上位互換
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上位互換(じょういごかん)とは、従来仕様よりも優れた機能を持つ仕様(または製品)上において、従来仕様と同じ機能を、便宜的に残す技術様式である。似た物では、旧製品で新製品に対応させられる下位互換という様式もある。
目次 |
[編集] 概要
従来の製品等において、既に十分な市場が形成されている場合に、新規に互換性のない高性能な製品を市場投入しても、従来製品の市場からの乗り換えが見込み難い場合がある。このような可能性がある場合に、しばしば用いられる仕様の設計様式で、これにより新製品への移行がスムーズに行われる。
しかし一方で、経済的な理由や個別商品の特徴といった理由で旧来の製品がいつまでも市場に残る場合があり、陳腐化した技術(レガシーシステム)に長期にわたり拘束されるという、供給者側にとってのデメリットを生むことがある。(例・NECのPC-9800シリーズ)
[編集] 例
[編集] 上位互換の例
- プレイステーション2はプレイステーション用のソフトウェアを、また、プレイステーション3は、いずれのソフトウェアも使用できる
- USB2.0ポートには、USB1.1対応の周辺機器も利用できる
- PowerPC(x86チップ)搭載Macintoshにおいてモトローラ680x0 CPU(PowerPC)を搭載していたMacintoshのアプリケーションが利用できる
- Mac OS XにおいてMac OS X以前のMac OSで動作していたアプリケーションが利用できる
- 携帯ゲーム機、ゲームボーイ(1989年発売開始)、ゲームボーイカラー(1998年発売開始)、ゲームボーイアドバンス(2001年発売開始)は、それぞれ後発の機種で先発の機種用のソフトウェアを使用できる
- 携帯ゲーム機のニンテンドーDS(2004年発売開始)は、ゲームボーイアドバンス用のソフトウェアを使用できる。
- インテルのIA-32アーキテクチャCPU(80386~Pentium 4)は1978年に発売されたIntel 8086 CPU用の命令をほぼ互換性を持って実行可能である
- Microsoft Windows OSの上位互換性と、DOS資産を生かすための16Bit部分の問題
- スーパーディスクドライブは120MB/240MBのリムーバブルディスクドライブであるが、旧来の1.44MBのフロッピーディスクも読み書きできる
- デジタルコンパクトカセット(アナログ記録のコンパクトカセットを再生可能)
- VHSビデオのデジタル版であるD-VHSでは、従来のアナログ記録VHS(S-VHSおよびノーマルVHS)による記録・再生ができるが、D-VHS方式で記録されたテープは、従来のアナログ記録専用のVHSデッキでは再生できない。また、従来のアナログ記録であっても、S-VHS方式で記録されたテープは、ノーマルVHS専用のVHSデッキでは再生できない。(S-VHS簡易再生機能(SQPB)が搭載されたノーマルVHSデッキなら再生はできるが、S-VHS方式本来の高画質とはならない。)
- DVD(CDの上位規格にあたり、従来のディスクでも記録や再生が可能。)
- Blu-ray Disc (ブルーレイディスク)(CDおよびDVDの上位規格にあたり、従来のディスクでも記録や再生が可能。なお、ライバル規格として、「HD DVD」があり、現時点では、Blu-ray Discドライブとの互換性は実現していない。)
- HD DVD (CDおよびDVDの上位規格にあたり、Blu-ray Discドライブと同様、従来のディスクでも記録や再生が可能。なお、ライバル規格のBlu-ray Discドライブとは、現時点では互換性は実現していない。)
[編集] 上位互換性がなく成功しなかった例
- インテル iAPX32プロセッサ - 高機能CISCプロセッサ
- エルカセット
- PS/2(従来のPC/ATとのハード的な互換性が断ち切られた)
- ドリームキャスト(当時は1世代前のセガサターン用ソフトウェアの需要がまだあったにも関わらず使用できなかったため、発売台数が頭打ちになったとする説がある)。
- スーパーファミコン(ファミリーコンピュータとの公式の互換性が無いが、トライスターという周辺機器を使うことで解決できた。今ではトライスターは貴重である。)
[編集] 関連項目
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