外燃機関
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外燃機関(がいねんきかん、External combustion engine)は、熱機関の一種で、機関内部にある気体を機関外部の熱源で加熱、冷却により膨張・収縮させる事により熱エネルギーを運動エネルギーに変換する機関のこと。
代表的なものとして、蒸気機関・蒸気タービンやスターリングエンジンがある。また原子炉を使った原子力機関も外燃機関の一種である。
![外燃機関の応用の例:蒸気機関車の動作原理](../../../upload/shared/thumb/0/08/Walschaerts_motion.gif/300px-Walschaerts_motion.gif)
外燃機関において、熱エネルギーから運動エネルギーに変換する過程で作用するものを動作気体、動作ガス、作動流体という。たとえば蒸気機関では水を沸かしてその蒸気でタービンを回し、機械的エネルギー(動力)を得るから、蒸気が蒸気機関における動作気体である。 内燃機関と比較した場合、熱源が外部にあるため、燃料の形態(ガス、液体、固体)による選択肢が広く、最適な条件で燃焼させる事ができる為、大気汚染物質の排出を押さえやすい。また、化石燃料(石油、天然ガスなど)だけでなく原子力、地熱、太陽光等多種多様の熱源を利用す事ができる。また、内燃機関に比べ作動音が比較的静かである。一方、小型化、可搬性に劣り、出力・重量比が小さく重たい割に力が小さい為、小型、高出力を求められる輸送機械には内燃機関に比べ不利である。 しかし、近年、技術革新により、その短所を補い長所を引き出すことにより、積極的に実用化が進められつつある。