東急大井町線
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大井町線(おおいまちせん)は、東京都品川区の大井町駅と世田谷区の二子玉川駅とを結ぶ、東京急行電鉄が運営する鉄道路線である。南北方向に放射状に伸びる東急の各線(田園都市線・東横線・目黒線・池上線)を相互に連絡している。
一部列車が早朝や夜間に車両の入出庫のため田園都市線と直通運転している。また、土曜・休日の朝夕の一部時間帯に同線直通急行が運転される。
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[編集] 路線データ
[編集] 歴史
- 1927年7月6日 目黒蒲田電鉄(目蒲電鉄)が大井町駅~大岡山駅間を開業。当時から大井町線という路線名だった。
- 1928年10月10日 池月駅(現・北千束駅)開業。
- 1929年11月1日 二子玉川線として自由ケ丘駅(現・自由が丘駅)~二子玉川駅間が開業。
- 1929年12月25日 大岡山駅~自由ケ丘駅間が開業。二子玉川線を大井町線に統合し、大井町駅~二子玉川駅間の直通運転を開始。
- 1930年4月1日 尾山台駅開業。
- 1930年5月21日 池月駅を洗足公園駅に改称。
- 1933年4月1日 中丸山駅を緑ヶ丘駅に改称。
- 1936年1月1日 戸越駅を下神明駅に、蛇窪駅を戸越公園駅に、洗足公園駅を北千束駅に改称。
- 1940年12月1日 大井町線二子玉川駅と玉川線よみうり遊園駅を統合し、二子読売園駅に改称。
- 1943年7月1日 玉川線(溝ノ口線)二子読売園駅~溝ノ口駅間の軌間を1372mmから1067mmに改軌し、大井町線に編入。
- 1944年10月20日 二子読売園駅を二子玉川駅に改称。
- 1945年10月1日 二子玉川駅~溝ノ口駅間を軌道法に基づく軌道から地方鉄道法に基づく鉄道に転換。
- 1951年3月1日 東洗足駅を移転し、旗の台駅に改称。
- 1954年8月1日 二子玉川駅を二子玉川園駅に改称。
- 1958年1月15日 架線電圧を600Vから1500Vに昇圧。
- 1963年10月11日 大井町線を「田園都市線」に改称。これにより大井町線という名称は一時消滅する。
- 1966年1月20日 緑ヶ丘駅を緑が丘駅に、自由ヶ丘駅を自由が丘駅に、溝ノ口駅を溝の口駅に改称。
- 1979年8月12日 田園都市線の電車が二子玉川園駅から新玉川線を経由して渋谷駅・営団地下鉄半蔵門線方面へ直通運転を行うようになり、同時に大井町駅~二子玉川駅間が大井町線として分離され、約16年ぶりに名称復活。
- 2000年8月6日 二子玉川園駅を二子玉川駅に改称。
- 2006年3月11日 8000系8005Fが走行中に車両ドアが開くトラブルが発生。重大インシデントとして、航空・鉄道事故調査委員会の調査が行われた。
- 2006年3月18日 土曜・休日に限り田園都市線に直通する急行が設定される(大井町線内では各駅停車、上下各3本)。
[編集] 運転
大井町線内は全列車が各駅停車で運転している。
基本的に各列車は二子玉川駅~大井町駅間を終日折り返して運行する。ただし、車庫への出入庫にともない、一部田園都市線鷺沼駅までの直通列車および自由が丘駅発着の列車がある。
また、土休日のみ田園都市線と大井町線を直通する急行が運転されている。
[編集] 急行
現在大井町線内での急行運転は行われていない。 ただし、土休日の中央林間行き田園都市線直通列車は田園都市線内で急行運転を行うほか、大井町線内での急行運転の予定もある。
- 田園都市線直通急行
- 2006年3月18日のダイヤ改正より土曜・休日に田園都市線と大井町線を直通する急行が運転されている。この列車は、大井町線内は各駅に停車し、田園都市線内は中央林間まで急行として運転する。なお、直通急行の定期運用化に伴い田園都市線内での誤乗を防ぐため、一部編成を除き先頭車の前面下部と側面のドアと窓の間に大井町線のロゴ入りステッカーが貼付され、帯のデザインも大井町線のカラーのオレンジのグラデーションに変更されている。
