今井敬
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今井 敬(いまい たかし、1929年(昭和4年)12月23日 - )は、日本の実業家。新日本製鐵相談役名誉会長、元社長。
経済団体連合会(経団連)第9代会長。神奈川県出身。東京都立第一中学校を卒業後、東京大学法学部に進学。卒業後、富士製鉄に入社。
1998年、昭和生まれで初の経団連会長となる。兄は今井善衛元通産事務次官。
[編集] 略歴
- 1952年:富士製鉄入社
- 1981年:新日鉄取締役
- 1983年:新日鉄常務
- 1989年:新日鉄副社長
- 1993年:新日鉄社長
- 1998年:新日鉄会長
- 2003年:新日鉄相談役名誉会長
釜石製鉄所勤務を経て、ほぼ一貫して原料購買など業務畑を歩む。財務担当の常務時代に固定費削減を訴え、高炉13基のうち5基を休止するなど徹底的な合理化を推進。社長就任時には「創業的大リストラ」として3000億円のコスト削減を打ち出し、アジア通貨危機など鉄鋼需要の激減時にも経常黒字を維持する強固な経営体質を築いた。
東大時代から囲碁を好み、日本棋院総裁を務める。都立日比谷高校の同窓会である如蘭会の会長も務めている。
産業構造審議会など多くの政府関係委員を歴任し、経団連会長を務めるなど財界の大物論客。
2002年の内閣府道路関係四公団民営化推進委員会で委員長をつとめた。同委員会は途中の意見対立で空中分解し答申を一本化できなかった。このため委員長職を辞任した(委員職自体は辞任していない)。財界では小泉純一郎首相が今井委員長を全く守ろうとしなかったという擁護の声も一部聞かれたが、委員長という立場にもかかわらず自分の主張に固執し、全く議論のまとめ役になろうとしなかった今井に対する批判の声のほうが世間では圧倒的である。
読売新聞解説面の『時代の証言者』や日本経済新聞『私の履歴書』などで自叙伝を連載。
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