信濃川発電所
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信濃川発電所(しなのがわはつでんしょ)は、
いずれも日本最長の河川、信濃川の豊富な水を取り入れ発電している。
目次 |
[編集] 東京電力 信濃川発電所
信濃川発電所 | |
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形式 | 水路式 自流 |
認可出力 | 177,000 kW |
最大使用水量 | 179.5 m³/s |
有効落差 | 109.97 m |
水車発電機台数 | 5 |
運用開始 | 1939年 |
東京電力 信濃川発電所(しなのがわはつでんしょ)は、東京電力が建設した水力発電所。 長野県飯山市にある西大滝ダム(にしおおたきダム)によって信濃川(長野県内を流れているうちは、千曲川と呼ばれる)をせき止め、左岸の取水口より水を豊富に取り入れている。 西大滝ダムは東京電力が信濃川発電所のために建設した発電専用のダムである。
取り入れられた水は水路によって県境を越え、新潟県中魚沼郡津南町にある発電所まで導かれる。 発電所内部には五台の水車発電機が設けられており、一秒間あたり最大180トン弱もの水を利用して、177,000キロワットの電力を発生させる。 これは東京電力が管理する揚水発電所以外の普通(自流式)水力発電所としては最大の認可出力である。 また、年間通じて発生する電力量は十数億キロワット時と、日本有数の規模である。
信濃川発電所で利用された水は信濃川に放水されている。 その下流の宮中ダムでは、JR東日本が自社の水力発電所で利用するため信濃川をせき止め、水を取り入れている。 同社が信濃川流域に建設した千手発電所、小千谷発電所、新小千谷発電所の三発電所もまた信濃川発電所と総称されている。
[編集] 歴史
[編集] 関連項目
[編集] JR東日本 信濃川発電所
JR東日本 信濃川発電所(しなのがわはつでんしょ)は、JR東日本(東日本旅客鉄道)が建設した三か所の水力発電所、千手発電所(せんじゅはつでんしょ)、小千谷発電所(おぢやはつでんしょ)、新小千谷発電所(しんおぢやはつでんしょ)の総称。
[編集] 構成
- 千手発電所
- 1939年に運用を開始したJR東日本の水力発電所。信濃川に建設した宮中ダム(みやなかダム)左岸の宮中取水口より取り入れた水は、浅河原調整池を経て発電所に導かれる。五台の水車発電機を有し、出力は12万キロワット。なお、宮中ダムは東京電力信濃川発電所放水路の下流に位置し、同発電所で発電に使用した水も取り入れている。
- 小千谷発電所
- 1951年に運用を開始したJR東日本の水力発電所。千手発電所で発電に使用した水をそのまま水路によって導き、山本調整池を経て発電所に導かれる。五台の水車発電機を有し、出力は12.3万キロワット。
- 新小千谷発電所
- 1990年に運用を開始したJR東日本の水力発電所。信濃川に建設した宮中ダム左岸の新宮中取水口より取り入れた水は、新山本調整池を経て発電所に導かれる。二台の水車発電機を有し、出力は20.6万キロワット。
信濃川発電所 | |||
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千手発電所 | 小千谷発電所 | 新小千谷発電所 | |
形式 | 調整池式 自流 | 調整池式 自流 | 調整池式 自流 |
認可出力 | 120,000 kW | 123,000 kW | 206,000 kW |
最大使用水量 | - - m³/s | - - m³/s | - - m³/s |
有効落差 | - - m | - - m | - - m |
水車発電機台数 | 5 | 5 | 2 |
運用開始 | 1939年 | 1951年 | 1990年 |
信濃川発電所は、JR東日本で消費する電力量の四分の一をまかなっている。 水力発電所は運転時に二酸化炭素 (CO2) を排出しないことから、環境に優しいエネルギー源であるとされている。 同社はこうしたクリーンな電気によって電気鉄道の運転を行っていることをアピールしている。
[編集] 歴史
- 1939年: 千手発電所の運転を開始。
- 1951年: 小千谷発電所の運転を開始。
- 1990年: 新小千谷発電所の運転を開始。
- 2004年10月23日: 新潟県中越地震により、発電所・水路・調整池に甚大な被害を被る。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 水力発電所 | 東日本旅客鉄道 | 新潟県の建築物・観光名所