九品仏浄真寺
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浄真寺 | |
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![]() 本堂 |
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所在地 | 東京都世田谷区奥沢7丁目 |
位置 | 北緯35度36分29.4秒 東経139度39分39.15秒 |
山号 | 九品山 |
宗派 | 浄土宗 |
本尊 | 釈迦如来 |
創建年 | 延宝6年(1678年) |
開基 | 珂碩上人 |
正式名 | 九品山 浄真寺 |
別称 | 九品仏浄真寺 |
札所等 | |
文化財 | 梵鐘、釈迦如来像他 |
浄真寺(じょうしんじ)は東京都世田谷区奥沢七丁目にある、浄土宗の寺。山号は「九品山」。
「九品仏」(くほんぶつ)とは、一義的には、後述のとおり同寺に安置されている9体の阿弥陀如来像のことであるが、一般には同寺の通称となっている。転じて、同寺の周辺の地区を指す場合にも用いられる。
目次 |
[編集] 歴史
浄真寺の地は、もともとは世田谷吉良氏系の奥沢城であった。小田原の役後同城は廃城となったが、寛文5年(1675年)に当地の名主七左衛門が寺地として貰い受け、延宝6年(1678年)、珂碩上人(かせきしょうにん)が同地に浄真寺を開山した。
[編集] 「九品仏」の由来
広い境内の本堂の対面に3つの阿弥陀堂があり、それぞれに3体合計9体の阿弥陀如来像が安置されている。 この9体はそれぞれ、上品上生(じょうぼんじょうしょう)、上品中生、上品下生、中品上生、中品中生、中品下生、下品上生、下品中生、下品下生を表し、あわせて九品である。 この九品の仏から、浄真寺は通称「九品仏」と呼ばれている。
[編集] 文化財と天然記念物
浄真寺には、「お面かぶり」と呼ばれる仏教行事がある。正式には「二十五菩薩来迎会」といい、3年に一度、本堂と上品堂の間に渡された橋を菩薩の面をかぶった僧侶らが渡るというものである。菩薩の来迎の様子を表すものだという。都の無形文化財に指定されている。
緑濃い浄真寺には、都天然記念物のイチョウ、カヤがある。また、かつてはサギソウ園(世田谷区の花)があり、区民に親しまれていたが、駐車場拡大により取りつぶされ、今は本堂脇の片隅に僅かに残るのみとなり、これを惜しむ檀家、区民は少なくない。
[編集] 都指定
[編集] 彫刻
- 阿弥陀如来像(9躯)
- 釈迦如来坐像
[編集] 工芸品
- 梵鐘
[編集] 天然記念物
- イチョウ
- カヤ
[編集] 民俗芸能
- お面かぶり
[編集] 区指定
[編集] 史跡
- 奥沢城跡
[編集] 建造物
- 仁王門
- 三仏堂
[編集] 彫刻
- 珂碩上人倚像
- 阿弥陀如来坐像
[編集] 周囲の様子
九品仏の名は、同寺周辺、広くは奥沢六丁目、奥沢七丁目付近を指す地域名としても用いられている。(世田谷区立九品仏小学校、九品仏まちづくり出張所等)
東急大井町線九品仏駅が、同寺参道入口の前にある。 なお、九品仏駅の隣、自由が丘駅は、開業当初は「九品仏前駅」という名であった。
同寺周辺は、閑静な住宅街であり、落ち着いた雰囲気の町並みである。 同地区には玉川聖学院や田園調布雙葉学園、九品仏小学校などがある。
昭和30年代までは、浄真寺の西側に九品仏池が存在したが、これは埋立により消滅し、現在は宅地となった。