三菱・RVR
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RVR(アール・ヴイ・アール)は、1991年から2002年まで三菱自動車工業が製造・販売していたトールワゴン型乗用車。
RVブームの最中にデビュー。シティユースを重視した4人~5人乗りの広いキャビンとスライドドア等による使い勝手の良さが好評を博した。トールワゴンでありながら、オフロード走行を意識したモデル「スポーツギア」を設定するなどの他社にはない独自の路線が受け、初代は特に好セールスを記録したが、RVブームの終焉と共に販売台数も下降。2002年8月に販売を終了した。
代表的なグレード名である「スポーツギア」はその後、同社のエアトレックやグランディスなどで復活している。
目次 |
[編集] 車名の由来
英語:Recreational Vehicle Runnerの頭文字を集めたもの
[編集] 歴代モデル一覧
[編集] 初代(1991年 - 1997年)
[編集] 特徴
デビュー前の2代目シャリオのシャシーコンポーネンツをショート化し、2列シート、片側スライドドアを装備したトールワゴン。後席が通常の3人掛け(定員5名)とロングスライドシートの2人掛け(定員4人)の2タイプが設定されており、4人乗りタイプはシートアレンジ次第で後席で足が組めるほどの広大な室内空間を作り出すことが可能。
デビュー当初はNA2.0L/1.8Lガソリンエンジンのモデルのみだったが、その後ディーゼルターボエンジンを搭載したモデルが追加された。モデル中期には同社ランサーエボリューションにも搭載されている4G63型ターボエンジンのデチューンタイプを搭載したスポーツモデルの「スーパースポーツギア」や、車体上部を開閉できる特異なオープンモデル「オープンギア」などを追加しバリエーションを拡大。最後に最強モデルとなる「ハイパースポーツギア」を1997年1月に追加した。
[編集] 2代目(1997年 - 2002年)
[編集] 特徴
当モデルでも先代同様にシャリオ(3代目、車名は「シャリオグランディス」に変更)のコンポーネンツをショート化して流用。シャリオは3ナンバーサイズになったが、RVRは「GDI RVR」は5ナンバー、「RVR スポーツギア」は3ナンバーに分けられる形となった。
先代の特徴であったロングスライドシートやリアスライドドアなどの機構は引き継いだが、同時に欠点視されていた室内フロア面の高さによる居住空間の圧迫感や車重の重さなどもそのまま引き継いでおり、構造面で根本的な改善は行われなかったようである。
当モデルでは1999年のマイナーチェンジ時に大幅なフェイスリフトが行われ、前期と後期では全く顔つきが異なる。また同車の特徴であるリアスライドドアは前期型ではこれまで通り片面のみだったが、後期型では一部グレードを除き両面に採用された。
グレードは標準タイプの「X」(後期は「エクシード」)とスポーツタイプの「スポーツギア」に大きく分類され、標準タイプの「X」は1.8L ガソリンエンジンを、「スポーツギア」は2.4L GDIエンジンもしくは2L 4G63型ターボエンジンを搭載した。尚、最強モデルの「スポーツギアX3」は、レベライザー付きキセノンヘッドライトやハチドリの模様が織り込まれたオリジナルシートなどが奢られていた。
[編集] CM、キャッチコピー
[編集] 初代
[編集] キャッチコピー
- ウサギの勝ちだ
- トップレスって気持ちいい(RVRオープンギア)
[編集] 2代目
[編集] キャッチコピー
- フルモデル進化だ
[編集] プロトタイプ
1996年のパリ・ダカール・ラリーにRVRを冠したプロトタイプ車「RVRスペースランナー」が出場、増岡浩選手が乗り総合6位で完走した。基本的な構造はパジェロプロトタイプに近かった。
- 排気量:2416cc
- 最高出力:300馬力/4000rpm
- 最大トルク:60kg-m/3000rpm
- 最高速度:250km/h