- 大井町線内の急行運転
- 2008年3月より運転開始予定。
- 6両編成で、溝の口 - 二子玉川 - 自由が丘 - 大岡山 - 旗の台 - 大井町に停車する。また、急行列車には、5000系をベースとした新型車が運用されることになっている。
[編集] 今後
[編集] 改良工事
現在、東急大井町線改良・田園都市線複々線化工事(溝の口駅~二子玉川駅間)を実施している。
大井町線内では
が行われている。
上野毛駅における急行列車待避線の新設は、等々力駅の地下化が環境調査により予定から遅れる見通しのため行われている。
また、田園都市線の梶が谷駅では改良工事完成後の大井町線の車両増に対応するために、大井町線用の梶が谷車庫を建設中である。
さらに、急行運転開始に伴う安全性向上と列車運転間隔の短縮のため、現状の自動列車停止装置(ATS)から自動列車制御装置(ATC)へ保安装置が更新される予定である。
[編集] 改良工事完成後の予定
この工事の完成後には大井町線は終日溝の口駅まで乗り入れる。二子玉川と溝の口の中間駅である高津・二子新地の両駅には、大井町線系統の列車は1時間あたり4本のみ停車し、その他の大井町線系統の列車は通過する予定である。
また、大井町線内で急行運転が開始される。大井町線内での急行運転計画について、詳しくは「大井町線改良&田園都市線複々線化」プロジェクト進行中!を参照。
[編集] 車両
以上4形式は広義の8000系。但し大井町線では8090系より8500系のほうが新車扱いである。
いずれも5両編成である。近年パンタグラフのシングルアーム化を進めている。
九品仏駅では二子玉川寄りの1両、戸越公園駅では大井町寄りの2両がそれぞれドアカットを実施しているため、乗務員室にドアカット扱い装置を設置している他、ドアとその上部ではドアが開かない旨のステッカーを貼付している。
[編集] 今後投入される車両
2008年3月のダイヤ改正から急行運転が開始されるが、この急行には全て5000系をベースとした新型車両で運転される模様である[1]。
[編集] 駅一覧
駅名 | 駅間キロ | 累計キロ | 接続路線・備考 | 所在地 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
大井町線 | ||||||
大井町駅 | - | 0.0 | 東日本旅客鉄道:京浜東北線 東京臨海高速鉄道:りんかい線 |
東京都 | 品川区 | |
下神明駅 | 0.8 | 0.8 | ||||
戸越公園駅 | 0.7 | 1.5 | ※大井町駅寄り2両の扉が開かない | |||
中延駅 | 0.6 | 2.1 | 都営地下鉄:○浅草線(A-03) | |||
荏原町駅 | 0.6 | 2.7 | ||||
旗の台駅 | 0.5 | 3.2 | 東京急行電鉄:■池上線 | |||
北千束駅 | 0.8 | 4.0 | 大田区 | |||
大岡山駅 | 0.8 | 4.8 | 東京急行電鉄:■目黒線 | |||
緑が丘駅 | 0.5 | 5.3 | 目黒区 | |||
自由が丘駅 | 1.0 | 6.3 | 東京急行電鉄:■東横線 | |||
九品仏駅 | 0.8 | 7.1 | ※二子玉川駅寄り1両の扉が開かない | 世田谷区 | ||
尾山台駅 | 0.7 | 7.8 | ||||
等々力駅 | 0.5 | 8.3 | ||||
上野毛駅 | 0.9 | 9.2 | ||||
二子玉川駅 | 1.2 | 10.4 | 東京急行電鉄:■田園都市線(直通あり) | |||
田園都市線中央林間駅まで直通運転 | ||||||
田園都市線複々線工事区間 | ||||||
二子新地駅 | 0.7 | 11.1 | 神奈川県 川崎市高津区 |
|||
高津駅 | 0.6 | 11.7 | ||||
溝の口駅 | 0.7 | 12.4 | 東日本旅客鉄道:南武線(武蔵溝ノ口駅) |