中予地方
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中予地方(ちゅうよちほう)は、愛媛県(旧伊予国)中部地方の総称。松山市、伊予市、東温市、上浮穴郡、伊予郡が含まれる。
[編集] 特徴
50万人と最大の人口を持つ、松山市が中心で、他に伊予市、東温市などがあるが、いずれも松山市の衛星都市である。ただ、久万高原町は、国道33号三坂峠で地形的に分断されており、厳密には松山都市圏の一部とはいえないものの、通勤・通学などの日常的な人の流れや松山への農産物・木材等の物資の供給地として、広義では都市圏の一部とみれないこともない。この意味では、広義に、中予地方イコール松山都市圏とみなしてもよい。
核が一つという点では、複数の核があり、互いに競争しあう東予地方や南予地方とは性格を異にする。これが圧倒的な中心、支配者があり、「とりあえず上に従っておけばよい」という他人依存の保守的メンタリティを生んでいるともいえる。
[編集] 気質
松山は城下町であり、気候温暖で大災害も少ないことから、気質は温和、やんわりとした人当たりで、争いを好まないとされる。ただ、影に回ってうわさに興じたり、何かをしようとする人を冷ややかに見たり(時には足を引っ張る)、仲間内でほめ合い、他からの企業などの参入を好まないというマイナスの面も指摘される。
松山城がランドマークであり、松山城の見える地域をありがたがる傾向がある。松山城の見える所に家を建てたいという心理に顕著に現れている。
松山市街でも、旧市内と呼ばれる地域を格上に見る傾向もある。また、近郊では単に「ご城下」「街」といえば旧松山市内を指すなど何かに付けありがたがる心理がある。農村においても、「街に出る」イコール松山市街へ行くであり、厳然たる中心である。
中予でも旧大洲藩領の御替地(旧伊予郡西部)が存在していた伊予市、旧双海町近辺の地域は、松山市や松前町等とはやや異質で、どちらかと言えば南予気質に近い部分を持っている。
[編集] 産業
県庁所在地・松山を中心とした第三次産業都市の面と、松山市を取り巻く近郊、中山間地の農業などの第一次産業が主要産業である。商業など、東予地方、南予地方からの用務を含めた人の流入によって支えられている面がある。