アクチュアリー』などにも出演。とぼけた表情と、長い手足を駆使してシュールな笑いを作り出すコメディアンとして人気を不動のものにした。
[編集] 広告活動
テレビコマーシャルにもよく起用され、日立の電化製品、富士フイルム(いずれもイギリスの企業として)や献血の宣伝での出演が目立った。特に、彼の映画の一つであるジョニー・イングリッシュ(Johnny English)をベースにした哀れで間抜けな代理人スパイとして登場し、長いシリーズを誇ったクレジットカード会社バークレーカードのコマーシャルが有名である。
[編集] 私生活
- アトキンソンは1990年にSunetra Sastryと結婚した。ニューヨークシティのレストラン「ロシアン・ティー・ルーム」で密かに結婚式が行われた。現在はオックスフォードシャー州に住んでおり、リリーとベンジャミンという2人の子供がいる。
- 趣味は自動車で、かなりのコレクションを所蔵している。[1]ロールス・ロイスなどの高級車を所有するほか、スーパーカーやスポーツカーも所持しており、1990年には地元の自動車雑誌『Car』にアストン・マーティン・ヴィラージュの試乗レポートを寄稿していたほどだが、ダラスで行われたカーレースに自身のアストン・マーティンで出場し、カーブを曲がりきれずに約80km/hで防御壁に衝突して大破させたり、1999年10月には自身で購入したマクラーレンのスーパーカー「マクラーレン・F1」で乗用車に追突する事故[2]を起こし大破し全損させる等、運転技術はさほど高くは無いようである。ちなみにこの2つの事故でアトキンソンに怪我は無かった。
[編集] 主な出演作
[編集] テレビ
- ブラックアダー シリーズ Blackadder (1983–1989)
- Mr.ビーン Mr. Bean (1990-1995)
- シン・ブルー・ライン The Thin Blue Line (1995-1996)
[編集] 映画
- ネバーセイ・ネバーアゲイン Never Say Never Again (1983)
- 彼女がステキな理由(わけ) The Tall Guy (1989)
- ジム・ヘンソンのウィッチズ The Witches (1990)
- ホット・ショット2 Hot Shots! Part Deux (1993)
- フォー・ウェディング Four Weddings and a Funeral (1994)
- ライオン・キング The Lion King (1994) 声の出演
- ビーン Bean (1997)
- ラットレース Rat Race (2001)
- スクービー・ドゥー Scooby-Doo (2001)
- ジョニー・イングリッシュ Johnny English (2003)
- ラブ・アクチュアリー Love Actually (2003)
- ビーン2 Bean 2 (2007) 2006年9月の時点でポストプロダクション中、尚イギリスでのタイトルがMr.ビーンホリデー