余震
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余震(よしん)は本震とは同時に発生せず、時間が経った後に来る地震。規模は本震以下のことが多いが、本震に匹敵する規模の余震が発生することもある。一般的には最大余震のマグニチュードは本震のそれよりも1程度小さいとされる。
体に感じる余震の回数は数10回から1000回、期間も数日から数ヶ月と地震によりまちまちである。ごく小規模の余震は、本震発生から100年以上続くこともあり、現在でも1891年の濃尾地震や1945年の三河地震の余震が観測されている。
明治・大正期の地震学者大森房吉は、この濃尾地震の観測から、本震からの経過時間に伴う余震回数の減少を表す大森公式を発表している。
原因は、本震時に解放されきれなかったエネルギーが放出される為だと見られる。 地震はプレートに力が加わってできた歪みが断層で発散されることにより起こるが、特に大地震の場合は、一度の本震で長く深い断層が全て動いてしまうわけではなく、両端や下部に引っかかったままの部分が残り、そこに新たに力が集中し始める。そうして連鎖的に周囲の断層も動いて歪みが解消するときに余震が発生する。
地震災害が発生した後は、建物の耐久性が落ちている可能性があり、規模の小さな地震でも損壊や倒壊の危険がある。そのため、余震による災害に注意する必要がある。新潟県中越地震のように、余震でも震度6弱以上の揺れを記録することがあるため、余震単独でも災害が起こりうる。また余震が続くと、被災者は不眠症や精神的なストレスに悩まされる。