ローンカード
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ローンカードとは、信販・クレジットカード会社などが発行するローン(融資)専用のカードである。但し、このサービスの名称を銀行などと同じく「カードローン」としている会社も有る。
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[編集] 概要
「キャッシング」は主に貸出期間が短期(1日~数ヶ月)のものを指し、「ローン」は比較的長期(1年以上など)の融資を指す用語とされるため、サラ金カード(消費者金融)の利用者層は短期の生活資金に、ローンカードはレジャー資金などまとまった用途に使われるのを想定して、一定の年収と定職のある者(会社員・公務員・自営業経営・自由業など)だけに発行される傾向があるため、フリーターなど雇用が不安定な者へも発行されるサラ金カードとは区別される事が多い。
審査の上、所定の限度額の範囲で繰り返し借入でき、殆どはサラ金カード同様リボルビング方式(元金定額/残高スライドなどの方式が有る)で完済(借入残高が0円)となるまで、毎月の約定返済日に口座自動振替やATMでミニマムペイメント(最低支払額)を返済していく形となる。 利息(実質年率)は借入残高に対して日割計算で毎日発生する商品が殆どであり、借入れ当日や数日間などの場合は利息額は僅かである(この点を各社はよく宣伝する)ものの、借入額が高額で返済が長期に渡る場合は利息の影響でなかなか元金(借入残高)が減りにくいので、ATMや振込によって都度返済する事も可能である。
大口需要向けに、不動産など抵当を差し入れる有担保型のローンカードも有るが、貸出金利が銀行融資によるものと比べ大変高利である(年10%~20%前後)ので、手を出さない方が無難である。
[編集] 最近の傾向
2006年度に入ってから、グレーゾーン撤廃問題や消費者金融専業会社による違法な取り立てがクローズアップされ、特にグレーゾーン金利の範囲でクレジットカード付帯のキャッシングやローンカードで貸出(融資)を行っている(殆どの)クレジットカード会社で、利息制限法の上限金利までに引き下げを行った場合、クレジットカードのショッピング取扱より融資の利息収入によって利益の大半が賄われている会社の殆どが減収となる事が予想されている。
既存のグレーゾーン金利で貸出を行うのは一定の貸倒リスクを織り込むの関係している点から、各社から新型のローンカードが続々登場している。これは与信の厳正・適格化を行い、契約者(貸り手)の職業や年収などをスコアリング(点数化)し、信用度が高く貸倒リスクが低い者には利息制限法に収まる貸出金利(年7%台~)で200~300万円の融資枠で発行する一方、信用度が劣る者にはグレーゾーン金利で50万円~100万円程度の融資枠で契約・発行するものである。
既に銀行系消費者金融各社やオリックス・クレジットなどで利息制限法の範囲内で貸出を行うサラ金カードが多数有るが、この新しいローンカードはクレジットカード会社が通常のクレジットカードと同じく審査や与信管理を行っており、消費者金融会社が絡まないので、同じ貸し手でもサラ金に抵抗の有る(生活に余裕の有る)者をターゲットの一つとしている。状況によるものの、それら消費者金融からの借換え・一本化用途として扱っても構わないなどの柔軟性もある。
- ただし、与信ノウハウ(人物パターンなど)を豊富に持っていない発行会社では、消費者金融会社と提携し、各種ノウハウの提供を受けている。一例として「JCB firstloan+」はクレディアから与信ノウハウの提供を受けている
また、消費者金融の借入情報などを参照するため、新たに全情連に加盟するクレジットカード会社も有るので、申込み時に規約などを確認すると良い。
[編集] 主なローンカード
消費者金融が発行するものを除く。
- 「JCB firstloan+」 (ジェーシービー)
- 「マイベスト ビズ」 (UFJニコス)
- 「アプラスα倶楽部カード」 (アプラス)
- 「CREST」 (オリエントコーポレーション)
- 「CF VIPローンカード」 (セントラルファイナンス)
- 「ライフプレイカード」 (ライフ)
- 「楽天KC MONEYカード」 (楽天KC)
- 「フォーライフ」 (オーエムシーカード)
- 「イオンバリューカード<VIP>」 (イオンクレジットサービス)
- 「《セゾン》カードローン」 (クレディセゾン)
- 「eS-card plus」 (ソニーファイナンスインターナショナル)
[編集] 利用するときの注意点
- サラ金カードと同様、使いすぎ・借りすぎに注意をして無理のない返済計画を立てて利用すること。
- 消費者金融は遅延損害金による収入を目当てに、数日の遅延なら見逃す会社が多々あるが、ローンカードの場合は、1日の遅延でも新規貸出を停止にし、債権回収される(契約書面に記載)ケースもある為、返済日には充分な時間・金銭的余裕を持つ事。(銀行口座からの自動引落の場合には、口座の残高に注意のこと。)
- 有担保型(任意に不動産などの抵当権をつけて契約するものと)のカードローンは、収入など利用者の属性を考慮せず、抵当物件の評価額に応じて貸付枠を設定する業者も有る為、無担保型より高額な貸付枠で低利に利用できるが、延滞などの貸倒が生じた場合、抵当で債権回収されるため、返済にはより充分に注意されたい。
[編集] 関連項目
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