三輪田勝利
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三輪田 勝利(みわた かつとし、1945年7月11日 - 1998年11月27日)は愛知県出身の阪急ブレーブス・オリックスブルーウェーブに在籍した元プロ野球選手・スカウト。右投げ右打ち。投手。現役引退後、スカウト、コーチを歴任、イチロー・山口和男を発掘した人物として知られる。
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[編集] 略歴
- 高校時代は中京商(現・中京大中京)で1963年に夏の甲子園に出場
- 早稲田大学に進学。エースとして活躍し、通算23勝
- 1967年 ドラフト会議にて近鉄バファローズに1位指名されるも拒否。大昭和製紙に入社。
- 1969年 ドラフト1位指名にて阪急ブレーブスに指名され入団。
- 1971年 ウエスタン・リーグで最多勝利投手
- 1973年 現役引退 スカウトへ転身
- 1978年 阪急ブレーブス二軍投手コーチ
- 1981年 スカウトへ復帰
- 1997年 編成部長に就任
- 1998年11月27日 同職在任中のまま那覇市内で転落死した状態で発見され投身自殺と断定された。53歳の若さであった。
[編集] エピソード
- 早稲田大学時代のチームメイトには球界関係者では八木沢荘六や高橋直樹、球界外でも毎日新聞社記者六車護(むぐるま・まもる)がいる。
- 人柄のよさは阪急・オリックス関係者の多くほか他球団に所属経験のある球界関係者が認めるところであった。
- スカウトへの転身を勧めた上田利治は「誠意のかたまり」と表した。
- 愛知県に生まれ育ち幼少期より中日ドラゴンズ入りを熱望ゆえ、オリックスからのスカウト活動・指名に困惑していたイチローの入団実現は三輪田の誠意・納得のいく説得があったゆえであり、生前両者は上下関係を弁えた上での互いの家族を交えたプライベートでの交流があった。
- 三輪田他界時イチローは人目も憚らず号泣、告別式では三輪田の棺に自身愛用のバットを納め、渡米後も帰国の折には神戸市内の三輪田家の墓参りを欠かさない。
- 山口のスカウト活動は三輪田が担当していたが山口入団前に三輪田が他界。山口は活躍のたび生前のスカウト活動の恩義から「今の自分があるのは三輪田さんのおかげ」の旨度々発言している。
- 金村義明も三輪田に敬意をもっていたひとりだった。
- 「(金村の実家が阪急沿線の宝塚市にあったことから金村が)高三の時三輪田さんは我が家にもスカウトとして挨拶にいらしたんです。三輪田さんは物腰・言動のよい意味で柔軟な、温厚な紳士でした。近鉄・阪急指名競合による抽選の勝者が前者・近鉄となったあと顔をあわせる機会があった際、僕に”近鉄でがんばれ”と暖かい言葉をかけて応援してくださったことは忘れません。」との旨発言。
- 家族は妻と娘ふたり。三輪田他界後も遺族とイチロー、山口、六車らは三輪田存命中と変わらぬ交流を続けた。
- しかし三輪田の妻は三輪田他界の6年後の2004年春に癌で他界(享年57)。その後長女は主婦(弁護士と結婚)、三輪田他界時東京大学法学部在学中だった次女は東大卒業後国土交通省へキャリアとして入省し現在にいたる。
- 死の直前1998年のドラフトで、当時のオリックスは一位で新垣渚を当時の福岡ダイエーホークスと重複して指名。抽選で、交渉権はオリックスが手にしたが、「ダイエー以外は進学」と話していた新垣は当然拒否。説得に行くも、新垣家から面会も断られ、そのことを球団に報告したところ、オリックス球団上層部から袋叩きに遭った。現場とフロントの板挟みとなった三輪田は、ケアのしようがないほど心身とも最悪の状況に陥ってしまったといわれた。
- 遺書はなかったが、上記の事情から三輪田の死は自殺であったと断定され、翌1999年労災認定もうけた。
- その後オリックス、新垣本人や家族・学校関係者にも痛烈な批判が続出し大きな問題となった。
- 新垣は、三輪田の死後オリックスの矢野清球団本部長(元阪急選手)と面会した。三輪田が痛ましい最期を遂げた事に自ら責任を感じ、悩んでいた時期もあったという。また、新垣には大学進学後の試合で三輪田の死の責任は新垣にある旨の、きわめて悪意的なヤジが飛んだこともあった。また新垣のプロ入り後にも、オリックスのある選手から嫌味を言われ、ダイエーの他の選手とオリックス選手でもめ事が起きた事もある。新垣は後年のインタビューで、「自分が活躍することが最初に評価してくれた三輪田さんへの恩返し」と語った。
[編集] 通算成績
- 23試合 4勝0敗 39回3/1 防御率2.31 奪三振16
[編集] 関連項目
[編集] 関連図書
- 六車護・著 『名スカウトはなぜ死んだか』 講談社 2002年11月 ISBN 4-06-211643-X
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