多民族国家
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多民族国家(たみんぞくこっか)とは複数の民族から構成される国家のことである。対義語は単一民族国家である。
多民族国家として有名な国として、移民の多いアメリカ合衆国、中華人民共和国、ロシア連邦、旧ユーゴスラビア(ユーゴスラビア社会主義共和国)などがある。また、アフリカの国家は植民地にしたヨーロッパ諸国によって民族の区分けを無視して国境が定められたため、民族が国家を横切る形で居住し、結果として多民族国家となっていることが多い。しかしながら、国家間の行き来が盛んになった現在、純粋な単一民族国家は存在しえず、あらゆる国家が多民族国家であるということもできる。
多民族国家の抱える大きな問題として、民族紛争がある。民族自決の考えから自分と異なる民族に支配されることを嫌い、独立を目指して政府と対立するということが多い。対策として自治州を設け、自治権を拡大させることもあるが、それでも不十分であることも多く見られる。民族対立は宗教対立と並んで大きな問題となっている。また、言語の違い、文化の無理解、移民の流入、民族や人種間の経済格差や差別から社会的な軋轢が生じ、問題となることもある。
一方、多民族であることを受け入れ、多くの民族、宗教、文化が共存していこうとする考えもある。これが文化多元主義(多文化主義)である。先進国では徐々に取り入れられつつあるが、発展途上国ではいまだ解決のために武力に頼っているということが多い。
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